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普段見ない眼鏡姿にグッとくる、そんな本


 

 

 

 

*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事:宮本 晃伸(2026年8月開講 ライティング・ゼミ福岡)

 

 

普段見ない眼鏡姿にグッとくる。大き目のフレームに太くて黒い縁。指を奇麗にそろえながら眼鏡をあげる手。

そんな経験を皆さんはしたことがありますか?

私はあります!

そして、本を読んでいるときにも、そんな意外な一面に心つかまれる時があります。

今回ご紹介する本「オスとメス=進化の不思議」でもそんな感覚があり、皆さんにおすすめしたい、布教活動を行って作者さんに貢献したい、私の記事に高評価やいいねを付けて欲しい、そんな気持ちでタイピングしています。

まず、この本のジャンルは進化生物学です。

「お勉強の本?」

「私には関係ないな」

と思ったそこのあなた。ちょっとまって下さい。頑張って説明するのでもう少し時間をください(泣)。

コホン、気を取り直しまして。

進化生物学というのは読んで字のごとく、生き物の進化について扱う学問です。

進化と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?

私はやっぱりポケモンです。

「ダッダッダッダ ダッダッダッダー」とワクワクさせるBGMが流れるなかで光に包まれたポケモンが姿かたちを変えて、さらにプリティーになったり、ワイルドでかっこよくなったりします。時間をかけた育成を経ての、あの瞬間はなんとも言えない達成感がありますよね。

余談ですが、私はジグザグマがお気に入りです。

モフモフしてるし、アイテムを拾って来てくれるし、ひでんわざをたくさん覚えるし、モフモフしてるし。

ポケモンの進化は数秒で完了しますが、実際の生き物の進化はたくさんの世代交代を経て、時間をかけて行われます。

親と子を比べると似ているところもありますが、違うところもあります。その違いの中で、天敵から早く逃げられるほどにすばしっこかったり、うっとりするほど奇麗で異性からめちゃくちゃモテたりする特徴を持つ個体は、より多くの子どもを残せる確率が上がります。

そして世代を重ねるうちに、そのような特徴を持つ生き物が集団の中で増えていきます。

このように世代を重ねる中で、生き物の集団の特徴が変化していくことを進化と呼びます。

進化を語る上で大切なキーワードが「生き残る」と「モテる」です。

どれだけ魅力的であっても子どもを残す前に死んでしまえば、その特徴は次の世代には伝わりません。また、生命力にあふれしぶとく生き残ったとしても 、お相手が見つからなければ子どもは残せません。

とっても世知辛い話です。

これがわが身にも降りかかっていると思うとゾッとします。

「モテる」が進化生物学の大事なキーワードであることはお伝えしました。

今回ご紹介する本のタイトルは「オスとメス=進化の不思議」であり、ご多分にもれず雌雄を扱うものになっているのです!

例えば「なぜ生き物に雌雄が存在するのか?」といった話題がこの本で扱われています。

バクテリア(日本語でいうところの細菌)は体を分裂させて、新しい個体を増やします。

つまり、一個体だけでも増えることができるのです。しかし、雌雄がある生き物は基本的には二個体そろわないと新しい個体、つまり子どもを残すことができません。

一見するととても効率が悪いように見えます。令和的な表現をするとコスパが悪いです。

ここで重要になってくるのが「親から生まれる子どもたちには、それぞれ違いがあること」です。

学校のクラスを考えてみましょう。

生徒は全員バクテリアくんが分裂して増えた、ほぼ同じ性質を持つ個体だとします。

バクテリアくんは流行にしっかりのるタイプなので、TikTokでBling-Bang-Bang-Bornも踊りますし、夏風邪が流行ればそれにもしっかりかかります。

そして、クラス全員が夏風邪にかかってしまうと学級閉鎖するしかありません。

いったい誰が休みの人にプリントをもっていけばいいのでしょうか?

ではクラスメンバーそれぞれが異なる性質を持っていたらどうでしょう?

YouTube Shorts派の個体もいれば、SNSは見る専の個体もいるでしょう。

夏風邪に対してもかかりやすい個体や、かかりにくい個体がいるはずです。

そうなれば全員が一斉に倒れる可能性は低くなります。学級閉鎖も回避できるかもしれません。

プリントは元気な人がもっていけばよいのです。

雌雄のある生き物では、子どもはそれぞれの親から遺伝情報を半分ずつ受け取ります。しかも、どの遺伝情報を受け取るかは子どもごとに異なるため、兄弟姉妹でもそれぞれ違った特徴を持ちます。

では、バクテリアの一個体はずっと自分と同じ遺伝情報を持つコピーを作るだけなのでしょうか?

そんなことはありません。実は別の個体から遺伝情報をもらうことができます。

どうするのか。それはバクテリア同士が寄り添うようにくっつき、一方がもう一方へ自分の遺伝情報の一部をチューっと送り込むのです。

奇麗な夜景の見えるベンチで肩を寄せ合い、見つめあった後にキス……というより口移しをするような感じでしょうか。

そして受け取ったバクテリアは新しく手に入れた遺伝情報によって、それまでとは少し違った性質を持つことがあります。

ちなみに遺伝情報の受け渡しがあった結果、薬剤への耐性がバクテリアからバクテリアへと広がっていくこともあります。

人間からするとロマンチックな命のやりとりどころか、かなり物騒なものにも見えてきます。

こんな風に、思いも寄らなかった話や意外な事実に出会うと、不意打ちで眼鏡姿を見たときのような「グッとくる感じ」を読書でも味わってしまいます。

この本で魅力的なのは題材だけではありません。著者である長谷川真理子さんの文章もとっても素敵です。

学校で好きだった教科は、その教科の魅力もさることながら語り部である先生の影響も大きかったのではないでしょうか?

私は読み進めるうちに、特に11章で「なんて思慮深くて誠実な方なんだろう」と著者自身にもグッときました。

こんな先生の授業を受けたかったな、と。

興味がある人はぜひ読んでみてください。

 

 

≪終わり≫

 

 

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