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メディアグランプリ

年末に思い出す地球の歴史を一枚の巻き物にしたかった12 才の夏

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:にしきおり美保(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
今から40年近く前、
小学校6年の夏休みの自由研究を何しようかなぁと考えていて、
突然、ピカリンと閃いた!
それは、地球の歴史を一枚に描いた巻き物。
 
絶対にいいぞ〜という期待感とワクワクが風船のように、空高く舞い上がって行った。
 
友達も先生も「凄い」と褒めてくれるに違いなかった。
きっとクラスで一等賞だぁ、ウッフッフ〜
 
「恐ろしく甘い考えだった」と気づくまで数日と掛からなかったのだけど……。
 
地球年齢46億年
「これを年表にして描いてみよう。同じスケールで書いてみよう!」
 
始めは、1年を1ミリにしてみた。10センチが百年で千年が1メートル。
うんうん、いい感じ。
 
江戸時代、戦国時代、平安時代〜
順調に行ってる行っている。
 
縄文時代が1万年くらい前からなので、えーっと10メートル
「え〜? じゅ、じゅうメートル?」
これじゃあ巻き物の紙をずいぶん消費してしまうじゃないの!
 
今なら思う「ここで止めときゃ良かった」
 
小学校6年生なら10メートルの作品でも充分だよね。
 
だが、最初の「地球の歴史を全部同じスケールで描いてみせる!」というピカピカにとらわれていた私は、
せっかく書いた、江戸時代、戦国時代、平安時代を消しゴムで消し、スケールを10年で1ミリに変更。
 
千年が10センチ、一万年が1メートル。「ホッ~ 縄文時代が入った!」
 
調子が上がって来た!
ジュラ紀とかカンブリア紀とかを巻き物に配置し、翼竜とか三葉虫とかの図柄を想像し、ウキウキしながら布団に入った。
 
ところが、次の日も空間の紙が虚しく消費されていく。縄文時代から先が長ぁいのだ。
こんなハズじゃなかった。焦って来た。日にちもどんどん無くなる。
 
仕方なく、縦のカーテンみたいな記号を書いては、端折る端折る端折る〜
 
端折っても端折っても紙が要るじゃないのォ!
 
1ミリを10年にすると1万年は1メートル。地球46億年の巻き物は46万メートル。
つまり460キロメートル。
「長さ、よんひゃくろくじゅっキロ!」
 
私は、ようやく自分がとてつもないバカだと気付いた。
 
どうやって紙を繋ぐ? どうやって運ぶ? 第一、夏休み中に間に合うの?
 
高揚していた気分が一気に下がった。
高〜く舞い上がった風船はペッチャンコになり地の底まで落ちた。
 
それでも、最初のピカピカを思い出し、上を向いて、涙が出そうな気持ちを立て直した。
 
「仕方ない! 変更するしかない!」
つまり一定のスケールで全部やる基本路線を変えるしかなかった。
 
それでも、「地球の歴史を一枚の巻き物にしてやる!」という意地だけは通した。
出来上がったのは、20メートル超えの巻き物。
消しゴムだらけ、縦のカーテンだらけ、スケールもここからここまでは、100倍とか1000倍とか、そりゃもうめちゃくちゃだわ、恐竜とか三葉虫の色は雑だわ、何度も書き直した跡だらけ、白い空間だらけ、ただただ長ぁいだけが取り柄の、私の自由研究。
 
教室の端から端まで届く範囲で飾られたそれを見た時、改めてガックリした。
 
みんなも「ふーん、無駄に長いものを作ったわね」といった反応だった。
せめて、担任の先生には「頑張ったんだね」くらい言われるかと思ったけど、それも無かった。
 
他の女の子の花柄の手提げとか、男の子の手作りの車とかの工作の方が、よっぽど素敵に光って見えた。
みんなからは、その後も、何も無かった。よそよそしい空気感……。
今なら分かる。気まずいよね。
とてつもない労力を使った、明らかに失敗作の自由研究に何と言っていいのやら。
 
仮に、1ミリ10年のスケールで作り続けたとする。
紙を繋ぐために一日掛けて100メートル進んでも4,600日。
つまり12 年以上も掛かる!
重さは、1メートルの紙が50グラムとして、460キロメートルの巻き物は、23トンの重さになる。アフリカ象2頭分!
2頭の象を連れて小学校に行く私を想像してブハッとなった。
 
夏休み中に終わるかどうか、運べるのかどうか、悩んだこと自体アホだった12 才の夏。
 
けれども、このチャレンジをやらなければ良かったかというと全然〜そんなことない。
むしろ、地球の歴史を一枚の巻き物にしてみようと格闘し、偉大な地球の歴史、生命の歴史、時間の膨大さを実感できた12才。
自然には到底敵わないという畏敬の念が全身に沁み渡った。しみじみ思う。
『光陰矢の如し』
私たちに与えられている時間は、一瞬。
 
ちなみに、46億年を46メートルにしてみると1ミリは、10万年。
一生が100年だったとして、一人の人生は、1ミリの千分の1。
 
つまり1ミクロンだぁ〜 目にも見えない!
アッという言葉を発する前に消えてるかも知れない、ちっぽけなちっぽけな雑菌ほどの一生……。
 
アハハハハハ〜
 
だったら、思いっきり暴れてやろう〜
ぶっ飛んでやろう〜
悩んでる暇なんて無い!
やりたいこと全部やろう〜
どこだって行くぞ〜
堂々とゴロゴロするぞ〜
 
気忙しい年末の一日。
今年も、この時期になると12 才の夏休みを思い出す。
 
毎年、お決まりのフレーズが交わされるからだ。
「今年もアッという間だったわねー」
 
「ホント〜 ホント〜」と笑いながら、
私達に与えられている『時』って一瞬だと実感した12 才の夏を。
 
 
 
 

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2019-12-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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