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メディアグランプリ

PTAは夢の国へのパスポート


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:山本和輝 (ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「PTA」と聞いて何を思い浮かべるだろうか?
 
おそらく子どものいない人にはまったく関心の言葉だろう。
ただ、子どもが生まれ、5-6歳ぐらいになってくるとだんだんと現実味を帯びてくる。
既に子どもが小学校に上がっている親にとっては、直面している問題だろう。
 
「PTA」をネット検索すると出てくるのは、理不尽でひどい目に遭ったといったネガティブな情報ばかり。係決めで役員の当たりくじを引いたら、泣き崩れる人も出るという噂がまことしやかに語られていたりする。
 
私のPTAに対する認識も、そんなものだった。
そもそも学校の先生達だけで学校教育というものが成り立たないのはおかしいとさえ思っていた。
 
しかし私は、そんな考えをもちつつも、娘の小学校で2年間PTA会長を務めた。
その理由は、娘が 「いじめられ体質」 だったことだ。
子ども同志の付き合いの中で、相手に嫌だとはっきり意思表示できない子は、からかいの対象になってしまいやすい。保育園時代にも随分悩んだことだったが、小学校では同級生の数も4倍ぐらいになってしまい、とても目が届く範囲ではない。どうしたらいいか悩んだ末ある考えに達した。
 
「PTA会長になって、学校を運営する側に潜入してしまおう」
 
そうすれば私の娘は、面倒な学校の仕事を率先して助けてくれる「ありがたいPTA会長の娘」になる。
娘に何か困ったことが起きても、先生が私を敵に回すような対応をすることは無いだろうと踏んだのだ。
その他にもトラブルが起きた時、いろいろなメリットが出てくるはずだ。
 
このあざとく政治的な考え、とても褒められたものじゃないとも思ったが、背に腹は代えられない。
成り手の無かった会長には比較的スムーズに就くことができた。そして、子どもの心配で切羽詰まった思いと、全く触れたことの無い世界に踏み込むプレッシャーで胃痛を感じながら、人生初のPTAライフがスタートしたのだった。
 
ところが、である。
 
PTA運営や学校に携わりだすと、思いもよらないメリットや感動に次々と出会うこととなった。
そして、先入観で思考停止してしまい、児童教育について何も知らなかった自分に気づかされたのだった。
 
まず、最初に気づいたことはPTAに集まっている親御さんたちのほとんどが真面目でいい人達だということだ。考えてみれば、子どもや学校のために、ボランティアで時間を割いて集まってくれる人たちが、悪人であろうはずがない。意外なことに、私は仕事を休んで学校に行く時間がとても楽しく感じていた。当初抱いていた印象とは全く正反対だったのだ。
 
学校に行く楽しみは、他にもあった。それは、子どもたちの普段の様子を見ることができることだ。
学校から帰ってきた子どもから話を聞くだけでは、本当に子どもが何を見て、何を感じて生きているのか把握することは難しい。
私はPTA室に向かう道すがら、よく教室のガラス窓越しに見える娘の姿を覗いて、その様子をしばらく観察していることがあった。何かノートに一生懸命書き込んでいる姿、お友達と楽しそうに会話をしていたり、時には先生の話についていけずキョロキョロしていたり。時々覗いている私に気づいた娘は、ニコッと笑いながら小さく手を振った。至福の瞬間だった。
 
学校の教室や廊下には、子どもたちの様々な作品が張り出してある。一人ひとり違う個性のある絵や習字の作品。自分の子の作品を見るだけでは、それがどの程度のものなのかよくわからないが、クラス全員の作品と一緒に見ると娘の個性や力量がよくわかる。班をつくってクラスメイトと一緒に掃除や給食当番をやっていたりする様子を見て、子どもの成長も感じることができた。
 
地獄への切符のように感じていたPTA会長の肩書だったが、それは、娘が実際に目にし、経験している世界に入り込むことのできる夢のパスポートだと気づくのに、それほど時間はかからなかった。
 
さて、私が最も心配していた「いじめ」の問題だが、予想通り発生した。しかし、先生や保護者との人的なネットワークができたことと、対処方法を先生方から学ぶことができたため、2-3回起きた大き目のトラブルも難なく乗り越えることができた。
1年、2年生はまだ相手の感情を想像することができない。同級生とぶつかって、先生や親に叱られたり褒められたりしながら成長していく。最後は当事者同士が謝って、許してお互いの存在を認め合って収束させる。もし現場を目にしていなかったら、私はきっと怒りの感情に囚われて相手の子どもや保護者を敵対視するだけだったであろう。
 
PTAの仕事をするために、私は1年間に10日近くの有給休暇を使うなど、それなりの犠牲も払った。しかし、それの犠牲を上回る素敵な経験をさせてもらった。そして自分の子どもの教育に大切な事に沢山気づかされた2年間だった。
 
もし、あなたのお子さんの勉強が遅れていたり、友だちとトラブルを起こしていたり、いじめられているような様子があったら、学校にお子さんの様子を直接見に行くことを考えてほしい。そしてPTA活動に参加してみるのも良いと思う。保護者の知り合いや、先生方と会う機会を増やすことで、問題解決の糸口が簡単に見つかる可能性が高いからだ。
私の個人的な意見だが、子どもの学校生活に疎遠になりがちなお父さんにこそ、この貴重な経験を味わってほしいと思うのだ。子供と本気で向き合える時間は、本当に、本当に短いのだから。
 
 
 
 
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2019-11-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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