メディアグランプリ

守られるかもわからない緩い約束。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:姫野蒼子(ライティング・ゼミ7月開講通信限定コース)
 
 
みなさんには誰かと交わした、守られるかもわからない「約束」ってありますか?
 
そもそも、約束は、守る、ということが前提にあります。
そんな守らなくてもいい約束ならば、しなくてもいいと思いませんか?
普通で考えるとそうだと、わたしも思います。
 
わたしには友達がいません。
実際に友達はたくさん必要か、というと、あまりいらないのではないか、と幼いころから思っていました。
個性が強いってこともありましたが、学生時代は遊んでくれるだけの友達は限りなく少なかったのです。
むしろ、敬遠されて一人いることの方が多かったのがわたしでした。
 
小学生の頃は、決まった友達ができにくかったわたしのために、うちの母は、月曜日から日曜日まで、がっちり休みなく、お稽古事をさせていました。
友達と遊べなくても寂しくないように、との配慮です。
おかげで、二つ掛け持ちで行かないといけない曜日もあったくらいです。
 
だからでしょうか?
わたしには友達はいないですけど、仲間はたくさんいます。
一緒に仕事をしたり、手伝ってくれたり、より成長を加速させて行こう、という仲間です。
わたしにとっては、彼らは友達とはちょっと違うと思っています。
今も仕事も含めたわたしの活動の中ではたくさんの「チーム」があって、わたしもその「チーム」に所属しています。
それらの仲間たちは、よくよく考えると「約束」だけど、「約束」とも満たないような緩い繋がりで繋がっています。
この感じ、わたしはいつからこういう感じの緩い繋がりが好きだったのか、って考えてみました。
過去の記憶を辿ってみると、エピソードはありました。
 
小学校五年生の頃、わたしが一番楽しみにしていたのは、金曜日18時に大阪梅田まで行っていた、当時のパナソニックスクエアでやっていた「パソコン教室」でした。
その頃はまだまだ会社ですら普及されていなかったパソコン。
ここで出会った人たちと今でも緩い付き合いをしています。
もう中学生になってからは、教室も通わなくなって、もっと後になると、そのパナソニックスクエアもなくなってしまっています。
なのに、金曜日18時にそこに行けば、懐かしい仲間に会えてしまったりするのです。
しっかりした約束がある訳ではありません。
わたしが12歳くらいの時なので、もうかれこれ二十数年前の話です。
今のように携帯もなければ、メールとかもできるような環境ではありません。
だけど、なんとなく懐かしくなって、ふとその曜日、その時間に行くとかつての仲間がいた、なんていうことがあったりもしたのです。
 
そう「仲間」なんです。
それはわたしが勝手に思っているだけなのかもしれなくて、相手は全然そうは思っていないのかもしれません。
彼らはわたしをむしろ「友達」と思っているのかもしれません。
だけど、わたしにとっては「仲間」です。
 
学校では、
「友達をたくさん作りましょう」
「友達を大事にしましょう」
とか言います。
高校生くらいまでは、どうしてわたしはそこに違和感を感じるのだろう、ということがわからなかったのですが、今ならよくわかります。
ただ遊ぶだけの友達はいなかったけれど、部活とか、委員会であるとか、趣味の世界でも何かクリエイティブなことをする、ということになれば話は別です。
いきなり「仲間」がどんどん増えていきました。
あまり建設的でない、クリエイティブじゃない話をするとか、愚痴とか、そんなことだけをする友達は人生においてはあまり大事じゃない、と思っていたから、なんだと思います。
実際にわたしは、学生時代のいわゆる友達とは、ほとんど繋がっていません。
決して仲違いいたワケでもないのですが、連絡を取る必要性を感じないのです。
そうすると、そのうちに疎遠になってしまいました。
 
でも「友達」じゃなくて成長もしくは、貢献できるという「仲間」。
こう呼べる人ならたくさんいます。
そして、そんな「仲間」なら、これからももっと欲しいとも思います。
 
もしも、いろんな人たちといい人間関係を築いて行きたいのであれば、ただ「友達」って関係性ではなくてちゃんと「仲間」って関係性に成長させていく工夫が必要なのではないか、なんてわたしは思っていました。
友達で一緒に成長して、そして例えば、コミュニティであれば周りのお役に立っていく、とかの本当に自分と価値観が近い人とか世界観が近い人という仲間を作っていくのが重要なんじゃないかなって思うのです。
ま、これは勝手なわたしの持論でもあります。
 
もう一つは中学時代、文章力だけを買われて、卒業式に答辞を読むためだけにわたしは生徒会の役員をしていました。
答辞は三年生の学年代表が読むことが決まっていたからです。
その時の生徒会の役員たちとも、緩い繋がりがあります。
いまでこそ、わたしの実家は大阪市内に引っ越ししてしまったのですが、それこそ、
「土曜日 19時」ピーコック広場の野村呼文堂前。
当時現役で生徒会をやっている時から、みんなでなんとなく集まっては何か話をしていました。
来れる人だけが来て、ただ集まって話す。
それだけだったのですが、これがものすごい心の支えになっていた時期もありました。
 
誰かと交わした、何気ない、守られるかもわからないような緩い約束。
そういうものに支えられてわたしは大人になりました。
調子がいい時には、忘れ去られてしまっているその約束も、心がグッと寂しくなった時には、ものすごい支えになることをわたしは知っています。
普段は忘れていてもいいんです。
けれども、わたしたちはここにいる。
 
そんな緩い約束が、きちんと伝わっていれば、それは本当にステキなことだな、と思うのです。
みなさんにはそんな、守られるかもわからない緩い約束ってありますか?
 
 
 
 
***
 
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2020-09-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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