週刊READING LIFE vol.234

自分に合ったダイエット法をみつけることは大切《週刊READING LIFE Vol.234 まさかこんなことが!》

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」の上級コース「ライターズ倶楽部」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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2023/10/2/公開
記事:遠藤美紀(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 

なんでもコロナのせいにしてしまおうと思っているわけではありません。
 
でも、コロナ禍という言葉が使われはじめてから、3キロも体重が増えたのは、出かけることがほとんどなくなり、ずっと家にこもる生活がしばらく続いたからだというのは確かだと思っています。
 
さすがにこれ以上体重が増えるのもまずいな。そう思って食べる量を減らしたり、おやつを控えてみたりしたのですが、思うように体重は減りません。これは年齢的なものもあるのかとがっかりもしましたが、諦めるのも嫌です。
これは運動するしかないかと歩ける時は近所を歩いてみたりもしました。でも、寒い時期だったので、つい今日はやめておこうという日もあり、それもまた体重が思うように落ちるわけがありません。
 
痩せる気があるのか、と言われそうな中途半端なダイエット風な日々が続きました。
本格的にダイエットしなくてはいけないのかもしれない! そんな風に考えはじめました。
 
そんなある日、ネットで1カ月のダイエットレッスンというものをみつけました。それは、1カ月間、先生とネットでやり取りしながらダイエットのやり方を学び、その後も継続していきましょう、という企画でした。
 
その先生のダイエット法は、基本的には「炭水化物抜きダイエット」です。もちろん聞いたことはあり、興味もありました。さらには、炭水化物抜きは痩せるのがや早いとも聞いていたのです。
もちろん、ただ炭水化物を抜けばいいということではありません。その基本をこのダイエットレッスンで学びながら1カ月は先生に確認しながら進めていくダイエット法です。
 
1カ月なので、値段も安く、ちょっと参加してみようという気持ちになりやすく、申し込んでみることにしました。
 
早速申し込んでみると、ダイエットレッスンの流れ、炭水化物を抜くだけではないほかのルールを説明する動画がまず送られてきます。それから毎日そのルールが守られたかと毎日の体重を書き込む用紙のPDF、そして後日zoomでの面談の予約についての連絡も追って送られてきました。
 
Zoomでの先生との面談の日。今の体重を伝え、目標体重、そしてやり方の説明を受けます。もちろん、炭水化物抜きのダイエットですから、炭水化物は摂らないことはもちろんですが
その他に朝食は食べないこと、そして昼と夜のメニューにもルールがあります。
また、睡眠時間や入浴時間。水分をしっかり摂ること、運動すること、呼吸法など、細かにルールが説明されていきます。
 
心が折れそう……。まず、朝食を抜くと、歯科衛生士という仕事をしている私は、患者さんの耳元でお腹が鳴ってしまうという、とても恥ずかしい思いをすることになります。そのことを先生に相談すると、前日の夕飯のエネルギーを消費するために朝は食べない方がいいけれど、それぞれ事情もあるので、納豆と具沢山のお味噌汁を食べるようにしましょうと提案されました。
そして、昼と夜はルール通り。
 
それでまず1週間後に1回目の報告です。
 
結果から言うと、1週間で約1キロ体重が落ちました。夕飯はお腹いっぱいなくらいに食べるのに、するすると落ちたことになります。
その間。炭水化物はたしかに摂っていません。こんなに早いのかと驚きました。
 
そうなると、また嬉しくなって1週間頑張れるものです。
運動も取り入れていくのですが、だんだんとなんだか今日はいいかな、休んでしまおうという日が増えてきました。
 
それでも2週、3週と続けていき、最終日には、トータルで2.5キロ、減量に成功していました。
「この調子で続けてくださいね」
先生がそうおっしゃって、1カ月のダイエットレッスンは終了したのです。
 
体重はほぼコロナ前に戻り、嬉しいはずでしたが、なんだか少し調子が出ないことに気がつきました。何となくだるい。まさか、ここにきてコロナに感染したわけではないよね? とも思いましたが、どうもそうではないようです。ただ、なんだか疲れやすいのが気になりました。
 
ちょうどその頃は、私が婦人科で1年に一度のがん検診を受ける月でした。
病院へ行き、検査を受けてその日はそのまま帰ります。
 
次の週、再び病院へ検査結果を聞きに行きます。
「お願いします」
いつものように名前を呼ばれて診察室に入ります。
「遠藤さん、今回は子宮頚がんの検査に引っかかっています。まぁ、ギリギリなので、問題ないとは思いますが、一応精密検査しましょうね」
 
