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メディアグランプリ

「落ちこぼれだって必死で努力すりゃエリートを超えることがある」というセリフに違和感を感じた


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:伊藤 千里(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「落ちこぼれだって必死で努力すりゃエリートを超えることがあるかもよ」
このセリフを見たとき、私は強烈に違和感を感じた。
 
こういう「努力すれば何かを達成できる」系の言葉は世の中にあふれている。
 
いわく、
「頑張れば夢は叶う」とか
「天才は99パーセントの努力と1パーセントのひらめき」とか
「諦めたらそこで試合終了だよ」とか
 
しかし、はっきり言って「努力すれば何かを達成できる」なんて夢物語だ。
努力すればエリートや天才を超えられるなんて、凡人の私にはとても信じられない。
ていうか、努力で勝てないから「才能」とか「天才」とか「エリート」って区別するんでしょ。
 
そして、こういう言葉を残す人はもともと才能があって成功した人だ。
 
努力はもちろんしただろうけど、成功したからメディアに取り上げられて、その言葉が人目に触れるようになったんでしょ。
失敗してたら、そもそもその人の言葉は世に出る機会が与えられないはずだもの。
 
だから、こういう言葉は信用できない。
 
……ということが言いたいわけではない。
 
冒頭のセリフで、私が感じた違和感の正体はこれではない。
 
私が違和感を感じた理由、それは、「このセリフを言ったのが誰だったか」というところにある。
 
すでにおわかりの方もいるだろうが、これはドラゴンボールの主人公、孫悟空のセリフである。
悟空は下級戦士の子供なので、生まれつき「落ちこぼれ」という設定だ。
その落ちこぼれが、エリート戦士と戦う前のセリフがこれだ。
相手は、王子として生まれ、戦闘の天才的センスもあるエリート戦士、ベジータ。
 
ドラゴンボールの話がしたいわけではないので、他の背景事情は省略するが、悟空とはただの戦闘バカで「努力」なんて言葉を言うヤツでは決してない。
 
ではどんなヤツかというと、悟空はとにかく「戦うこと」が好きなのだ。
強くなるために修行ばっかりしているが、決してそれを「強くなるための努力」だなんて思っていない。
 
働きもせず、嫁の父親の財産を食いつぶして戦闘と修行に明け暮れているヤツで、ダンナとしてはどうかと思う。
でも、そうして手に入れた強さで、たまに地球を救ってしまうんだからたまらない。
 
落ちこぼれのくせに、地球を救ったらそれはもう大成功でしょう。
戦うことが悟空の才能だったのでしょう。
 
でも、悟空は成功するために努力なんてひとつもしていない。
悟空がやってきたのはただひとつ、「好きなこと」だけ。
 
きっと、「好き」は「才能」なんだ。
 
好きなことは、いつまでだってやっていられる。
大事なのは、「好きなことだから、いつまでもやっていられる」ということが才能だと自覚しているかどうかなんだ。
 
多くの人はそれに気づいていない。
だから、それに気づいた少数の人が成功する……のかもしれない。
 
悟空は「戦うこと」をいつまででもやっていられる。だってそれが好きだから。
私は、「戦うこと」なんて1秒もやりたくない。だって痛いし、しんどそうじゃん。
だから「戦うこと」は悟空の才能なんだ。
 
でも、私は「文章を書くこと」ならいくらでもやっていられる。
書いた文章がうまいかどうかは別として、いくらでも書き続けられる自信がある。
 
私は現在、天狼院書店の「ライティング・ゼミ」を受講している。
このゼミには毎週提出する課題があって、2000字というまあまあな字数の文章を書かなければならない。
一緒に受講している知人は、「そんなに毎週書くネタがない」と困っているが、私には困る理由がよくわからない。
 
だって、書くことなんて、呼吸してるだけでいくらでも見つけられるじゃん。
いや、見つけるというか、勝手に目の前に落ちている。
私は、それを拾い上げて文章にしてるだけ。
 
もし、提出する課題に文字制限やネットのコンテンツにふさわしいものでなければならない……などの制限がなければ、無限に書くことがある。
 
だから、知人が「書くネタがない」とヒーヒー言っているのをみて、
「あ、そうか! 私には、書くネタを拾う才能があったんだ」と気がついた。
 
また、私は職場で「断捨離の鬼」と呼ばれている。
理由は簡単。すぐに物を捨てるからだ。
 
私は資料を整理して、どこに何があるのか把握して、すぐ取り出せるようにしておくことは何時間やっていても苦にならない。
そのために、不要なものを捨てることだっていつまででもやっていられる。
 
「どうしてそんなにすぐ捨てるの?」
 
同僚は、不思議そうに、ときに、ちょっと非難めいた口調でたずねてくる。
 
逆に聞きたい。
「どうしてすぐ捨てないの?」
 
世の中には捨てられない人、片付けられない人もいるんだと気がついた。
私は、部屋の片付けも、資料の整理も、断捨離も何時間やっていても苦にならないのに。
 
もしかしてこれは才能ではないのか?
私は、断捨離が才能なんだと気がついた。
 
書くことも断捨離も人から評価されるような能力ではないと思っていた。
でも、書くネタに困っている人や、片付けができない人がいるってことは、これは私の才能なんだと自覚した。
 
おっと……やばい。
自分の才能を2つも自覚してしまった。
 
もしかして、これは何かの成功へつながるかも……?
 
もしかして、天才ベジータからこんな一言が聞こえてくるかも……!?
 
「頑張れチサト……お前がナンバーワンだ!!」
 
 
 
 
***
 
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2019-10-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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