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週刊READING LIFE vol.219

私が乗り気でなかったブログに前向きに取り組もうと思った理由《週刊READING LIFE Vol.219 ソーシャルメディアの使い方》


*この記事は、「ライティング・ゼミ」の上級コース「ライターズ倶楽部」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

2023/6/12/公開
記事:鈴村文子(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 
「これ、見て! 『鈴村さんの奥さんに励まされました』だって!」
夫が私に、ブログの画面を見せながら、言った。私は驚きながら、その画面を見る。そこには、Aくんという人から、『10年くらい前、鈴村さんと奥さんと一緒にカラオケに行った時に、落ち込んでいる自分に、好きな歌を思い切り歌うと元気になるよ、と奥さんに言われて、励まされました』というコメントが、夫が書いた記事に対してついていた。夫から私の人柄を紹介する記事だったので、そんなコメントがついても、おかしくはないかもしれないが、私は、Aくんのことも、誰だったかしら? というくらいだったし、一緒にカラオケに行ったことすら、覚えていなかった。「好きな歌を思い切り歌うと元気になるよ」なんて、言った記憶も全くない。それでも、Aくんは、私のその言葉で、励まされたというのだ。Aくんは、夫の会社の後輩だった人で、今は、夫とも、ほとんど交流がないとのことだった。そんな人から、10年も前のことをいまさら聞くなんて、とても不思議な気持ちだった。夫がブログに記事を載せたことで、時間と空間を飛び越えて、Aくんと私たち夫婦が、また繋がることができたのだ。ブログを発信すると、こういうことがあるのだな、と私は思った。
 
この春から、夫と私は、共同でブログを始めた。と言っても、乗り気だったのは夫の方だけで、私はなんとなく気が進まなかった。FacebookやTwitterには、登録はしていたが、読む専門で、自分がブログを書いて、情報を発信する側になるなんて、思ってもみなかったことだったからだ。
 
私がFacebookを始めたときは、ちょうど、Facebookが流行し出した頃だった。住んでいる場所が離れているため、普段はほとんど会えない、高校時代や大学時代の友達の、最近の様子が分かるといいな、と思って始めたのだ。そのように考えた友達も多かったようで、その時期は、よく、友達申請が届いていた。Facebook上で、友達が増えるのが嬉しくて、近くに住んでいる友達でも、実際に会う機会があれば、Facebook、やってる? と聞くのがお決まりになっていた。Facebookを開けば、友達の誰かが投稿していて、最初のうちは、それを読むのが、とても、楽しみだった。私も、そのうち、何か投稿しようと思ってはいたのだ。ところが、私には、全く、投稿するネタが見つからなかった。友達の投稿は『子供が生まれました!』だの、『家族でUSJに遊びに行きました』だの、『女子会でナイトプールに行きました』だの、キラキラしたことばかり。写真も、どこかで習ったのだろうか、と思うほど、素敵な写真が一緒に載っている。私も、それに見合うような、キラキラしたことを投稿したいと思っても、私の日常は、毎日、家と会社の往復で、休みの日も、子供がいるわけではないので、夫と2人でどこかへ出掛けても、キラキラ感が出ないのだ。子供がいる人にとっては、子供を連れてのお出掛けもきっと、大変なのだろうとは思うが、その記事に子供のことが載っているだけで、幸せなオーラを感じてしまう。子供がいないから、ひがみでそう感じてしまうだけかもしれないけれど、そのうちに、そういったキラキラした記事を読むこと自体、辛くなってきてしまった。
 
辛いと思うことは、無理にしなくてもいい。そう思って、しばらくの間、Facebookを見ない日々が続いたが、また、Facebookを活用することになった。きっかけは、大学時代の友達Bちゃんが、転職をしたことだった。雑貨屋に転職して、その雑貨屋のブログを担当しているというのだ。LINEのメッセージで、『Facebookで、ブログ更新のお知らせをするから、良かったら、Facebookを見てください。そこからブログも読んでくれると、嬉しいです』と、届いたのだ。私は、その友達の書いたブログを読んでみたい、と思ったが、Facebookを開くと、また、キラキラした投稿が目につくようになって、嫌だなとも思った。その友達も、結婚はしているが子供はいない、という私と同じ境遇だったので、思い切って、自分の気持ちをLINEで送ってみることにした。
 
『Facebookで、大学時代の友達みんな、楽しそうな記事を投稿しているよね。子供とどこかに行ったとか。そういうのを見るの、なんとなく嫌で、最近Facebookを見ていないの。Bちゃんは、Facebook見てるの?』
すると、すぐに返事が返ってきた。
『Facebookは、お店とか、企業をフォローしてるだけだよ。自分の好きなお店をフォローしておけば、イベントやセールの情報も流れてくるし、いいよ。友達のフォローは、やめたから、全然、投稿は流れてこないよ』
私は、とても驚いた。友達のフォローをやめるなんて、思いもつかなかった。でも、そんなことしたら、フォローをやめられた、と思って、嫌な思いをしたりしないのだろうか。
『フォローやめたってバレたら、嫌な思いしないかな?』とメッセージを送ると、
『やめたってバレないから、大丈夫だよ』と返ってきた。
 
