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新海誠監督の『すずめの戸締まり』を観て、もう二度とこの映画は観れないんじゃないかと思った。《天狼院通信》


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記事:三浦 崇典(天狼院書店店主)

いつもありがとうございます。天狼院書店店主の三浦でございます。

前提条件から申し上げますと、僕は新海誠監督の『君の名は。』の大ファンで、間違えてDVDを3枚ほど買ってしまい、当時は毎月のように観ていました。
当然ながら、『天気の子』も何度も観ている僕としては、新海誠監督の

『すずめの戸締まり』

を観ないという選択肢はありません。
当然です。
観るか観ないかは問題ではなく、どこで何度観るかが問題だろうと思っていましたーー

ところが、今、観終えて、あるいはもう二度とこの映画は観られないんじゃないかと思いました。

はい、観たくない、のではなく、観られない、と思ったのです。

なぜなら、満身創痍になるくらいに感動し、嗚咽して座席が揺れて隣の人に

「あれ、地震じゃね?」

と訝しげに見られてしまうほどだったからです。

はい、次回観るまで、この満身創痍になった感情を、まずはリハビリテーションして治してからじゃないと、またあの感動には耐えられないかとも思うのです。

それにしても、当たり前ですが、クライマックス付近にとてつもなく巨大な感動を配置して、で、結構、あっさりと幕を下ろされてしまったので、非常に困りましたよ。

明るくなる前に、この涙のたぐいを何とか処理しなければなりませんでした。

処理し終える前に、残酷にも、エンドロールは終わり、明るくなってしまう。

やばい、酷い顔をしている。

そして、あるいは、と思って見渡してみると、その予想が当たっていたのではないかとも思います。

おそらく、満身創痍になるくらいに感動したのは、その映画館でその回に観た人の中で、僕くらいしかいなかったのではないでしょうか。

鼻をすする音は、かすかであり、終わった後も、

「まあまあだったな」

という男の子同士で観た人の声も聞こえ、カップルたちも取り乱すことなく、一人で観ているおっさんの僕だけが取り乱すように泣いているという構図ーー

ちょっと、やばいですね。

あ、そうだ、マスクで隠して帰ればいいかと思っても、マスクは目を隠すわけではなく、逆に目が際立つ。

ま、開き直って泣き腫らした目で帰りましたよ、福岡天神の街を。

それでは、なぜ、僕が満身創痍になるくらいに感動し、もう二度と観られないかもと思っているほどなのに、周りの人がそう見えないのか?

理由は、考えてみると、明白だろうなとも思います。

ネタバレになると困るのであんまり言いませんが、まず、僕のプロフィールが関与するだろうなと思います。

そして、そのプロフィールに関して、「戸締まり」できていなかったなと、自分でも潜在的に想っていたので、まるで直下型地震のように、感情に直接的に作用したのだろうと思います。

主人公のすずめは、堂々と「死ぬのは怖くはない」と言っていて、これもわからなくもないと最近では思うようになっていて、けれども、ヒーローの男の子は、刹那である生きることに希望を見出そうとし、そこに全面的に救われるのです。

そして、最後の言葉、セリフにすべてが集約されていて、新海誠監督は、最後のあのセリフを言わせるために、この映画を創ったのではないかとさえ思いました。

簡単に総括してしまえば、出身地がある特定(*複数)の地域で、生きるか死ぬかと最近本気で悩んだことがあるくらい辛いことがある人には、劇薬のように効きます。もう、嗚咽して、座席が揺れるくらいに。

そして、きっと、こう思うはずです。

未来にきっといいことがあるはずだから、今は辛くとも、生きていこうと。

そう、この映画は、観る人を”再生”させ、蘇らせる効果があるのかしれません。

おそらく、この映画を観て、何ごとも起きなかった人は、平和なのでしょう。

それを確かめるためにも、観に行ったほうがいいかと思います。
もし、感動が弱かった人は、自分は平和なんだと喜んでください。

また、僕のように感動が強すぎた人は、この映画に今、この時に出合えて、本当によかったと思うことでしょう。

このあとすぐ、僕は講義に登壇しますが、はたして、目の腫れは引いているでしょうか、ちょっと心配です。

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