第15回:梅仕事は突然に! 梅雨が待ち遠しい梅仕事《マンションの1室で簡単にできる! 1時間で仕込む保存食作り》
*この記事は、「ライティング・ゼミ」の上級コース「ライターズ倶楽部」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
2023/6/12/公開
記事:赤羽かなえ(READING LIFE編集部公認ライター)
1時間あったら、いつもは何をされますか?
この連載では、マンションの1室で簡単にできる『1時間で仕込む保存食作り』についてご紹介します。日本に昔から伝わってきた美味しい保存食の知恵を、狭いマンションでも手軽に楽しめる工夫も含めてお伝えしますね。
今回は、梅干し&梅しょうゆを作ります!
今年は、5月中に梅雨入りして驚きました! ちょうど子ども達も疲れが出てくる季節ですが、皆様はいかがお過ごしですか?
さて、この時期になると出回るのが梅です。梅雨も梅の雨と書きますよね。この時期にしか手に入らない梅だから、忘れないようにしようと昔の人が名付けたのだとすれば、それだけ日本人の食生活に梅が大事な役割を果たしていたんだな、ということがうかがえます。
梅は1~3月頃花が咲き、この時期に実を結びます。小さい梅の方が先に実がなってGW頃から、大きな梅は早いもので5月中旬から出回ります。小梅も大きな梅も、最初は実が青く固いです。こういう梅は、主に梅シロップや梅酒用に使われます。
梅酒とジュースで飲む梅シロップは、去年、テーマとして取り上げています。
https://tenro-in.com/1hour_preserved/242825/
今回取り上げる梅しょうゆは青梅、梅干しは黄色くなったものを使います。
青梅は香りが強いのですが、梅干しに使うためには、黄色く熟しているものでないと皮が固くて出来上がりの食感が良くないのです。
梅干し用の梅は、できれば木になっているものを観察しながら、黄色く熟した時期に収穫したいところです。ただ、そんな贅沢なことは私もできません(笑)
できるご家庭はなかなかないと思いますので、お店なので黄色くなったものを購入します。
梅は家にやって来るとまず香りが良くて癒されます! この梅雨時のジメジメしている時に、ぜひ、梅仕事で癒されてくださいね。
それでは、仕込み開始です!!
<1時間で梅しょうゆを仕込む>
出来上がり:保存瓶900ml分
仕込みの季節:5~6月(青梅がある時期)
材料:青梅300g、しょうゆ500g程度、昆布(2センチ四方)好きなだけ、35度以上のホワイトリカーもしくは食品消毒用のアルコール
道具:キッチンペーパー、ボウル、900mlの保存瓶、お弁当用のピック(先が丸めのもの)
※瓶は煮沸かアルコール(35度のホワイトリカー)で消毒しておきます。
※事前準備として梅の汚れがひどい場合、洗って水気をふきとって乾かしておく。
0:00 ① ヘタがついている場合、ヘタを外す
この工程は、梅しょうゆも、梅干しも同じです。梅のヘタを取る時には、竹串や楊枝が使われることが多いですが、お弁当用のピックを使う方が、梅の実を傷つけずに作業することができます。実を傷つけないように気を付けてください。
0:10 ② 保存瓶に梅を入れる
下記の写真のようになるまで白いワタの部分を取ります。
実の大きさによって入る量は前後します。保存瓶の下から3分の2くらいまで梅を入れます。
0:15 ③ 醤油を梅がつかるくらいまで注ぐ
梅は浮かぶので、正確にはつからないのですが、後で梅の中からエキスが出てくるのでしょうゆを注ぐ量は、多くても瓶の8分目までにします。瓶の肩の部分よりしたくらいが理想的です。
0:20 ④ 昆布を入れる
昆布は、後で味付きで食べられますので、お好みで沢山入れても大丈夫です。
仕込み完了です!! 梅のエキスが上がって実が液体に沈み込むまでは1日に1回くらい瓶をゆすって1か月ほどしたら完成です! 青梅の実は毒素があるので、必ず熟成させてから使ってくださいね。
梅しょうゆは、冷ややっこにかけたり、そうめんのめんつゆ、味付け卵の味付けとして使うなど、かけ醤油やめんつゆのかわりに使ってみてください。
さて、続きまして、梅干しの仕込み開始です!!
