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会社は利用せよ

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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:K W(ライティング・ゼミ夏期集中コース)
 
 
去年4月に入社した社員が今年の春に会社を辞めてしまった。
西日本出身の女性で、いきなり東北の支店で営業配属になり、こちらには知り合いが一人もいないと&言っていた。
 
明るく、元気で前向きで非常に好感が持てて、経験を積めば絶対にいい営業になるだろうと期待していた。
何度か同行訪問した時、車で移動中、色々と話をすると弱音をはくような場面もあったが、基本的には現状を受け入れて前向きにやっていこうと思ってくれていると勝手に判断していた。
未取引企業へのアポ無し訪問をやっていて、うまくいかないと言っていたので、一緒に飛び込み営業をすることもあった。
 
少し経って、6月の初めに久しぶりに同行した。
1件終わってから次のアポイントまで時間があったので
「また、一緒に飛び込み営業してみようか」
と言うと、
「そうしましょう」
と元気に答えてくれた。
というか、元気に答えてくれたとまた勝手に判断した。
 
2、3件トライしたら丁度いい時間になったので次のアポイント先に向かうことになった。
移動中、車を運転しながら、
「実は私、今月で会社辞めます」
と言われた。
「本当に?」
「今日、いつ報告しようかと、ずっと考えていました」
 
色々と話を聞いて、辞めるに至った原因は大体分かったが、それよりここまで悩んで、追い込まれていたことを気付けなかった自分自身が情けなかった。
今日も、いつ会社辞めますと報告をしようかとタイミングを見計らっている時に、飛び込み営業しようかと言われてさぞ、困ったことだろう。
 
なぜ、相手の立場になって考えてみることができなかったのだろう。
イマジネーションが足りない。
想像してみると分かりそうなものなのに。
自分も辛い時期はあったのに。
 
15年前にストレスで頭に大きなハゲができたことがある。
無茶苦茶なスケジュールを要求され、毎日夜遅くまで仕事が続き、追及の電話が夜中まで何度もかかってきた。
キツかったが、自分では何とか対応できていると思っていた。
周りの人に心配されているような様子もなかった。
 
仕事が落ち着く気配が見えてこなかった。
いつ携帯に電話がかかってくるか、とビクビクするようになり携帯電話着信恐怖症のようになった。
 
いつの間にか、頭の後ろに小さいハゲができた。
どんどん大きくなっていった。
皮膚科にいって、薬をもらった。
医者にはストレスです、といわれた。
治るまで1年かかった。
ハゲがどんどん大きくなるにつれて社内の人から気を遣われるようになった。
私は、夜遅くまでの残業が当分の間控えるように指示された。
仕事を他メンバーに分散してやってもらった。
 
後から、考えた。
髪の毛にトラブルが現れただけでよかったと思わないといけなのではないか。
心に支障をきたすことがなくてよかった。
心に支障をきたすと、回復にもっと長い時間がかかるし、もしかしたら会社を辞めないといけない事態になったかもしれない。
そうすると自分にとってかなりハンデとなってしまっていたのではないだろうか。
なんとかリカバリーできてよかった。
携帯電話の着信恐怖症はまだ消えていないけど。
 
改めて確認しておかないといけない。
社員に何かトラブルがあった時に、責任が及ばないように、色々な手を打っている会社と、自分のことだけを考えている自分のような社員とで「会社」は出来上がっている。
ハラスメントの駆け込み寺や心や健康をサポートするメニューなどを設けているが全て会社側が会社自身を守るための仕組みでしかない。
社員は自分と家族のために生きることで精一杯だ。
本気で他人の状況を気にかけている者はいない。
みんな、完全にトラブルになってから気づく。
恐らくどこの会社でも一緒のはずだ。
でも、冷静に会社側に立って考えてみると、そうならざるを得ないように思う。
 
やっぱり、自分で自分を守るしかない。
自分を守りながら、いい仕事ができるように努力するしかない。
実際に今まで、やってよかったと言う仕事をいくつも経験してきた。
自分をうまく守れれば、いい仕事もできる。
 
コロナ渦で遅れて配属された新入社員が新しく入ってきた。
今度は男性だ。
絶対に応援しよう。
この気持ちを忘れないようにしよう。
会社のシビアなところを教えて、自分は自分自身で守るべきことを伝えよう。
もちろん、それだけでなく、そこをうまく出来れば、仕事は厳しいからこそ、面白い、達成感、充実感があることを少しずつ、確実に辛抱強く何度でも伝えよう。
仕事の辛さ、充実感を経験しないうちに辞めてしまわないように。
 
若手ビジネスパーソンに伝えたい。
会社に身を捧げてはいけない。うまく利用するつもりでいないといけない。
これは、会社に勤めてもしょうがないと言っているのでは断じてない。
会社に勤めていてもいい仕事はできる。
会社に過度な期待をしてはいけないということだ。
それを理解した上で自分の人生を謳歌して欲しい。
一緒に仕事の達成感を味わいましょう。
 
 
 
 
***
 
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2020-08-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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