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川代ノート(READING LIFE)

【11月11日生まれの苦悩】「バースデー格差」撲滅委員会発足のお知らせ《川代ノート》


記事:川代紗生(天狼院書店スタッフ)

 

このたび無事に26歳になりました。いつもありがとうございます。スタッフの川代です。

私ごとながら、昨日11月11日は誕生日でした。
ありがたいことに色々な方にお祝いのメッセージをいただき、当日、天狼院のメンバーにもお祝いしてもらったのですが。

みんなにお祝いしてもらった直後に言うことでは無いと思うのですが、失礼ぶっこいていることは承知の上なのですが! あえて! 今このタイミングで言わせていただきたい。

誕生日、めちゃくちゃしんどいーーーーーー!!!!!!

あれ!? 誕生日ってこんなにしんどかったっけ!? こんなにそわそわしなきゃいけない日だったっけ!? 私誕生日とか全然気にしませんみたいな顔しようと思ったけど無理!!! まじで無理!!! なーんにも期待してませんしプレゼントもお誕生日おめでとうの言葉もいりませーん、なんなら「あっ、私今日誕生日だったのか! やばいやばい、忘れてたわ〜笑」みたいなテンションでいきたかったのに!

いやー、無理でしたね。全然うまくいかなかった。だってぶっちゃけもう11月4日になった時点で既にそわそわしてたもん。「ああ……あと1週間で誕生日だ……やばい……」って心の準備はじめてた! 祝われる準備はじめちゃってた!!!

なんなんですかねもう! この自分の自意識過剰っぷりが嫌! 辛い! 本当誕生日とか気にならない人になりたい!

ということで私はこの度、ある提案をしたいと思います。

 

それはずばり

 

「バースデー格差」撲滅委員会、発足です!

 

とりあえずバースデーを祝うの禁止! あるいはバースデーは全員平等に祝うこと! 全員同じメーカーの同じケーキが支給される!「おめでとう」とか言うの禁止! 以上! これでおしまい!

もう嫌なんですよ! 誕生日に祝われる量=その人の人望というわけでは全然ないのに、どうしても気になってしまう自分が嫌! なぜ他人の誕生日と自分の誕生日を比べてしまうのか……。

だからもうね、「人の誕生日を祝う」という文化そのものをなくせばいいんじゃないかと思うんですよ。お祝いごとはクリスマス、正月、バレンタイン、七五三とかその辺に集中させて、個人によって差が生まれる誕生日のお祝い事はやめていただきたい。
もうそれくらい、誕生日を迎えるまでの緊張とドキドキとプレッシャーが半端ない。

私くらいのプロ級の自意識過剰人間は、もはや11月10日の朝になった時点で「きたか……」と思い、一日中そわそわするわけです。朝から晩まで。なぜなら11月10日の24:00を回り日付が変わった時点でバースデーメッセージを送ってくれる人がいるから!!

今年の11月10日なんて店に立ち、仕事しながらも時計をめっちゃ気にしてしまい

「11月11日になった時点でクラッカー鳴らされたらどうしよう……」

「24時回った時点で電話かかってきたらどうしよう……」

「これは24時のタイミングで社長とスタッフと一緒にいない方がいいのか!? もし日付超えた瞬間に『おめでとう!』って言ってもらえなかったらそれはそれでショックだし、かといって『あ、私今26歳になりましたー!』って自己申告したらなんか痛いやつっぽくなるよね? となると今日は早めに解散して明日に持ち越した方がいいよね?」

などと全く必要でない心配をしまくっていました。
そして無駄に鋭い観察力と、スタッフがわかりやすすぎるせいで「あ〜誕生日祝おうとしてくれてる〜!」と気付いてしまい、誕生日忘れてる「鈍いやつ」のふりをした方がいいのかめっちゃ気付いてるっていうのをもう出しちゃった方がいいのか迷いまくってんあああああああ!!! と大混乱になるのです。はあはあ。

 

しかも! それだけじゃなくてですね、問題は

 

オンライン!!!
Facebook!!
Twitter!!

 

もう〜おまえらマジでやめろ! 本当世の中の人たちがどれくらいの人たちに誕生日を認識してもらっているかを公開するのやめろ〜! 誰が誰に誕生日のメッセージ送ったかわかるようにするのやめろ!「あっ○○さん、××にはメッセージしてたけど私にはくれなかった……」とかすでにこじらせてる私の自意識をますますこじらさせるのやめろ〜!! バースデー格差がどんどん開いていくだろうが〜!!

思えば、むかしから、毎年、毎年、この繰り返しです。

中高生の頃なんて暇だから友達の誕生日を祝うくらいしか楽しみがないから人気者の誕生日とかになるともう大変なわけですよ。学年で一番かわいい子が誕生日のときなんてみんな朝からソワソワして「きたきた! はやく!! クラッカークラッカー!!」とか言ってお祭り騒ぎですよ。かわいいプレゼントとか手作りお菓子とかてんこ盛りにもらったりしてさ!!

それに比べて私はポッキーかい!! みたいな!! いや、もらえるだけでめちゃくちゃありがたいんですけど超最低なこと言ってるのは自覚した上で言うんですけど11月11日生まれだからポッキーあげるね〜☆(ゝω・)vキャピとか言ってポッキーとプリッツばかり5箱くらいもらったときはさすがに!! さすがに……!!

