週刊READING LIFE vol.183

ヘビーユーザーが考える、使い勝手のよいキャスター付きキャリーケースとは《週刊READING LIFE Vol.183 マイ・コレクション》


*この記事は、「ライティング・ゼミ」の上級コース「ライターズ倶楽部」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

2022/08/29/公開
記事:飯田裕子(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 
わざと集めたわけではないのだが、長年の間に、増えてしまったものがある。自宅に、今、7つはあるだろうか。まあ、7つは多いとは言わないかも知れないが、何をため込んだのかを聞けば、ちょっと多いかな、と思ってもらえるようなものだと思う。それは、キャスター付きのキャリーケースだ。
 
私は、普段から荷物が比較的多い方なのだが、通勤時には、よく、仕事道具の教科書やら辞書やらをキャリーケースに詰めて、持ち運んでいる。同じ参考書を何冊か買って職場にも置いておけばいいのだろうが、なかなかそうもいかない。本やノートはかさばるので、全部をリュックに詰めて電車に乗ったりすると、途中で重みで疲れてしまう。そのため、いつからか、キャリーケースを愛用するようになった。座席に座れても座れなくても、キャリーケースであれば、身体の脇で自立していてくれるし、増えた荷物やら、担いでいるリュックも、キャリーケースの上に置いてしまって、身軽になることも出来るので、肩こりにならなくてよい。それに、座れた時も、リュックを膝に乗せると、けっこうな重さで、しばらくすると、石を膝に載せる拷問にあっているような気がしてくることがあるので、その点でも、荷物を身体から離せるのは、楽だったりもする。階段の上り下りで困る時はけっこうあるけれど、1時間のうちの10分間程度重いのを選ぶか、場合によって、ずーっと1時間重いのを我慢するか、と言われたら、やっぱり、キャリーケースで行こう、と思ってしまう。
 
7つのキャリーケースのラインナップは、以下のようだ。まず、海外旅行用に買ってある、少しサイズが違う比較的大きいものが2つある。海外旅行の時に引っ張り出すが、最近はしまいっぱなしだ。2週間程度用になるとやっぱり大きくて、普段用にはならないので、また大手を振って海外に出かけられる時まで、とりあえずしまってある。もしかしたら、買わずに、出かける時に借りた方がいいんじゃないか、という気もしなくはないが、あちこちを一緒に旅行した仲なので、またよろしくね、という感じだ。
 
残りの5つは、普段使える大きさで、少しずつ大きさや素材が異なっている。荷物の多さ、用途や気分によって使い分けている。しかし実際は、使い勝手の良いものがだんだん決まってきてしまって、もっぱら2つぐらいを、使い回すようになっている状態ではある。
 
何度も壊れて買い直しながらも、7つも持つ私が、最後に普段使いとして重宝するようになったのは、機内持ち込みできるギリギリのサイズのハードケース(プラスチック製)とソフトケース(布製)だった。ちょっと大きいのではあるが、引いて歩く時も、身体を預けられるぐらいの大きさがあると歩きやすかったりするし、大は小を兼ねて、本当に荷物が増えた時にとても助かるのだ。例えば、帰りがけにスーパーで、安いけど大きすぎる白菜1個とキャベツ1個を買ったとしても、余裕で入れて帰れたりする(教材が少ない時はだけど)。そういう時は、安くて得した、とか、こんなに重いのに、ただゴロゴロして帰ればいいなんて、なんてラッキーなんだ! と思いながら、ウキウキと家路につく。

 

 

 

ただし、買うキャスターケースは、やっぱり慎重に選んだ方がいいと思う。ほぼ毎日引いて歩く者からのアドバイスとしては、以下の5つは外せない感じだ。
 
①本体が、出来るだけ軽いものを選ぶとよい。
キャスターの付いたしっかりしたカバンは、それだけで3キロぐらい重量があることがあるが、そこに3キロの物をいれると、合計6キロの荷物を引きずって歩き、階段を上り下りするハメになる。そもそもが重いから入れようと思ったのに、何のためにキャスター付きのカバンで家から出て来たのか、分からないことになってしまう。途中で、重くて、どうしても納得いかない気持ちがしてくるので、もし、よく持ち歩くのであれば、絶対軽いものを選ぶとよいと思う。
 
