週刊READING LIFE vol.212

人生を変えるライティングゼミは本当のことだった《週刊READING LIFE Vol.212 ライターとしての自己紹介文》

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」の上級コース「ライターズ倶楽部」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

2023/4/10/公開
記事:飯髙裕子(READING LIFE編集部ライターズ俱楽部)
 
 
世の中にはいろいろな文章が溢れている。
それを目にしたときにどんな風に心が動くのか、深く考えたことはなかった。
けれど、何か心に刺さるフレーズや、心が自分で思っているよりも大きく揺らいで、力をもらったり、ほっとしたり、感動したりそんな文章をたくさん目にしてきた。
 
そんな想像もできない大きな力を文章は持っていると何となく思っていた。
何度となくたくさんの文章を読み、それに共感したり、驚いたり、こんな風に自分の想いを表現できたらいいなと思ったこともあった。
 
時々書く自分の文章は、そういう自分の心が動いた文章の模倣から始まったのだと思っている。
 
文章を書くことは嫌いじゃなかったけれど、誰かの心を動かすことなんてとうていできないと思っていたし、そういうことは、才能がある特別な人にしかできないと信じていた。
自分の想いを誰かに文章で伝える。
それが、自分の人生を変えることになるとは、正直考えてもいなかった。
天狼院書店のライティングゼミに出会うまでは……。
 
Facebookの中でつながった友達が載せていた文章。それは、私にとってすごく魅力的で、共感できるものだった。
こんな風に文章を書けたらどんなにいいだろうと思ったのだ。
それも、書店のサイトに掲載されている。
 
心が惹きつけられて、その書店のホームページを覗いてみた。
そこには、そこで学ぶ人たちの文章がたくさん掲載されていた。
私にもできるだろうか? 最初そんな思いがよぎった。
それまでにちょっとした文章を書くバイトをしたことはあったけれど、それに対して、評価をされることはなかったし、どんな人がどのくらいその記事を見ているのかも私は知らなかった。
ただただ、趣旨に合った文章を期日までに書いて提出する。それだけだった。
お金をもらって書く文章は責任もあるし大変ではあった。けれど、それが嫌というわけではなかった。
 
この書店では、期間が決められたゼミで、文章を書くための講座と提出した自分の文章のフィードバックが返ってくるというシステムだった。
学生の頃だってそんな経験は数少なかったし、その時の私にとってそれはとても魅力的な世界に見えたのだった。
私の文章は、どんな風に人の心を動かすのだろうか? それを知りたいと思った。
今度は、お金を払って文章を書くという立場になるというのがのが不思議だった。
気が付いたときには、申し込みをしてなんだかワクワクした気持ちで開講日を待つ私がいた。
 
それが天狼院書店との最初の出会いだった。
 
 
講座の第一回目で「文章を書くことは自転車に乗るくらい簡単だ」と天狼院書店の社長であり、ライターでもある三浦氏は言った。
まさか、そんなことない。そう思った私は、講義を聞いているうちに、あたかもそれが真実であるかのように思っている自分に気が付いた。
 
魔法のような言葉がするすると耳から脳に伝わってそれが真実であると納得してしまうような不思議な感覚を味わいながら、あっという間に講座の一回目は終了した。
あとに残された課題の締め切り日だけが現実として目の前に突き付けられていた。
 
講座の中で、課題はなかなか掲載されなくても落ち込むことはないと言っていたし、全部の回で最後の3回掲載されたら十分書けるようになっているというようなことも言っていた。
実際そう簡単に掲載される文章が書けるとも思っていなかったから、講義でいわれたことを頭の隅に置きながら課題を提出したのであった。
それが、意外なことに初回から掲載されたことで私は少し驚いていた。
最初は、自分の中でも、書くためのネタはかなりあったというのも幸いしたのかもしれないし、初めて2000字という文字数を限定されて記事を書くという緊張感もあったのかもしれない。
 
ドキドキしながら、でもワクワクしながら課題に向き合っていたなと思う。
時間もかかるし、頭を悩ませながら、それでも楽しくてやめたくなかった。
 
それがどうしてなのか、その時はよくわからなかったけれど、回を追うごとに、私は、自分の気持ちに向き合うことが多くなった。
どうしてそれを書きたいのか、何を伝えたいのか、そんなことを考えるようになった。何回か書いているうちに私が感じたのは、自分が書くことで、私はその想いを自分の中から誰かに向かって発信することをずっと望んでいたということだった。
 
