自信がなかったから、私は動き出した
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
記事:立野亜美(ライティング・ゼミ1月コース)
30代になってからようやく気付いたことがある。
“自信がない”ということは、何もやっていないから自信がないわけであって、
いろいろなことを経験するからこそ、自信がついてくるということに。
おそらく、ほとんどの人は学生時代に勉強や部活、アルバイトなどの経験を通して得られるもののはず。
どうしてこんなに気付くのが遅くなってしまったのかというと、私は子供の頃から内気で消極的な性格で、何をやるにしても
「どうせ私にはムリ」
と思って何もやろうとしなかったことが原因だと思う。
不器用なこともあって、何かを習得するのに時間がかかるから余計に周りと比べてしまう。
社会人になってから、さらに自信のなさが増幅していった。
そもそも人見知りという性格もあって、私には正社員なんてムリ、務まらないだろうと思い、非正規雇用で働くことを選び続けた。
今にして思えば、まったく真逆の選択だ。
契約期間が満了になれば新しい職場へ行かなければいけない。
そしたらその都度、新しく人間関係を構築しなければいけないし、仕事だって早く覚えて即戦力になることが求められる。
でも、私はコミュニケーションがうまくとれなくて上司や同僚とうまく話せなかったり、同期が仕事覚えも周りと馴染むのも早いことに負い目を感じていた。
「私はなにをやってもだめなんだろうな」と周りと比べて落ち込む日々。
もし正社員になれていたら、研修やサポート体制が整っている環境で、人間関係にも慣れて、多少なり自信がついていたかもしれない。
28歳のときに、10年後の自分を想像してみた。
仕事が出来ない事で悩み、自信がないことに嘆き、人と比べて落ち込む日々……。
何にも成長できないままの自分が想像の先にいて、10年後も繰り返し同じことを悩み続けていそうな自分に目の前が真っ暗になった。
この先も性格が変わらないのは怖すぎる。恐怖。
私はようやく自分自身を変える決意をした。
自信を持ちたい。そしていろんなことに前向きになりたい。
私は自分を変えるため、自己啓発本やビジネス本、時にはスピリチュアルの本を読んだり、朝活をして気持ちを整えたり、婚活に参加したりボイトレに通ったり。
様々な経験を積み重ねていった。
あれから10年後の今、私は相変わらず契約社員で働いている。
自信はついたのかわからない。けれど、職場のコミュニケーションでは悩まなくなった。
婚活を通していろんな年代の、様々な職場の人と話してきたからだと思う。
周りと比べるときも、ある。でも、ボイトレで自分が学ぶペースを把握できたからこそ、人と比べても意味がないことに気付いた。
昔と比べるとずいぶんと生きやすくなってきたなと思っていた矢先、問題がおきた。
同じ契約社員として働いている先輩がいる。
私が入社した頃にはいろいろと気にかけてくれて、よく話しかけてくれていた。
「昨日の雨すごかったね、大丈夫だった?」とか「ここらへんは飲食店が少ないからお昼の選択肢が減るよね」とか。
私も円滑なコミュニケーションを心がけようとにこやかに対応していたと思うし、関係性は良好だと思っていた。
でもその日は違和感があった。
廊下ですれ違っても、前までは和やかに交わしていた挨拶や雑談がなくなった。
仕事をする上でも話すときは笑顔で対応してくれていたのに、目を合わせてくれなくなった。それどころか面倒くさそうに書類を受け取る。
私から話しかけてみても、以前みたいに会話が早く終わってしまう。
あまり快く思われていない空気が伝わってくる……。
「あれ、私なにかしたかな」
思い当たる原因はない。ないけれど、私がなにか悪いことをしたのかなと不安になる。
周りの職場の人には穏やかに話している。
私だけに冷たい。
あ、やってしまったかも……。急に血の気が引く感覚、足元がおぼつかなくなるような。
背中にひんやりとした空気が漂ってくる。
ワタシ、ナニカ、マチガエタ……?
頭の中でずっとその人との会話を思い出す。でもやっぱりわからない。
家に帰ってもずーっと「なんで?どうして?」が続く。
でも、時間が経って冷静になって考えた。
「私がコントロールできる問題かな?」
相手はただ調子が悪かっただけかもしれない。
自分が思い悩む必要はあまりないのかもしれないし、もし知らないうちに傷つけたのなら確認して謝るほうがいい。
前までの私だったら、こんな風には考えられなかった。
自分が悪い、自分がダメだからと責め続けていた。
今回、違う考え方ができたのは、これまで変わるために取り組んできたことの成果のひとつかも。
翌日会社へ行ってみたら、その先輩はあっさりと今までと変わらずに話しかけてきてくれた。
やっぱり相手の態度や機嫌はその人自身の問題かもしれない。
その全部を自分が請け負って責める必要はないのかもしれない。
自信がついたかどうかは、まだわからない。
けれど自信がないからこそ自分と向き合い続けてきたことが、自分の強みとなって今の自分を支えてくれている。
これからも私は、自分に自信をたくさんつけさせてあげたい。
10年後の未来が楽しみになってきた。
≪終わり≫
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