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走馬灯は人生の起爆剤、死にかけたら人生がより楽しくなった


 

 

 

 

*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事:森岡 瑞穂(26 年 9 月ライティングゼミ withAI)

 

 

走馬灯ってほんまにあった

昨年、死にかけた。正確にはICUで人工呼吸器につながれ、ぼんやりとした意識の中で

「あ、これ死ぬやつかもしれんな」と思っていた。そのとき、家族や友達、これまでの人生で楽しかった場面が次々と頭の中に浮かんでは消えていった。

これ、走馬灯ってやつじゃない?

噂には聞いていたけれど本当にあるんだ! 私は歓喜した。

そして次の瞬間思った。

え、ということは私、死ぬのか?

いや、待って。まだ「死ぬ」と決まったわけではない。

でも、もし本当にこれが走馬灯なら私、いま人生のエンドロールを見せられているってこと?

上映中止にできないの?

そんなことを考えているうちにも、呼吸は苦しくなっていく。

 

亡き父が助けてくれたのかもしれない

場面が切り替わり私は銀河のなかにいた。次々とものすごい速さで星と人が流れていく。

二年前に亡くなった父を見かけた。

「お父さん!」

亡くなって以来、夢にも出てきてくれなかった父とようやく会えて嬉しかった。

だが、近づこうとした私を父は一瞥するとそのまま星と一緒に流れていってしまった。

残された私は流れていく人と星をただひたすら見送っていた。

それからどれくらいの時間が過ぎたのか。ふと目が覚めた。

「私生きてる?」

いやいやいや、この世じゃなくて実はあの世でした、なんてオチがあるかもしれないから喜ぶのはまだ早い。

だが、そうこうしているうちに痰が詰まってきて息苦しくなり、否が応でも生きていることを実感させられた。ぐ、ぐるじい。

筋力が落ちナースコールを指先で押せない私は、足をジタバタさせベッドの柵に何度かぶつけて看護師を呼んだ。

「危ないからやめてください」といつも叱られるのだが、それ以外に苦しさを伝えられる術がない。口腔内には管が入っていて声を出せないのだ。

「テレパシーはまだ修行が足りなくて使えないんだ、ごめんね」

テレパシーは使えないのに心の中で看護師に謝っていた。

足音がし誰かが近づいてくる気配がある。

「痰の吸引ですよね、ちょっとお待ちくださいね」

カーテンが捲られ、私独自のナールコールに気づいてくれた看護師が声をかけてくれた。

なんとか生き延びられたという安堵が胸に広がる。ありったけの力を振り絞り、かすかに私は頷いてみせた。あやうく人生最後の願いが「家族にありがとうを伝えたい」じゃなくて「痰を吸ってほしい」になるところだった。

 

残りの人生有意義じゃなくてもいい

たくさんの人に助けてもらい私は死の淵から生還した。人生の第二ステージのはじまりだ。

死にかけたらなんだか、悩んでる時間というものがバカらしく思えるようになった。

やりたことは全部やって、好きな人にだけ会って嫌いなものはとことん無視して遠ざけたらいいんじゃない?

もともと好き嫌いははっきりしてる方だったが、人生で優先したいものがよりクリアになった気がする。SNSはほぼ見なくなり、お金の使いどころも本当に欲しいものや食べたいもの、体験にかけるようになった。

そして、意味のあることや正しいことよりも自分の感性を大切にすることにした。

朝から酒をダラダラ飲んで何もせず寝る日があってもいい。

一度死にかけた私からすると、一日を無駄に過ごすということもまたかなり贅沢な時間の使い方なのだ。

 

ボーナスタイムにやりたいこと

よく死ぬ気でやれば、と言うけれど「あの時一度死んだ」と思えばここから先の人生はボーナスタイムだ。失敗が怖くなくなって、なんだってできる気がする。だって一度死んでるから。

ずっと書くことが好きと言いながらがむしゃらにやったことはなかった。

本気になっても何も為すことができないのが怖かった。それなら「そこまで本気でやってなかったしなー仕方ないか!」と逃げ道を残しておきたかった。でももうそんなずるいことはやめて、七転八倒して書けなくて苦しんでも毎日書きまくることにした。

いや、書いたからには賞を獲りたい。映像化もされたい。

そして、いま一番私の胸を熱くする大泉洋様に演じてもらいたい。

一気に欲が出てきた。

文学賞獲れたら次に見る走馬灯が一気に華やかになるじゃん!

次の走馬灯に入れたい場面がどんどん増えていく。

ここまでくると、もう夢というより次の走馬灯のための仕込みである。

走馬灯とは死ぬ前に見る人生のおさらいではなく「もっと生きてやる!」という起爆剤なのかもしれない。

 

「走馬灯見たけど生きてるオフ会」を主催したい

どれだけそんな希少体験をした人がいるかわからないが、死に損ない達で「あん時死ぬかと思ったわ」ってガハハと笑いあいたい。

もちろんこの世で、笑

このボーナスタイムだっていつ終わりがくるかはわからない。

それなら次に走馬灯を見る日まで、できるだけ面白おかしく遊んで生きようと思う。

 

 

 

 

 

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