 

……なんでこんなにバースデー格差を気にしてしまうのか考えたんですけれども、これはもしかしたら11月11日生まれの宿命かもしれません。

だって11月11日という死ぬほど覚えやすい誕生日なのに忘れられたらよっぽど私の存在感薄いってことじゃん?
というところまで、ネガティヴ思考が発展してしまうわけです。

11月11日といったらもう間違えようがないわけですよ。あれ? 誕生日今月だったよねー? 6月17日だっけ? 18日だっけ? とかいうレベルじゃないわけですよ。11月11日なんだ! 覚えやすいねー! となるわけですから11月11日で覚えてもらえてなかったらよっぽどその人の中で私の重要性ないんだな……とか考えてしまうわけですよ!!!

こんなことなら平凡な誕生日に生まれたかった!! めちゃくちゃ覚えにくい誕生日に生まれたかった!!「忘れられてもしょうがないよね」って言い訳できる誕生日ならいくらでも慰められるのに……!!

もうね、嫌なんです。
こういうことで悩むのが嫌なんです。しんどいんです。

というか誕生日のたびにこうして朝から晩まで「あああ!!」とそわそわしまくり、誰かサプライズしてくれないかなと期待する自分の心を「全く期待してません!!! 私は!!! 自分の誕生日など!!! マジでどうでもいいタイプの人間です!!!」と言い聞かせてぶん殴って押さえこみ、平常心を保っていかなければならない生活からもう解放されたい。期待したくない。誕生日忘れるタイプになりたい! 何なら自分の年齢も忘れるタイプの自意識が枯渇してる人になりたい!!!

え? もうみんなどうしてるの? なんならもう「誕生日の気持ち整理術」みたいな本あったら買いたい。このソワソワとどう付き合っていけばいいの! 本当わかりやすすぎるサプライズに全く気付かない人とか心の中どうなってるの? 承認欲求ないの? あああああ!!!

だから、誕生日前はめちゃくちゃソワソワしてて全然メッセージこなかったらどうしようとかスタッフも友達もみんな忘れてたらどうしようとか誕生日なのにカップ麺食べるはめになったらどうしようとか心配しまくってたわけですが。

 

昨日の誕生日の夜は、みんなでビーフジャーキー、ソーセージ、スペアリブとピザに食らいつき、スタッフが美味しいケーキを買ってきてくれ(ケーキ屋のでかい袋運んでくるところ思いっきり見ちゃったけど)、みんなで閉店後に「君の名は。」を三浦社長の副音声解説付き(新海誠監督がどこでどう伏線を張ってるかとか教えてくれる)で観ることができ、最後にはクラッカーを鳴らしてもらい(あっ! クラッカー忘れてましたすみません! とか言われたけど)、オンラインでもお誕生日のメッセージをたくさんいただき。
11日は日曜日で、お客様がたくさんいらっしゃって、口頭でおめでとうと言ってくださった方もいらっしゃり。

めっちゃくちゃソワソワしてたけど、私、いなくてもいい存在じゃないんだなぁ、と。
この世界に生まれてきて、26年経って、毎日毎月毎年、色々な人に迷惑をかけることもたくさんあって、あの人に嫌われてるんじゃないかとか、いらない存在なんじゃないかとか、どうでもいい存在なんじゃないかとか、お前なんか消えろと思われてるんじゃないか、とか。

日々仕事と生活に追い詰められている中で、そんな風に心配になることも、自信がなくなることも、消えてしまいたいと思うこともたくさんあって、けれども、こんな風に「いてもいいよ」と言ってくれる人たちがたくさんいるのだという事実は、それだけで、素晴らしいなぁ、と思いました。

生まれてきて、よかった。

誕生日は、そう思える自分になれているのかどうか、一年に一度、確認できる日なのかもしれません。

 

……

……

……

……うん、無理やりいい感じにまとめようとしましたけどとはいえバースデー格差を気にする心は変えられませんね。

とりあえず26歳の目標は、数ある煩悩を減らし一年後、27歳の誕生日には「あっ今日誕生日だったっけ〜? 完全に忘れてたわ〜」と心から言い切ること、にしようと思います!

あーあ、修行が足りませんな。
大人の女にはまだまだ程遠い。

えー、ということで、お世話になっている皆さま、いつも本当に本当に本当にありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!

つーことで、バースデー格差撲滅委員会、解散!

アディオス!

 

❏ライタープロフィール
川代紗生(Kawashiro Saki)
東京都生まれ。早稲田大学卒。
天狼院書店 池袋駅前店店長。ライター。雑誌『READING LIFE』副編集長。WEB記事「国際教養学部という階級社会で生きるということ」をはじめ、大学時代からWEB天狼院書店で連載中のブログ「川代ノート」が人気を得る。天狼院書店スタッフとして働く傍ら、ブックライター・WEBライターとしても活動中。
メディア出演:雑誌『Hanako』/雑誌『日経おとなのOFF』/2017年1月、福岡天狼院店長時代にNHK Eテレ『人生デザインU-29』に、「書店店長・ライター」の主人公として出演。

 

この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」木曜コース講師、川代が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2018-11-12 | Posted in 川代ノート(READING LIFE)

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