普段自分と関わる人に自分の想いをすべて伝えることは、なかなかできない。けれど、それが私にとっては、何か納得できない小さな不満のような形でずっと胸の奥深いところにくすぶっていたのだと気が付くのにそう時間はかからなかった。
小さなことから、大きなことまで、誰かにその想いを伝えたいという気持ちが常にあったのだということを初めて自分自身で気が付いたのだった。
そうやって3か月の講座が終わった時、私は、文章を書くことをやめたくないと思った。もっときちんと人に伝わる文章を書きたい。
人の心が動くような文章を書きたい。そう思った。
 
それから1年。今も私は天狼院書店でライティングを続けている。
始めたころとは少し違った想いを抱き、書くことへの気持ちが少し変わってきていることも最近気づいた。
 
最初の頃はただただ、自分の想いを書き連ねることが多かった。
それを読む人が何を感じるのか、何を求めているのか、そして私は誰に対して書きたいのか。
そこまで、深く考える余裕も、力も足りなかったと思うからだ。
 
今でもそれができているわけではないが、そういうことが必要だという意識は持つようになったと思う。
 
それでも、毎週何を書くか迷い、時には全く筆が進まず、そして時間切れになってしまうことも少なくない。
けれど、文章を書くことは、私にとって、やはり、自分の想いを誰かに伝えるための有効な手段であることに変わりはない。
 
そしてこの一年の間に、ライティングをすることで、新たに自分の中で見えてきたものがあった。
 
どうして私は文章を書きたいのか?
それは、その文章を目にした誰かの心が動いて、笑顔になったり、小さな力になることを私が望んでいるから。
私がお菓子を作ったり、セラピーをしたりするときに感じる気持ちと同じだということがはっきりしたのである。
 
昔からお菓子を作ることも食べることも大好きだったのはそれを食べた人たちの笑顔と幸せそうな表情が忘れられないからだった。
だから喜んでもらえるようなおいしいお菓子を作りたい。
そう思っていつもいろいろなお菓子を作ってきた。
今は、そのお菓子もそれを必要としている人が喜ぶということに限定して、更年期世代の人が安心して食べられ、心が整うようなスイーツのレシピを模索しているところである。
 
それはライティングと同じように、ずっと続けること、そして数をこなすこと、それがその質を上げていくための重要なポイントだと思っている。続けていくことで、いつかそれがつながっていく先が必ずあると信じているから……。
まるで、科学の実験のようにデータを集め、材料の配合を変え、そしてできたものを検証する。
小さな積み重ねが、少しずつ自分の経験を増やし、今日よりも明日の結果をいいものにしていく、そういう過程もまた、自分自身が成長するために必要なことなのだろうと思う。
思うようなものが完成した時の喜びは、何物にも代えがたいし、それを食べた人の感想を聞きたいと思う。
そして「おいしい」という笑顔は、私がずっと欲しいと思ってきた結果なのである。
 
セラピーに関しても、まだまだ始まったばかりのことだけれど、何かを始めることに遅すぎるということはないのかもしれないと最近思う。
現に、たった1年でも、ライティングを始めてからの1年は、今までの人生のうちで新しいことを経験する機会が一番あったように思えるからである。
セラピーの資格を取り、それをまたつなげていく新たな道を広げようとしている自分自身に少し驚いてもいる。
一年前の私にとって予想もしていなかったことだからである。
 
文章を書いて発信するごとに、また何か新しい道が見えてくる。
不思議なことに、それは、文章を書くことにも関係しているようで、すべてが一つの線につながっていくようでもある。
 
私がずっと続けてきたことは、全部別々のことのようで、実は、私が望んでいる部分ではすべて同じことが元になっているものだった。
 
そしてそれは、私自身が本当に好きで、ずっと続けたいと思っていることでもある。
だから、どんなに大変でも、うまくいかないことがあっても、辞めたくないし、今まで続けてこられたのかもしれないと思う。
心と体は繋がっているし、そこを整えることはとても大切なことだと思う。
私が今手掛けているのはまさにそういうことであると思っている。
それを誰かに伝えるためにも文章は私にとって必要なことであると思うのだ。
「人生を変えるライティングゼミ」というのは私にとって確かにその通りだったようである。
多分、これからも、私は文章を書き続けると思うし、書き続けていきたい。
 
そして、今よりももっと、伝わりやすく誰かが必要としている文章を書けるようになりたいと心から思っている。
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
飯髙裕子(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

ライティングゼミを経て、ライターズ俱楽部NEOに在籍中。
セラピーの資格を取得し、更年期世代が安心して食べられるスイーツのレシピを模索中。

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2023-04-05 | Posted in 週刊READING LIFE vol.212

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