一瞬頭が真っ白になりました。
まさか、私ががん検診で引っかかるなんて! しかも、精密検査は、改めて予約を取って行うとのことでした。精密検査ってすぐにできるものではないの!? とびっくりしてしまったのです。
 
先生の落ち着いた、のんびりとした話し方からすると、あくまで精密検査は念のためで、多分、子宮頚がんに関しては大丈夫だろう自分に言い聞かせてていました。
 
とは言え、最近のだるさや疲れやすさが気になってもきます。その時ふと思ったのです。もしかしたら、1カ月で2.5キロ減らすのは、少し急ぎすぎたのではないか? ということ。
また、最近顔色が悪いということも言われていたので、なおさらダイエット法が合っていなかったのかという気持ちがむくむくと湧き上がってきます。
 
そんな、大丈夫と不安の間を行ったり来たりしながら、精密検査の日を迎えました。やはりつい、ネットで子宮頚がんの精密検査について調べてしまうので、人によっては多少痛みがあるということを知ってしまったので、憂鬱な気持ちで病院へ向かいました。
 
痛みがあるかも、と思っていると、身体にも力が入ってしまいます。自分にも痛い、痛いと暗示をかけているような状態です。
ゆっくり呼吸しながらなるべく痛いということを考えないようにして、その時間をやり過ごしました。
 
ほんの短時間のはずが、「やっと終わった〜」と思うくらいに長く感じました。
それでも無事に精密検査は終わり、あとは次の週に結果を聞きにいくだけとなりました。
 
1週間後に病院の診察室に入ると、先生は相変わらずのんびりとした口調で、
「今回は軽度の異形成でした。これであれば、大抵はそのまま消滅するので大丈夫でしょう。でも、念のため半年後にもう一度検査しますね」
と言いました。
私はホッとして診察室を出ました。
 
「異形成」というのは、いわゆるがんになる前の状態だそうです。だいたいの場合は、そのまま治るということです。要するに、身体の抵抗力がしっかりとしていればいいわけです。
そうなると。またダイエット法について考えてしまいます。
 
やっぱり一気に体重を落としすぎたのかな?
 
それは多分、私が全部先生の言うとおりにできなかったことにも問題があったのでしょう。たとえば、夜に摂るべきタンパク質は、いつも言われたよりもやや少なかったですし、運動だってあまりできていません。
 
それが体調の悪さや抵抗力のなさに繋がったのかもしれません。私はその後、食事を徐々に元に戻していきました。そうすると、少し体調も戻ってきて食べる量が増えてきました。その結果、体重も戻ってしまったのですが。
 
 
まさか、身体のためにと行ったダイエットで、絶対にそれが原因だとは言えませんが、体調を崩して、さらに子宮頚がんの疑いまで出てしまうとは! と驚いてしまいました。とは言え、このダイエット法が間違っている悪いものだとは、全く思っていません。現に、ダイエットの先生はとても健康そうですし、いつも元気です。
 
また、私が週に一回通っているピラティスの先生も、とても痩せていらっしゃるのですが、その先生もまた、炭水化物は食べないそうです。それは、ダイエット目的ではなく、食べてしまうと、胃が重たくなって動きにくくなるのが嫌だからだそうです。その分、タンパク質を多く摂るということを教えてくださいました。
 
これは多分、その人に合ったダイエット法かどうか、という問題なのだと思います。ただ痩せるだけ、という目的なら、私にも合ったダイエット法なのかもしれません。でも、健康的に痩せることが目的だとすると、私には合わなかったということなのでしょう。
そんな経緯もあり、私の体重はコロナ前より3キロ増のままになってしまっていたのです。ですが、やはり体重は元に戻したい!
 
そこで、私はやり方を変えて再度ダイエットに挑戦することにしました。今回は単純に歩くことにしたのです。以前はそれで体重を減らすことが出来なかったのですが、今回は毎日
30分歩くことを決めたのです。天気の悪い日は歩かない。ルールはそれだけです。
 
その結果、2カ月で2キロ体重を減らすことができました。しっかり食べて、その分歩くというスタイルは私に合っていたようです。今度はだるさもなく、顔色が悪いと指摘されることもありませんでした。
 
今回のまさかな出来事のおかげで、本当にただ痩せればいいということではないと改めて考えることができました。
その後、子宮頚がんも何の問題もなく、ホッとしています。
 
 
自分の身体について考えるいい機会ができたことが本当に良かったです。自分の身体との対話。自分に合った体重、食べ物。これからもそういったことにちょっと目を向けて無理なく健康に過ごせるようにしたいと思っています。
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
遠藤 美紀(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

千葉県在住。
歯科衛生士であり、セラピストでもある。
文章も書ける歯科衛生士を目指して奮闘中。

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2023-09-27 | Posted in 週刊READING LIFE vol.234

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