②4輪キャスターが付いたものを選ぶ。
最近は、4輪が普通になってきたので気にしなくていいと思うが、もし2輪だと、後ろに斜めにして引きずらないと移動させられないので、人が多い駅を歩く時に、人と接触してしまう危険が増してしまう。見ていると、意外と地面すれすれ40センチぐらいまでのところを見ている人は少なくて、目の前を横切った人が後ろに引っぱっていたカバンに衝突してしまう、ということもないわけではないのだ。でも、4輪であれば、混んでいる時は、身体の脇にカバンを隙間なくぴったりと寄り添わせることができて(その時、長く伸ばした持ち手と腕を組むように持つと隙間がほとんどなくなる)、大柄の人が通るようにして歩けるため、スマホを見ていて前を見ていない人が通りかかっても、たいがいは避けてくれる。ただ、念のため、前方や左右を気にしていて、前を見ていない人が近くに来たな、と思ったら、わざわざ自分のカバンに視線を落とすといい。どういうわけか、大きなジェスチャーで下(脇)を見たり(2輪の場合は後ろを振り返る)人が近くにいると、なんだろうと思ってそちらに視線を向けてくれる場合が多く、カバンに気が付いてくれる。それでも気が付かない場合は、咳払いしたり声かけしたりするしかないのだが、視線でもカバンの存在を教える方法は、無用な事故を防ぐためにも、是非お勧めしたい。
 
③キャスターが頑丈で軽い動きのものを選ぶ。
カバンはたいがい壊れないのだが、キャスターが壊れてしまって買い替えになることがとても多い。安いカバンを買って、その中に10キロぐらい本を入れると、1日でキャスターが壊れて家に帰りつけず、捨てるハメになることがある。私は、キャスターが、ある程度の大きさがあるものがいいと思っている。その方が、もちがよい。キャスターは、身体に近い方の2個が痛みやすいが、5千円程度で直せるため、私は、1~2回は修理に出して使っている。ソフトケースは保証がない場合が多くて、全部実費になるが、ハードケースの中には、3年ぐらい保証があるものもあって、場合にもよるが、早い故障の場合は無償で修理が出来ることがある。どんな時に保証されるかは調べた方がよいが、キャスターが一番壊れやすいため、保証のことも考えて買うといいかも知れない。
 
また、買う時に、引っぱり心地も確かめた方がよい。キャスターの出来が悪いと、自分の腕の力を消費してしまって、帰宅してから腕ばかりが痛くなるが、出来の良いものは、駅のタイルの上などでなら、持っていないかの如くに転がすことが出来たりもする。疲れが違うと思う。
 
それから、これは、選び方とは違うが、引っ張り方は工夫するといいようである。4輪の場合は、基本は4輪ともを常に使って移動した方が長持ちするようだ。後ろに引っ張ると、車輪のバランスが変わってきて、長く持って歩くうちにはやっぱり腕の力が必要になる時期が早くやって来る気がする。また、電車のところどころに吹きだまった髪の毛の塊を踏んではいけない。車輪にからまると車輪が動かなくなってしまい、車輪の減りにつながる。これに気が付かないで引っ張ると、その日の終わりには修理に出さなければいけない状況になることがある。落ちている麻のヒモとか、荷造り用のビニールテープとか、思わぬものが車輪の天敵になるので注意が必要だ。
 
④引き手(伸縮するハンドル部分)は、支柱が1本でなく、2本あるものがよい。
これも、1本のものはほとんどなくなってきたので、気にしなくていいかも知れないが、いくら軽いからといって、1本しか支柱がないものは、持ちづらいと思っている。引き手が、2本の伸縮棒の先についた形状であれば、中に腕を通して腕で持ち上げることも出来るし、肩に担ごうと思えば出来ないこともない。それに、棒2本を臀部にあててテコの原理で持てば、臀部でも支えられるので、腕と背骨だけで持つ必要がなくなったりして、腰痛の予防になる。私にとっては、荷物を持って階段を上がるつもりであれば、譲れない条件だ。
 
ただ、引き手を収納して持って上がる場合もあるかも知れない。その場合は、いくら、軽量を気にしても、縦側にも横側にも取っ手は付いていた方がいいと思う。あと、カバン屋さんが教えてくれたが、伸縮棒の長さを変える場合は、一度棒を格納してから伸ばし直した方がいいそうだ。そうしないと、左右対称には伸びなくなって、早くに持ち手が壊れるそうだ。
 
