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テレワークが寂しかった話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:SAT (ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
朝、県境の大きな川沿いを散歩していたら、猫に餌を与えているおばあさんがいた。
見晴らしのよい堤防用の土手までわざわざ来るくらいだから、猫も安心しきっている。
 
おばあさんがいるのも、おばあさんに話しかける人も毎日決まっているようで、今日はちょっと早いんじゃない?とか話していたのが聞こえた。
 
ふと、あのおばあさんには、家族がいるのだろうか、と思った。
想像だけど、たぶん、あのおばあさんは、わざわざ、猫をあの見晴らしのよい土手に呼んで餌を与えている。
猫で寂しさを紛らわしているほかに、猫を見る人たちが話しかけてきて、人と会って話をするために。
 
なぜ、そんなことを思ったのか。
 
2020年の夏、オリンピックがある間、都内の交通機関が混乱するということで、私が通う会社は事務所に出社させず、自宅や影響のない事務所でテレワークにするということになるらしい。
 
海外ではテレワークは珍しいことではないようだし、日本でもテレワークをしている会社はあると思うのだけど、務めている会社は顧客先常駐でもない限りは事務所で仕事をするところである。
私自身、1回ぐらい試してみたい、と、自宅で1週間のテレワークをやってみた。
 
やはり、テレワーク文化が馴染んでないのか、いろいろ問題があった。
 
まず、一人暮らしのため、人に会って話をする機会がない。
会社だったら、自席の近くの人にたまに雑談なんかして気晴らししているのだが、周りに人がいないし、PCの向こう側の人たちに文字で気晴らしを送っていいものやら、空気がわからない。
打ち合わせをしても、顔色がうかがえず、相手が黙ってしまうと理由を聞き出すのに時間がかかるなど、円滑に進まない。
PCのディスプレイに集中していたら、気づくと日が暮れていて窓の外が暗くなっており、自分で電気をつけたりカーテンを閉めたりすることを意識的にやらないと、暗いまま作業して目に悪い。
通勤で歩いていた分がなくなるので、運動不足が加速する。
テレビを他のことをしたい、という誘惑が襲いかかる。
などなど……
 
今まで、会社の自席で仕事をしていて、いろんな音や割り込みに、どうにも集中力を保つのが難しく、本当にイライラしていた。
 
そして、私は人見知りで、あまり人と関わらなくても生きていけると思っていた。
だから、一人で隔離して仕事していたほうがよほど効率が上がるし、イライラしなくて済むんじゃないかと思っていた。
しかも、オンライン会議やチャットがあるから、必要な人とつながれるはずだったし、意思疎通もできるものだと思っていた。
なにより、アメリカのIT系大企業はテレワークで世界中に仕事をしている人がいると聞いていたから、難しいことではないと思っていた。
 
その【思っていた】想定は、合っているところもあったけど、合っていないところもあった。
 
一人の誘惑に打ち勝つ、という話だけではなく、コミュニケーションをネット越しに取れる人とそうでない人がいたのだ。
特に7〜8年前より過去に採用された人たちは、テレワークとかテレビ電話になる前提で入社してくる人を選別しているわけではなかったと思うので、コミュニケーション能力の格差があった。
 
仕事の話をすべき人には、話もままならず、チャットも返ってこない。
かと思いきや、違う人からどうでもいい話でチャットが飛んできたりする。
 
そんなとき、一人の空間で仕事をしていて、
パソコンのオンラインを知らせるサインだけが私が生きていることを証明している唯一のものかもしれない
と思って、なにか、社会と隔離されたように感じたのだ。
スマホのSNS経由や電話でもつながってるはずなんだけど。
 
一人の空間で仕事をしていて、寂しくなるんて、想定していなかったことだった。
 
サービス業の人は、人とつながるのが仕事だろうから、そんな思いをすることはないかもしれないし、孤独に慣れている人には、人と話をしなくても生きていけるよ、という人もいるんだろうけど、顔を合わせないと、その人の発言の意図や思いが伝わってこない、だから、つながっているという感じが希薄になって、寂しさを感じるんだと思った。
 
寂しかったことは寂しかったが、さすがに、猫に餌を与えていたおばあさんに話しかけることはしなかった。
でも、歩いて5分くらいのお弁当屋で昼食をテイクアウトするときに交わした会話で、軽く暖まった気がした。
 
ちょっとだけ、事務所があって、人と仕事することができる会社員でいるのも悪くないと思った。
 
多くの会社でテレワークを取り入れていくような流れになるのかもしれないけど、
一度、できるなら、1週間程度、体験したほうがいい。
色々見えてくることがあると思うから。
 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-11-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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