メディアグランプリ

私が作りたいのは、牛肉100%のハンバーグのような記事なんだと思う。


 

 

 

 

*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事:新沢雄治(2026年5月開講・通信・4ヶ月コース)

私が提供したいのは、牛肉100%のハンバーグ。

そんな記事を書きたいと思った。

なぜ、そんなふうに思ったのか。

きっかけはAIで効率よく記事が書けるようになったことだと思う。

もともと私は記事を書くのに時間がかかる。

ライターとして10年以上の経験があるので、書くことは好きな方だ。

ただ、経験が長くなったことで、自分の描いている文章で気になる点も増えた。

伝えたいことがまとまらない。文章としておかしい。

いろんな観点に気づけるようになったことで、1つの記事を仕上げるのにとても時間がかかる。

AIを使ってライティングができることを知ったとき、最初は歓喜した。

これで自分が苦労していた悩みが解消されるかもしれない!

実際、試行錯誤を繰り返した結果、私っぽい文章が書けるようになった。

それだけでなく、私より正確で、比喩表現も豊か。

客観的に見たら、たぶんAIの記事の方が良い記事だと思う。

実際、note以外の仕事ではAIを使った記事の執筆は行いはじめている。

それにAIを使うことは今でも違和感を覚えていない。

ただ、noteに書く記事をAIで生成することには、強い抵抗が自分の中であった。

たしかに、自分よりも質が高い記事がたくさん書ける。

もともといろんな記事を書きたいのに、自分の能力不足で記事を書けないことが嫌だった。

だからAIで効率化できれば、とても嬉しい。

そう思っていたはずだった。

けれど実際に、AIで生成された記事を読んで思ったのは、これは私じゃないなという感覚だった。

たぶん、読者の多くは気づかないと思う。

まだ投稿本数も少ないので、余計に気づかれることはないと思う。

でも、自分はこの記事は私じゃないと感じている。

そう思う理由はやはり、純度100%ではないからだと思う。

子どもの頃、母が豆腐ハンバーグを作ってくれた。

最初に豆腐ハンバーグを見たとき「なんだ? このハンバーグのような白い物体は?」という感想だった。

母に尋ねたところ、「豆腐ハンバーグだよ」と言われた。

聞いたこともない。

恐る恐る食べて、驚いた。

ハンバーグか? と言われると、わからない。

ただ、抜群に美味しかった。

それ以降、「今日の夜ご飯何?」と聞いたとき、「ハンバーグだよ」と言われると、「豆腐ハンバーグ!?」と聞き返していたくらいである。

当時の私にとって、豆腐ハンバーグはハンバーグより好物になっていた。

でもそれは、「豆腐ハンバーグ」として出されたからだったんじゃないか。と今では思う。

もし母が「これはハンバーグだよ」

と言って、出されていたら、違和感を覚えていたに違いない。

あれは豆腐ハンバーグであり、ハンバーグではない。

もしハンバーグを偽って出されていたら、2度と豆腐ハンバーグは食べなかったかもしれない。

なぜ、AIでnoteの記事を生成するのをためらっているのかを考えていたとき、母の作る豆腐ハンバーグを思い出した。

たぶん、私が作りたいのは、牛肉100%のハンバーグのような記事なんだと思う。

豆腐ハンバーグは大好きで、否定はしない。

けれど、私が今作りたいのは、牛肉100%のハンバーグ。

読者に求められているかはわからない。

豆腐ハンバーグも大好き。

でも、「これは100%の自分です!」と言って、AIに生成させた記事を投稿することには違和感がある。

なぜならそれは、私の要素はあるものの、私100%ではないからだ。

母が「豆腐ハンバーグだよ」と事前通知したように、「AIと共同で仕上げました」と通知すれば、自分の中で偽っている感覚はなくなると思う。

それでも、私が作りたいのは純度100%の牛肉のハンバーグなんだとの思いが強くなる。

繋ぎを使わずに整形するには、おいしくするにはどうすればいいか?

それを試行錯誤して、「これは良い記事が書けたな。ぜひお客さんに食べてもらいたい」そう思えるような記事が書きたい。

食材をロボットに入れて、その過程に試行錯誤した料理も美味しい。

それにこだわる価値もある。

ただ、自分が今やりたいのは、誰に求められるでもなく、自分が提供したいものを提供することなんだと思った。

《終わり》

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