週刊READING LIFE vol.56

1億人のヒカキンが生まれる2020年《週刊READING LIFE Vol.56 「2020年に来る! 注目コンテンツ」》


記事:射手座右聴き (天狼院公認ライター)
 
 

2020年、自分が失業するかもしれない。ものすごい危機感を持っている。
新しいコンテンツの襲来が、いよいよ本格化するからだ。
 
私にとって映像の仕事は重要な武器のひとつだ。
もう、20年以上、映像のプロとして仕事をしてきた。
私はもともとTVCMを企画し、制作する仕事をしていた。
最近は、コピーライティングの仕事が多くはなってきたが、
今でも年に4,5本はCM制作に関わっている。WEB動画も5、6本は関わっている。
 
その仕事の価値は、最近常に問われている。
「CMって効果はあるんですかね」
クライアントと話しているとよく出てくる会話だ。
「美しい映像をお金をかけて作っても、売り上げはあがるのでしょうか」
こんな質問もよく受ける。
TVCMでものが売れたかどうか、はわかりにくい。
普通の15秒、30秒のCMではなかなか効果が測りにくい。
名前を覚えてもらった。好感度が上がった。かつては、そういうことで効果的と言ってもらえたが、今はそうばかりもいかない。即効性を求めるクライアントは多い。
 
その一方でyoutubeを代表とするWEB動画への期待は高い。
「youtube始めたい」
どこに行っても、みんなが言う。
バンド、アイドル活動をしている人、などはもちろんのこと、
セミナー講師、個人事業主、カウンセラ−といった人たちも「youtube、始めます」
と言っている人が少なくない。
 
先月のことだ。おっさんレンタルで一週間に3件、動画の依頼があった。
ひとつは、現役バリバリのyoutuberさんが年齢別に運動会をする、というもの。
10代、20代、30代、40代とチームに分かれての運動会だった。
40代のおっさんを集めてくれ、という依頼を受けてキャスティングをした。
実際現場に行ってみると、驚いた。
10代、20代は全員youtuber。しかも、毎日発信しているという。
チャンネル登録者は、少ない人でも7-10万人くらいだった。
それだけの人に毎日発信している人たちは強い。
自分で出演し、撮影し、編集した動画をアップする。
演じながら、カメラ位置を決め、その場で構成も考えていくのだ。
仕上がった動画は、まるで、バラエティ番組のようだった。
効果音や音楽もタイミングよく入っており、笑いもハプニングもわかりやすく
楽しくなっていた。再生回数はあっという間に10万回を超えていた。
 
続いての依頼は、オーディション用の動画撮影。決められた演技を撮影して、送り、それで選考されるという。役者を始めたばかりの女性からの依頼だった。
正面、横、後ろ姿、などを撮影するだけでなく、実際に本を読む演技を撮影した。
撮影といっても、カメラではなく、スマホだ。
「昨日連絡が来て、今日中にメールで送るんですよ」
撮影する場所も、背景も準備する時間はない。その場で考えていく。
でも、この動画がプレゼンテーションになる動画なのだ。
その場で確認してもらいながら、納得してもらうまで撮影した。
 
次は、なんと自分がモデルになる撮影だった。なんでこんなおっさんを出演させようと
思うのだろうか。理由があった。
「一週間、耳掃除をしないで来てください」
と念をおされた。耳掃除のエステをしている方のプロモーション動画だった。
耳の中が見られる特殊カメラと、iPhoneを駆使して撮影をした。
私一人を撮影しているのではなく、ほかにも、OLさんやインフルエンサーなどを撮影し、耳掃除のデモンストレーションをして、集客につなげる狙いがあるらしい。
なるほど。耳掃除を人にやってもらうという、イメージしにくいものを動画化すれば、
わかりやすくなるし、興味を持つ人がいるかもしれない。
完成した動画は、やはり、番組のようになっていた。
 
このように、動画といっても、様々なものがある。
番組風、CM風、ほかにもミュージックビデオ風のものや、ドラマ風など。
ほかにも、アニメ、CG、ただ写真をつなぎ合わせただけのスライドショーを動画と呼んでいる人もいる。私の友人は、プロフィールと写真をスライドショーにまとめながらまとめる、1分動画というものをビジネスにしている。
彼はこれを「動く名刺」と名付けている。
 
編集したコンテンツだけではない。実況のような生のストリーミングも動画である。
VRやARのようなテクノロジーもあたりまえのものになりつつある。
 
もはや森羅万象が動画で表現できる時代が近づいている。
しかも、誰もが簡単に作れる時代になってきている。
スマホがひとつあれば、撮影から編集、アップロードまでできるのだ。
 
こうなってくると、内容が問われる時代になってくる。
1億人がヒカキンになれる可能性を持った時代だが、全員がなれるとも限らない。
だから、まだまだ私の仕事は大丈夫。映像のプロに需要はたくさんある。
 