⑤欲を言うなら、派手な色のものがいい。
ビジネス用だと黒や紺を選ぶ場合が多いが、持ちやすさを考えると、赤や黄色など、派手な色の方がいいと思っている。なぜかというと、前の方にも書いたが、人に気づいてもらうためだ。キャスター付きのカバンの一番怖いところは、人を巻き込む危険があることだ。見ていると、本当に、前を見ていない人は多い。これも前述したが、自分が通った時は大丈夫でも、直角にすれ違う人が前を見て歩いていない場合、気づいていない自分の後ろで、地上40センチ以内のところにあるカバンに衝突されてしまうことがある。だから、脇や後ろ(自分が通った後のこと)にも気を配らなくてはならないのだ。でも、派手な色のカバンは、さすがに気づく人が多いと思う。視線で教えるのも大切だが、さらに色に助けられることは多い。もし、紺や黒のカバンを買ったとしても、人混みを持ち歩く時は、派手なハンカチを巻くとかして、目立たせると、だいぶ気配りが楽になると思う。
 
と、だいたいこんな所だろうか。あとは、物の出し入れや、雨の日の対処などで、ソフトケースにするかハードケースにするかが、ちょっとずつ違うかなと思う。
 
例えば、ハードケースの場合の利点は、次のようだろう。
・上に荷物を載せやすい。新幹線で立ちっぱなしになったとか、電車が動かなくて駅で数時間立ち往生になった場合など、どうしてもという時は、自分が座ることも出来る。
・雨の時に、中のものがほとんど濡れない。
・会社にもよるが、保証期間が長いことが多く、その分は、なんとなく安心感がある。
でも、一方で、とても開けずらいので、出先で、中からちょっと防寒着を取り出したい時などには、とても困ってしまう。最近は、上の方からなら物を取り出せるように、上4分の1ぐらいにもファスナーが付いて、開けられる形状のものもある。雨の時は、やっぱり中身が濡れて困るのかも知れないが、ソフトケースとハードケースのいいとこどりではあるので、次回に今のハードケースが壊れた時は、考えてみようかと思っている。
 
ソフトケースの利点は、
・20%増しぐらいにはふくれてくれるので、急な荷物の増加に対応してくれる。
・荷物の出し入れが便利なので、電車の中で荷物の整理をしたり、おみやげをまとめたり、中の物を出しやすい。
でも……上には座れないし(置き方を変えれば座れるけれど、立てたカバンにちょこんと、というわけにはいかない)、物は置きづらい。急な雨の時など、地面に近い方と上の方は中まで水が入ってしまい、中の本にまで滲みたりする。(濡れてまずいものは真ん中にビニールに包んで入れておいた方がよい)だから、カバンにかぶせる雨の日用のカバーやら、カバンの中を拭くためのタオルも必要だったりする。それに、保証がないため、やっぱりハードカバーほどは長くは使えないことが多い。
 
ほぼ毎日のことだと、けっこう重要なことになるので、経験を書き綴ってしまった。あまり荷物多くなく旅行出来る方や、それほど持ち歩かない方は、気にしなくてもいいのかも知れないけれど、そんなに安い買い物ではないので、どうせ買うなら、納得のいく、軽くて持ち運びしやすいものを、みなさんにも選んでほしいと思う。

 

 

 

そういえば、一つ、すごく重要なキャスター付きキャリーケースの問題点を言い忘れた。ラッシュアワーの最盛期に持って歩くのはムリだということだ(まあ巨大なリュックもムリなのだが)。自分は電車にすべり込めても、キャリーケースは混んだ電車に入らない。というか、躊躇する。多くの荷物を持ち運びたければ、ラッシュアワーを避けた早起きを習慣にした方が良さそうだ。もっとも、多くの方は、通勤で、機内持ち込みぎりぎりサイズのキャリーケースを持ち運ぼうとは思わないだろうから、これは、そんな方限定の話ではある。

 

 

 

まあ、このように考えてみると、7つ、まあ、海外旅行用を抜いても5つ、は、ちょっと持ちすぎかも知れない(置いておく場所がムダ)という気もしてはきた。けれども……、やっぱり、あの旅行のこと、この旅行のこと、と思い出すし、場合によって、すごく役に立つことがある。何しろ、今残っているものは、みな頑丈なのだ。凝り出すとキリがないキャリーケースなのだが、やっぱり、壊れてしまうまでは、大中小2つずつプラス1ぐらいは持っていようかな、と思う。どのカバンも、選りすぐりのマイコレクションだ!
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
飯田裕子(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

2021年11月に、散歩をきっかけに天狼院を知り、ライティング・ライブを受講。その後、文章が上手になりたいというモチベーションだけを頼りに、目下勉強中。普段は教師。

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2022-08-24 | Posted in 週刊READING LIFE vol.183

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