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テンパったときにやるべきこと

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:鹿内智治(ライティングゼミ・日曜コース)
 
「これどうなってんの?」
「期限が過ぎてるって言っているぞ!」
 
同じフロアにいる上司に急に呼び出された。
上司のもとにお客さんの偉い人から、ある資料の納期が遅れているとメールで連絡が入ったという。
その資料を作ったのは私である。
状況はどうなっているのか確認が入ったのだ。
 
上司はパッと見てイラついていた。
お客さんからクレームに近い連絡が入ったのだから、普通そうなるだろう。
私の報告次第ではかなり怒られることは避けられない。
 
数時間ほど前の打合せで、お客さんの担当者の勘違いであったことは話し合いがすんでいた。
でも、それがお客さんたちの中でうまく連絡がされていなかったのだ。
だから私はちゃんと仕事をしている。
それをちゃんと説明すれば上司も納得してくれるはずである。
 
でも上司は私を疑っていて、少しイラついている。
そんな人に論理的に伝えるには、どこから説明すれば、ちゃんと伝わるだろうか。
相手の感情を読み取ってしまうと、こっちまで感情が高ぶってしまう。
落ちて話せば分かってくれる内容だが、このままでは冷静でいられない。
 
「こんなとき、どうしたらいいか?」
 
緊張して頭が真っ白になりそうなとき、相手の雰囲気に飲みこまれてしまいそうなときには決まってすることが私にはある。
それは、息を吐きながら頭のなかで、「1、2、3、4、1、2、…」と繰り返し数を数えるのである。
これをすると、頭と心がクールダウンしてきて、落ち着いてくるのである。
 
緊張したり、頭が真っ白になったりしているときは感情が高まっている。
そんなときは、感情を司る右脳が優位に働いているそうである。
落ち着きたいのならば、左脳を優位にする必要があって、左脳を優位にするもっとも簡単な方法が数を数えることなんだと教えてもらったことがある。
 
人前で話しをするとき、感情的になっている相手と話しをするとき、怖さを感じているときに、息を吐きながら頭の中で「1、2、3、4、1、…」と数えると、たしかに胸のあたりにあるザワザワとして感じがなくなり、熱を帯びた頭がだんだんと冷めていって、自分が話している声がちゃんと聞こえるようになって、いつもの調子に戻れるのである。
普段のままでいることが難しい場面で数を数えるのはぜひ実験して体験してみてほしい。
 
このときも、イラついた上司に前にして、頭が真っ白になりそうだった。
なので、この秘策を使って、頭の中で数を数えながら、上司の話を聞いていた。
最後まで聞き終えてから、さっき打合せで担当者同士では話し合いが済んでいること、資料の見方を勘違いして今では納得していることを冷静に説明した。
 
「なんだ。そうだったのね。じゃあ、そうメールに返信しておく」
 
上司の少し赤くなった顔が落ちついて行くのを見ながら、私も落ち着いた。
「良かった、話が変な方向に行かなくて」とホットしたのである。
 
数を数えて落ち着く方法は、数息観と言うらしい。
これは、有効に使える先は多岐にわたる。
 
たとえば、歯医者である。
私は歯医者が大の苦手である。
診察台の上に乗せられて、身動きできず、無防備なまま口の中を処置されるのは苦痛である。
できれば、避けたいし、時には逃げ出したくなるときがある。
加えて音も苦手である。
たしかに歯磨きを怠ってきた私が悪いのだが、それにしても辛すぎる。
あの「ウィーーーン!」という音はできるだけ聞きたくない。
でも、どうしても聞かねばならないとき、耳元であの音が鳴り出して、緊張し始めてしまったら、息を吐きながら頭の数を数えるのである。「1、2、3、4、…」と。
そうすると、不思議と楽になってくる。状況を受け入れるようになるのである。
 
他にも、子どもが言う事を聞かないときも有効である。
片付けろと言っているのに部屋を片付けなかったり、買い物しているときにダメだと言っているのにねだってきたり、やるなと言っているのに危ないことをされると、どうしてもイラっとする。
そんなときに大声で怒鳴って、言うとおりになるかと言えばそう簡単でもない。
大声で怒鳴った方が返って状況が悪くなることだってある。
余計に時間がかかることだってある。
 
そんなときこそ、頭の中で数を数えるのである。
落ち着いて、冷静になって、子どもに向き合うために。
そんなときに、とても有効である。
 
どうして数を数えると落ち着くのかは分からない。
数を数えることで本当に左脳が優位になっているのかは分からない。
でも、数を数えることで、良い切り替えになっているだと思う。
もしかすると、うまい切り替えがれば、数息観にこだわる必要はないのかもしれない。
このままではいつもの自分では居られないと思ったら、なんでもいいから切り替えをして、いつもの自分に戻る方法がいいのだと思う。
テンパったときに普段の自分に戻れりのは、性格なんかではなく技術なんだと思う。
 
 
 
 
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2019-11-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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