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東洋医学のすすめ


 

 

 

 

*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事: 美穂(ライティング・ゼミ名古屋会場)

 

 

私は以前、病院で薬剤師として働いていたが、現在は転職して漢方薬局で働いている。

転職した理由はいくつかあるが、その中でも魅力に感じたのが東洋医学独特の「未病」という考え方だった。

未病とは、病気と診断されるほどではないけれど、健康とも言い切れない状態のことを指す。なんとなく疲れが取れない、眠りが浅い、頭が重い、イライラする、冷えが気になるといった症状があっても、病院で検査を受けると異常がない、ということはよくある。

現代医学では病名がつかなければ治療の対象にならないことも多く、薬が処方されないこともある。

もちろん現代医学は感染症や外科手術など、人の命を救う場面では欠かせない存在だ。しかし一方で、「病気ではないけれどつらい」という状態に対しては、十分に対応できないこともある。その部分を補ってくれるのが東洋医学だと私は感じている。

漢方薬は病気になってからだけでなく、病気になる前の不調「未病」にも使うことができる。例えば、疲れやすい人には疲れやすい人なりの体質改善の方法があり、冷えやすい人には冷えやすい人のための処方がある。同じ頭痛でも、人によって原因や体質が違うため、使う漢方薬も異なる。そこに東洋医学の面白さがある。

私自身、漢方を学び始めてから、自分の身体の状態を以前より理解できるようになった。勉強していて「これは便利だな」と思うのは、自分の体調不良の理由を考えられるようになったことだ。

例えば、先日夕方から頭痛が起きたことがあった。

私には子どもがいるため、夕方は一日の中でも特に忙しい時間帯だ。保育園へのお迎えに行き、帰宅したら夕食の準備をし、子どもにご飯を食べさせる。その後はお風呂に入れて、歯磨きをして、寝かしつける。自分の休憩時間などほとんどなく、気が付けばあっという間に夜になっている。

そんな時間帯に頭痛が起きると本当に困る。横になって休みたいと思っても、やるべきことは待ってくれないからだ。

しかし、漢方を勉強していたおかげで、自分の体質や不調の出方についてある程度理解できていた。私はその頭痛を「忙しさやストレスが原因で起きたものではないか」と考え、それに合った漢方薬を飲んでみた。すると、比較的短時間で痛みが軽くなり、その後は問題なく家事や育児をこなすことができた。

もちろん、すべての不調が漢方薬だけで解決するわけではない。重い病気が隠れていることもあるため、必要な場合は医療機関を受診することが大切だ。しかし、日常生活の中で起こるちょっとした体調不良については、自分の身体の状態を理解しているだけでも対処しやすくなる。

このようなちょっとした体調不良は、多くの人にも当てはまるものではないか。

現代社会では、仕事や家事、育児、人間関係などさまざまなストレスがある。その影響で、疲労感や肩こり、頭痛、お腹の不調、睡眠の悩みなどを抱えている人は多い。

しかし、健康診断では異常なしと言われることも少なくない。

異常がないのは良いことだが、本人にとってはつらい症状が存在する。そのようなときに東洋医学の視点を持つと、自分の身体を別の角度から見ることができる。

東洋医学では、人間の身体を単なる臓器の集まりとしてではなく、全体のバランスによって成り立っているものとして考える。「気・血・水」という概念や、「陰陽」「五臓」といった独特の理論があり、それらをもとに身体の状態を判断していく。

また、東洋医学では特別な検査機器を使わなくても、自覚症状や舌の状態、脈の様子などから身体の状態を推測する。

もちろん専門家レベルになるには長年の勉強が必要だが、基本的な知識を身につけるだけでも、自分自身の健康管理に役立つ。

身体の変化に早く気付けるようになると、不調が大きくなる前に対策できる可能性も高くなる。

東洋医学には独特の考え方や専門用語が多く、最初はとっつきにくいかもしれない。しかし、薬膳や健康管理の延長として学んでみると意外と面白い世界である。

最近では一般向けの本や講座も充実しており、気軽に学び始めることができる。

もちろん、他人に漢方薬を販売したり専門的なアドバイスをしたりするためには、薬剤師や登録販売者などの資格や専門知識が必要になる。しかし、自分や家族の健康管理のために学ぶだけなら、そこまで難しく考える必要はない。

自分の身体を知ることは、自分自身を大切にすることにつながる。なぜ今この体調不良が起きているのかを考えられるようになると、身体との付き合い方も少しずつ変わってくる。年齢を重ねるほど、その価値は大きくなるのではないだろうか。

現代医学と東洋医学の両方の視点を持つことで、より豊かに健康と向き合えるようになると思う。自分で自分の体調の変化がわかるようになると、毎日の生活が少し楽になり、身体を観察すること自体が面白く感じられるかもしれない。

そんなところも、私が東洋医学をおすすめしたい理由の一つである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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