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週刊READING LIFE vol.10

いつでもどこでも、ライター女子のためのUMPC(ウルトラモバイルパソコン)~ちっちゃいバッグにも入るイケメンを、自分好みにカスタマイズしちゃう~《週刊READING LIFE vol.10「クリエイター必見!コンテンツ制作に使えるライフハック」》


記事:江島(えとう)ぴりか(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

 

先日、ある研修で、講師の手元にあるノートパソコンに釘付けになった。
おおっ、これがイマドキのMacBookか!
薄い! なんて薄いんだ!!
思わず、講師にお願いして触らせてもらう。
軽い! 驚くほど軽い!!
おまけに、素晴らしくスタイリッシュ!!!
一枚の銅板のような滑らかさと美しい色合いにほれぼれした。
ああ、欲しいなぁ……
東京行の新幹線で、さっとMacBookを取り出し、車窓の向こうに流れる青い空で時々目を休めながら、キーボードを打ち続ける姿を妄想してみる。
ああ、なんてカッコいいんだ……
たとえ、一文字も書けていなくたって、プロのライター気分に浸れる。
カッコよくてデキる、常に仕事モードな女にはぴったりだ。

しかし、気が向いたときにちょこっとだけ書き留めたい、あるいは、できるだけ頻繁にPCを開いて、書こうという姿勢だけでも習慣づけたい、ライター志望のさらに手前にいるような私には、そんなノートPCはまだまぶし過ぎる。
1kg弱の重量も、12インチのスクリーンも、10万を超える価格も、休日は身軽にカフェへ出かけてまったりしたい女子には、やっぱりちょっと重いのだ。

そんな私のバディは〝クリムトちゃん〟だ。
愛をこめて、私は〝クリムトちゃん〟と呼んでいる。彼はUMPC、つまり、超ちっちゃいパソコンだ。

とにかく、ちっちゃい。
ディスプレイは7インチ。つい先日話題になった、iPhone XSが6.5インチらしいので、ほぼ変わらないサイズ感だろう(厚さは別として)。
起動させたとき、職場で見慣れたトップ画面がそのまんま小さくなって現れて、なんだかキュンキュンしてしまう。いつもなら、何の面白みも感じない画像でさえ、それがミニサイズになると、急に愛おしくなるのはなぜなんだろう? 最近は、盆栽でも食べ物でもやたらちっちゃく再現するのが流行りだが、「何ひとつ変えずに、正確に小さくする」というのは、職人のような技と緻密な計算が要求されるものだ。だから、そんなものを目の当たりにすると、つい完成までの道のりに思いをはせ、感動を覚えるのかもしれない。

クリムトちゃんの正式名称はGPD Pocket。
OSはWindows 10 Homeが搭載されていて、メモリは8GB。
メモリとは、例えるならば、車のエンジンのかかりやすさみたいなものだが、私が職場で使っているPCは4GBしかなく、毎朝起動に15分、シャットダウンに3分はかかっている始末だ。1分もかからずに起動してくれるクリムトちゃんは十分優秀だ。
そして10インチ以下なので、無償のMS Office Mobileが使えるのだ。
つまり、Wordも、Excelも、Power PointもOKなのだ。
Excelは挿入や削除、表の調整などの操作がちょっとしづらいが、とにかくWordで文章を書ければいい私には問題ない。
これだけ小さいと、キーボードも小さくて扱いづらいんじゃないか、という心配があるかと思うが、意外にもそんなにキーは小さくない。骨太男子には厳しいかもしれないが、慣れてしまえば、スムーズに入力できる。少なくとも、ガラケーからスマホに乗り換えたときの苦労に比べたら、文字入力の困難はほとんど感じないだろう。
その他にも、ストレージは128GBとか、バッテリーも最大12時間とか(ネットにつなぐと、そんなにもたない気がするが)、こんなに小さいのにタッチパネルで操作できるとか、CPUは~とか、USB端子が~とか、スペック的にもっといろいろ説明すべきところがあるとは思うが、正直、見た目と雰囲気重視の女子にとってはそんなに重要じゃない。

私にとっての一番のキュンキュンポイントは、やはりその外観だ。
ビジネス向けに開発されたシルバーのボディは、PCらしいきちんと感がある。ゲーム向けに作られたUMPCのようなおもちゃっぽさがなくて、ズームで撮ったら、一般的なノートPCに見えるだろう。
女子だからと言って、何でもピンクでキラキラで、リボンやハートがついていて、丸っこければいいわけではない。
自分の想像力をかきたて、創造力を振り絞ってタスクに挑むときには、それを支えてくれるしっかりしたバディにそばにいて欲しい。だからPCはやっぱりスマートでスタイリッシュな方が頼もしい。クリムトちゃんは小さいが、持ってみると意外にずっしりとした重量を感じる。とはいっても、ペットボトル1本分だが、最近のスマホのように軽すぎないのも重要だ。バディにはそれなりの存在感があってほしい。アイデアが思い浮かばなかったり、思うように時間が取れなかったりしても、「大丈夫、僕はいつでもここにいるよ」と、横でささやいてくれるかのように。

ちっちゃいけれど、きちんとしている。
きちんとしているけど、ちっちゃい。
アラフォーだけど、どこかいつまでも女子でいたい私の心をくすぐるのは、たぶんそこなのだ。

そして、飽きっぽい私にとって、気分次第でバディを〝クリムトちゃん〟にも〝ムンクちゃん〟にも〝ピカソちゃん〟にもできるのが、もうひとつのお気に入りだ。
GPD Pocket専用ハードケース「BODY GUARDIAN」のクリア(透明)を装着すれば、ハガキサイズのものを中に挟みこむことができる。
今は、オーストリアの代表的な画家、グスタフ・クリムトのポストカードを飾っているので、私のバディは〝クリムトちゃん〟なのだ。

もちろん、好きなアイドルや、愛するペットの写真だっていい。
なんなら、次の提出課題の締め切り日を大きく書いて、貼っておくのもいいかもしれない。
PCのことには詳しくなくても、外観を自分好みにカスタマイズできれば、より一層バディに愛着が持てる。それだけでも、書こうという意欲が湧いてくるのだ。

ただただ最小・最軽量のwindowsを手にしてみたいという、主にマニア向けに作られてきたUMPCだが、パフェやパンケーキでスペースが占領されても、テーブルに置けるサイズの彼らは、カフェ巡り・食べ歩きが趣味のクリエイターにもきっと使えるアイテムだ。そして、美術館で記念に購入した絵ハガキの使いみちに困っているあなたにも、さりげなく自分の趣味をアピールするツールとして、きっと役立つに違いない。

 

 

❏ライタープロフィール
江島 ぴりか(Etou Pirika)
北海道生まれ、北海道育ち、ロシア帰り。
大学は理系だったが、某局で放送されていた『海の向こうで暮らしてみれば』に憧れ、日本語教師を目指して上京。その後、主にロシアと東京を行ったり来たりの10年間を過ごす。現在は、国際交流・日本語教育に関する仕事に従事している。
2018年9月から天狼院書店READING LIFE編集部ライターズ倶楽部に参加。
趣味はミニシアターと美術館めぐり。特技はタロット占いと電車に揺られながら妄想すること。ゾンビと妖怪とオカルト好き。中途半端なベジタリアン。夢は海外を移住し続けながら生きることと、バチカンにあるエクソシスト(悪魔祓い)養成講座への潜入取材。

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2018-12-10 | Posted in 週刊READING LIFE vol.10

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