第16回:美味しいカラーセラピー?! 赤しそ活用法《マンションの1室で簡単にできる! 1時間で仕込む保存食作り》
*この記事は、「ライティング・ゼミ」の上級コース「ライターズ倶楽部」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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2023/7/25/公開
記事:赤羽かなえ(READING LIFE編集部公認ライター)
1時間あったら、いつもは何をされますか?
この連載では、マンションの1室で簡単にできる『1時間で仕込む保存食作り』についてご紹介します。日本に昔から伝わってきた美味しい保存食の知恵を、狭いマンションでも手軽に楽しめる工夫も含めてお伝えしますね。
今回は、赤しその塩漬け(もみシソ)&しそジュースを作ります!
赤しそが出回るシーズンになりました。前回の梅干し同様、一年のうちに限られた期間しか手に入らないので、出合った時には即座に購入しないと、そのままシーズンが終わってしまう……というリスクがあります。
赤しそは、青しそのようにすぐに食べることができません。保存食について調べ、仕込むたびに、昔の人は知恵をふり絞って食材を加工していたんだなと感動してしまうんですが、赤しその活用法もそのひとつなのです。
一連の下処理には少し時間がかかるので、心に余裕がある日にぜひ購入してみてくださいね。
まずは、赤しそで、「もみシソ」を作ります。これが何に使えるかは後からお知らせします。
それでは、仕込み開始です!!
<1時間でもみシソを仕込む>
出来上がり:赤しそ200g分
仕込みの季節:6~7月(赤しそがある時期)
材料:赤しその葉200g(作った梅の重量の20%)、塩40g(赤しその葉の20%)、梅酢 適量
道具:キッチンペーパー、野菜水切り器、ボウル、保存容器(タッパーや食品保存バッグ)
※赤しそは、軸から葉を外してよく洗い、キッチンペーパーなどで水気を拭き取っておきます。野菜の水切り器があると、作業が早く進みます。表面に砂がこびりついている場合がありますので、こするようによく洗いましょう。(実はこの一連の作業に一番時間がかかります)
※梅酢とは、梅干しを作る過程で上がって来る液体のこと。すっぱいので酢の代わりに使えます。
0:00 ① 赤しその葉をボウルに入れ、塩を20g入れもみ込んでいく
よくもみ込むと、赤しその中の水分が塩の浸透圧で出てきます。その際に、アクも一緒に出ますので、泡立っています。液体が飛び散って汚れますので、エプロンをして作業をしましょう。
0:07 ② ①を絞り、液体を捨てる
キレイな色で、染め物にも使えそうですが、この液体はえぐみがあるので、捨てます。水などでは洗いません!
0:10 ③ ①と②同じ作業を繰り返す
液体を出る分だけ出し切って、アクを除きます。この作業をサボると、もみシソにエグ味が出るので年に1度の作業と思って頑張ってください!
0:20 ④ ③に梅干しを仕込んだ時の梅酢が浸かるくらいにいれ、食品保存バッグなら、空気を抜いて閉める。
色が鮮やかな赤ピンクに変わったら完成です!
このもみシソは、作っておくと、なにかと便利です。
〇梅干しに漬け込んで、赤色に染める
〇乾燥させてからミルサーにかけて、ふりかけに
〇破れないように広げておむすびの海苔がわりに
〇柴漬け作りに
保存は常温でも大丈夫ですが、気になる方は、冷蔵庫にいれて保存しましょう。
ここで、先月の記事を読んで梅干しをつけた方に向けて、7月の作業をお伝えしますね。
前回梅干しを、作られた皆さん、順調に梅酢は上がりましたでしょうか?