私は、いいことを聞いた、と思い、早速そうすることにした。まずは、友達のフォローをやめることにした。久しぶりに開くFacebookには、以前ほど、友達のキラキラした投稿は少なくなっていたが、用心するに越したことはない。そして、Bちゃんの勤める雑貨屋をフォローして、投稿が流れて来るようにした。Bちゃんはマメにブログを更新しているようで、そのブログを読むことが楽しみになった。それから、Bちゃんを真似て、自分の気になったお店や企業をフォローするようにもなった。すると、フォローしたお店の情報が流れてくる以外に、そのお店に似ている、別のお店の情報が、広告として流れてくることに気がついた。
私がフォローしたことで、Facebookの方で、この人はこういうものに興味がありそうだと判断されて、広告が流れてくるのだろう。私には、その仕組みが全くわからないので、本当に不思議でしかない。私はこれに興味があります、と言っただけで、すぐに、他にこのようなものはいかがですか? と提案をしてくる。Facebookの広告は、まるで、コンシェルジュのようだ。実際、その提案に乗って、出掛けたことも何度かある。ある鞄屋さんのことが気に入ってフォローしていたのだが、別の鞄屋さんの広告が流れてきたのだ。悔しいことに、私の好みの鞄がたくさん、ありそうだ。そこで実際に行ってみると、案の定、欲しくなってしまい、ついつい買ってしまう。なかなかに、優秀なコンシェルジュだ。
 
そうやって私の行動にまで、影響を及ぼしていたFacebookだが、最近になってまた、大きく活躍をすることになった。天狼院書店の講座の一つである、ライティング・ゼミである。ライティング・ゼミでは、講座に一つのFacebookグループがあり、講座を受講する人は皆、そのグループに入る必要がある。私はFacebookで、グループが出来ることを知らなかったし、グループに参加することも、初めてだった。ゼミの受講場所のアンケートや、事前課題がFacebook上に投稿されると、他の受講生が、次々と回答していく。自分が受講する場所には、何人くらい来るのかを調べたり、事前課題の回答を読んで、自分とは全然違う意見を知ることができた。また、ゼミでは、毎週の課題を、ワードファイルで、グループに投稿するのだが、Facebookでワードファイルを送ることができるなんて、全く知らなかった。他の受講生の投稿したワードファイルも、ダウンロードして読むことができる。今まで、コンシェルジュのように働いてきた私のFacebookは、ライティング・ゼミに参加して、新たな役割も果たすようになった。グループの投稿ボックスに入れば、ゼミの情報が全部、わかるようになっている。まるで、学校の部活動の部室のようである。そして、ライティング・ゼミも、私にとっては、部活動のようだった。
 
部活動は、学校の授業以外の時間で行われる、課外活動である。学生の本業である勉強以外のこと、例えば音楽やスポーツなどを、行う。会社員の私も、本業は別にあるので、部活動に参加するような気持ちで、ライティング・ゼミに参加していた。いや、最初は違ったかもしれない。隔週で講義に出席して、毎週課題を提出するだけだから、そんなに時間は取られないだろうと、思っていた。ところが、講義の回が進むにつれて、毎週の課題提出にかなり時間を取られるようになっていった。時間だけでなく、自分の頭の中も、課題のことでいっぱいになってしまった。本業の仕事中にも、課題のネタや、文章の言い回しを考えたりすることが多くなった。これでは、部活動に夢中になって、勉強がおろそかになっている学生と同じではないか。良くない。そうは思ったものの、仕事中に、文章のことを考えることをやめることはできなかった。そして、それだけ考えているのに、いざ書こうと思ってiPadの前に座ってみても、なかなか、文章が進んでいかないのだ。何度か課題投稿をする中で、私は、自分の思っていることや、考えていることを、言葉にすることがとても苦手なのだ、ということに気がついた。それは文章だけでなく、日常の会話でもそうなのだ。だから、私は、普段、会社では、仕事以外では、あまり、他の人と会話をすることができない。思っていることを、すぐに言葉にすることができない。それは、その言葉で、正しく私の思っていることが伝わるかどうか、迷ってしまうからだ。
 
人との会話が上手な人、よく言う、会話のキャッチボールができる人はきっと、思っていることを、言葉にすることが得意なのだろう。目分量で、パッパと料理を作ることができるように、こう言ったら、こう伝わる、と言うのが、すぐに分かるのだろう。でも、私はそういうタイプではない。お菓子を作るように、一つ一つ、材料を測って、レシピをよく見て、順序通りに、作業を進めていかないと、私は思っていることを、言葉にすることができない。それでも、言葉に出来ないからと言って、思っていることが何もないわけではない。正しく伝わるのだとしたら、私だって、思っていることを誰かに、言いたいのだ。だから、正しく伝える文章を書くために、今も文章の修行をしているのだ。
 
今まで、ブログを書くなんて、思ってもみなかったことだった。Facebookの投稿も、他の人のキラキラ投稿に圧倒されるばかりで、ほとんどしたことがなかった。それでも、せっかく、文章の修行を始めたのだ。自分の思っていることを、正しく文章で、伝えることができるのなら、修行をしている甲斐があるというものだ。
 
夫の書いた記事についた、Aくんからのコメントは、『10年前、私がA君を励ました』というものだった。私は、そのことを全く覚えていないが、Aくんが、10年経って伝えてくれたことを、とても感謝している。自分が気づいていないだけで、自分の言葉が、他の人を励ましていることが、分かったからだ。そして、今始めているブログでも、同じことが起こるかもしれないと、思ったからだ。
 
私が書く文章で、私の知らない誰かを励ますことができるかもしれない。私は文章を、時間をかけて、お菓子を作るようにしか書けない。それでも、綺麗にラッピングまでして、ブログにあげることができれば、他の誰かの助けになるかもしれない。これからはそういう気持ちで、前向きにブログ発信に取り組んでいきたいと思っている。
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
鈴村文子(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

2022年12月から天狼院書店ライティング・ゼミを受講。2023年4月よりライターズ倶楽部に参加。人に伝わる文章を書くことが目標。

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2023-06-07 | Posted in 週刊READING LIFE vol.219

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