という、はずだった。
 
が、しかし、ここへきて、1億人がヒカキンになれるかもしれない、
恐ろしいコンテンツが生まれようとしている。
私のようなプロにとっても脅威を感じる動画講座が生まれる可能性が高いのだ。
天狼院書店の三浦店主がfacebookで、
動画に力を入れていくことを投稿していたのだ。
天狼院書店は、池袋からスタートした個性的な書店だ。本を提供するだけでなく、
文章や写真、マーケティングなどの講座を開催したり、
イベントなどさまざまなコンテンツを提供することで注目されている体験型の書店だ。
京都、福岡をはじめ、各所にも積極的に出店し、話題になっている。
 
その書店の店主三浦氏が、動画講座を予感させる投稿を繰り返しているのだ。
「これはまた強力な競合が現れた」と思った。同時に「楽しみだ」とも思った。
理由は2つある。
1つ目は、ライティング・ゼミの存在があることだ。
ライティング・ゼミは文字通り、ライティングの力を鍛える講座である。現在まで6700名が受講したという。ここから、バズを起こした人は数知れず。書籍化された本も数冊ではない。今年のライティング・ゼミでは著書を持っている人が8名。プロのライターとして講座を持っている人も。ベストセラー作家まで通っているという。実際、私もコピーライティングでご飯を食べているが、ライティングゼミの上級コースはまだまだ続けるつもりだ。
この実績ある天狼院が教える動画ならば、期待できる。
というだけではない。もっと秘密がある。
 
ライティング・ゼミで教えられることは、再現性が高く、誰もが文章を上達させることができるのだ。文章講座は数々あれど、再現性の高さを意識した講座は稀有だと言えると思う。実際、私の知人たち数名がライティングゼミに通い、ブログなどのアクセス数を確実に伸ばしているのをみると震える。
「もう、公開しないでほしい」いつも思うくらいだ。
そう。この再現性の高いライティングのエッセンスは、動画にも必ず生きるからだ。
いままで数百本のCMやMVなどの動画を作ってきた私から言わせてもらいたいことがある。ライティング・ゼミで身につく構成力は、必ず、動画のシナリオでも生きるのだ。動画を作ろうとしたとき、まず誰もがつまずくのが、シナリオの作り方だ。ライティング・ゼミの秘伝の手法を使えば、この構成力をいとも簡単に身につけることができると思うのだ。
 
もうひとつ。天狼院には、動画につながる武器がある。フォト部の存在だ。いままで2800名が参加したという、本屋さんの写真教室だ。
さらに、巨匠プロカメラマン、青山裕企氏による「写真で食べていくための全力ゼミ」という講座もある。この部活と講座に説得力があるのは、何と言っても、店主の三浦さんが一からプロカメラマンになったということだ。
「自分史上最高にSEXYな一枚を撮る」というキャッチフレーズを持つ、
「秘めフォト」という撮影サービスが大人気、何度もメディア取材を受けているのだ。
さらには、その講座を担当していた山中さんと言う方もカメラマンとして独立を果たすと言う。写真教室は数あっても、カメラマンがどんどん生まれていくというところは、そうはない。つまり、ここにも、確かな再現性がある、ということだ。
動画において、光の作り方や写真の切り取り方、被写体の表情の出し方などがいかに大切か、は言うまでもないだろう。
 
シナリオ構成力×写真力 この2つがあれば、動画制作の土台が再現性高く提供できるのは、間違いないだろう。あとは、時間軸をどう作るか。それも、店主三浦さんは、研究済みだろう。つまり、天狼院だからこそできる動画講座がもうすぐそこまできているのだ。それは驚くほど、再現性の高いものになるのではないだろうか。
 
もし、天狼院から新しい動画講座がでることになれば
必ず申し込むべきだと思う。
 
それは、一億人のヒカキンが生まれる、きっかけだから。
 
もはや、2020に来るコンテンツどころか、
2020を独占するコンテンツになるのではないか。
戦々恐々としながらも、自分の技術を体系化して、整理しつつ
そのエッセンスを学びたいと思った。
 
 
 
 

◻︎ライタープロフィール
射手座右聴き (天狼院公認ライター)

東京生まれ静岡育ち。新婚。会社経営。40代半ばで、フリーのクリエイティブディレクターに。退職時のキャリア相談をきっかけに、中高年男性の人生転換期に大きな関心を持つ。本業の合間に、1時間1000円で自分を貸し出す「おっさんレンタル」に登録。4年で300人ほどの相談や依頼を受ける。同じ時期に、某有名WEBライターのイベントでのDJをきっかけにWEBライティングに興味を持ち、天狼院書店ライティングゼミの門を叩く。「人生100年時代の折り返し地点をどう生きるか」「普通のおっさんが、世間から疎まれずに生きていくにはどうするか」 をメインテーマに楽しく元気の出るライティングを志す。天狼院公認ライター。
メディア出演:スマステーション(2015年),スーパーJチャンネル, BBCラジオ(2016年)におっさんレンタルメンバーとして出演

http://tenro-in.com/zemi/102023

 


2019-11-04 | Posted in 週刊READING LIFE vol.56

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