前回記事:https://tenro-in.com/1hour_preserved/307336/
1か月くらい経つと、仕込んだものがこんな風になります。
柔らかくていかにもすっぱそうな白梅干しになりつつありますね。このまま食べても実はもう美味しいです。でも食べるのはもう少し我慢です。
土用干しという作業をしていきます。土用干しとは、多湿の風土である日本で、湿気を飛ばしてカビを防ぐためにおこなうという昔ながらの工夫で、かつては、梅干しに限らず、衣類や書物も干していたそうです。
梅干しの土用干しは、夏土用の時期(多少前後しますがだいたい7月19日~8月6日)に行います。塩漬けした梅干しを2~3日間天日に干す作業です。毎日夜には取り込むという説もありますが、我が家は、期間中は外に出しっぱなしにしますので、特にお天気がずっと晴れの日を選ぶようにしています。
<土用干しの手順>
① 梅を食品用保存バッグ出して、竹ざるや干し布などにあげて干す
なるべく梅酢を切ってから干していきます。竹ざるや干し布はホームセンターで売っています。皿などに置くと、液体が溜まったり、実がこびりついて離れないので適しません。また、金ザルは錆びますので、絶対にNGです。ベランダなどで干す場合には、塩がこびりつきますので、新聞を下に敷いておきましょう。土用干しをすると、より梅干しらしい見た目になります。
その際残っている梅酢も瓶などの保存容器に詰めて一緒に土用干しします。
② もみシソと干した梅、梅酢を保存瓶に入れる
もみシソは梅酢が上がる前に漬け込んでしまう人もいますが、我が家では、土用干しのあとのタイミングで保存しておいたもみシソを入れます。もみシソが梅酢から飛び出さないように注意します。
③ 半年ほど熟成
年明けくらいから梅干しの塩角がとれて美味しく食べることができます。ここまでくると、よほど状態が悪くない限りは、何十年常温においてもカビずに保存ができます。
もみシソを入れると、鮮やかな赤い梅干しができます。梅本来の味を楽しみたい場合には、土用干しをして白梅干しのままでも大丈夫です。
引き続きまして、しそジュースを作ります!
<1時間でしそジュースを仕込む>
出来上がり:約1リットル
仕込みの季節:6~7月(赤しそがある時期)
材料:赤しそ200g、水1リットル、砂糖400g~、レモンもしくはレモン果汁150ml
道具:ボウル、鍋、ザル
※赤しそは、軸から葉を外してよく洗います。表面に砂がこびりついている場合がありますので、強めにこすります。もみシソの時とは違い、水気は取らなくて大丈夫です。(実はこの作業に一番時間がかかります)
※レモンが手に入らない場合には、リンゴ酢もしくは酸味がきつくないお酢で代用します
0:00 ① 水を沸騰させる
赤しそを洗いながら水を沸かしておくと、効率的です。
0:07 ② 沸騰したら、赤しそをいれ、弱火で5分ほど煮出す
0:12 ③ ザルで赤しその葉を濾す
0:40 ④ 熱いうちに③に砂糖を溶かす
砂糖の量が多いほど保存性は高まります。砂糖の量が多いのが気になる方は砂糖の分量を減らしても構いませんが、使う時には水などで割るので、私は気にしないようにしています。
0:45 ⑤ レモン果汁などを注いで保存容器にいれる
鮮やかな色の変化を楽しんで下さい!!!
これで完成です!
水や炭酸、乳製品で割ってから飲みます。かき氷のシロップやゼリーなどにもできますよ。
赤しその仕事は、色の変化が楽しめるのも醍醐味。鮮やかに変化する色を楽しみ、ひんやりした手作りジュースを飲んで、暑さを乗り越えていきましょう!
Let‘s try もみシソ&しそジュース!
(文:赤羽かなえ、写真:小島百合子)
□ライターズプロフィール
赤羽かなえ(READING LIFE編集部公認ライター)
広島県在住。横浜から広島に移住した当初はほぼ外食暮らしをしていたが、産直などで手に入る自然の恵みに魅せられて保存食作りを始める。今では味噌や沢庵などの発酵食品から梅干し、栗の渋皮煮などを手作りしながら、発酵仕掛人として発酵の魅力を伝えてきた。また、子供達が自分達の力で一汁二菜を作るキッズキッチンのインストラクターをしていた経験から、単に料理を作るということにとどまらない食文化を伝える食育の必要性を感じている。
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