<1時間で梅干しを仕込む>
出来上がり:黄色い梅の実1キロ分
仕込みの季節:6~7月上旬(黄梅が出回る時期)
材料:黄梅1kg、塩200g、35度以上のホワイトリカーもしくは食品消毒用のアルコール
道具:キッチンペーパー、ボウル、食品用保存バッグLサイズ×2、お弁当用のピック(先が丸めのもの)
※事前準備として梅の汚れがひどい場合、洗って水気をふきとって乾かしておく。
0:00 ① ヘタがついている場合、ヘタを外す
先程の作業と同じなので写真は割愛します。
0:15 ② 梅の実をアルコールで消毒する
梅干しは梅酢が上がってくるまで、空気に触れる部分が多いので、カビを避けるため、アルコール消毒をします。特にヘタの部分が悪くなりやすいので気をつけます。アルコールをスプレーボトルに入れて拭きつけるようにすると便利です。
0:30 ③ 食品用保存バッグに分量の塩を入れ、その塩の上に梅を並べ、空気を抜いて封をする
塩の上にヘタの部分が乗るように置いていきます。これも腐敗を防ぐためです。保存バッグに梅を並べたらなるべく空気を抜いて、ジッパーを閉めます。梅の入っていない部分を折りたたんで、もう一枚保存バッグを入れ、上がってきた梅酢が溢れないようにします。
0:40 ④ 梅の分量以上の重石をかけて1か月ほど置く
これで仕込みは完成です! 1日置きに食品保存バッグをひっくり返して満遍なく塩が回るようにします。梅酢が上がってきたら、重しの量は減らしても大丈夫です。逆に梅酢がなかなかあがらない(塩が溶けない)場合には、重石をさらに重くします。
(参考)
(写真キャプション/今年漬けた小梅の梅酢が上がった様子、このくらいひたひたになっていたら、重石は軽くしてよい)
辞書、新聞の束、ペットボトル、米袋など、市販の重石を買わなくても代用できるものはありますが、積みすぎて落とした時に事故になる可能性があるので、割れ物は避けた方がいいです。
梅干しは、梅雨が明けたら干す作業、お好みで赤しそを入れて色を付ける作業があります。それは、来月にお伝えしますね。
2つの仕事をしても合計1時間ほどで仕込めます。ぜひやってみてください!
Let‘s try 梅干し&梅しょうゆ!
*おまけ*重石を侮ってはいけない
色んな保存食で重石を使います。私は、今まであまり重石の重要性が分かっていませんでした。重石を使うものは大抵、水が上がってきて素材が浸かるとカビないと言われていることから、水さえ上がればいいと思っていたのです。
しかし、先日、「重石こそ大事なのだ」という方に出会い、その認識を新たにしました。そうやって振り返ってみると、重石をしてある部分だけはカビがなく、その周りにカビがついているということがあったな、と思い出したのです。
今はホームセンタに扱いやすい重石も売っていますので、それを使ってもいいと思います。特に、保存食で、塩分を減らして食材を仕込みたいと考えていらっしゃる方は重石にこだわらないと、せっかく仕込んだのに悪くなってしまって台無しになる、ということもあるので重石をちゃんとしてください。ちなみに、私は塩分を減らすことはあまり賛成ではなく、塩の質にこだわることをお勧めします。どうしても塩辛さを感じる時には食べる時に塩抜きする方がいいと考えています。
保存食を仕込んでいると、その保存食を仕込んだガラス瓶や陶器自体を重石に使えるんじゃないかと思うかはいらっしゃると思います。かつては私もそうしていたのですが、一度、重石をかけていたものが傾いて上に載せていた瓶が落ちて壊れ、夜中にシロップとガラスの破片と格闘したという経験上、あまりお勧めはしません。落ちても割れないものを採用してくださいね。
(文:赤羽かなえ、写真:小島百合子)
□ライターズプロフィール
赤羽かなえ(READING LIFE編集部公認ライター)
広島県在住。横浜から広島に移住した当初はほぼ外食暮らしをしていたが、産直などで手に入る自然の恵みに魅せられて保存食作りを始める。今では味噌や沢庵などの発酵食品から梅干し、栗の渋皮煮などを手作りしながら、発酵仕掛人として発酵の魅力を伝えている。また、子供達が自分達の力で一汁二菜を作るキッズキッチンのインストラクターをしていた経験から、単に料理を作るということにとどまらない食文化を伝える食育の必要性を感じている。
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