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今、自分がしている事。その意味を分かっているか?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:吉田さゆり(ライティング・ゼミ 日曜コース)
 
 
子供が、小学校になって数が月たった頃、学校から一枚のプリントを持って帰ってきた。
 
内容はプールが始まるから、水着や水泳帽を準備して下さいという案内。ただ、私にはそこに書いてある事だけでは、名札のつけ方等に分からない事があった。それで、先生とのやり取りに使う連絡帳に、分からない点を質問して、次の日、子供にもたせた。
 
元々、分からない事は、一人で考えるより、聞く方が早いと思っている。まして、最初の子供の時は、親も分からない事ばかり。一人で悩んでいてもらちが明かない。
 
その時の私にとって、先生に聞くという事は、空気と同じ。当たり前の事。
プリントを配った人なのだから、その人に聞くのが一番。
そう思ったのだ。
 
先生からは、その日の夕方に電話がきた。
当然、私は質問の返事を貰えるものと思った。
ところが、先生が私に伝えた事は、ちょっと、いや、かなり、私が期待した事とは違っていた。
 
その先生は、40代位。低学年の先生らしく優しい雰囲気で、今の学校に長く勤務しているベテランの先生。子供は好いていた。
 
そんな先生が電話口で、開口一番、私に言った言葉は、
 
「質問ありがとうございます。今まで教師をしてきて、あんな質問されたのは初めてです。おかげで、プリントに何が書いてあるのか初めてしっかり読みました」
 
一瞬、この先生は何をいっているの?
と、意味が分からなかった。
 
先生は続けて、
「実は、今まで、こういった学校側から渡されたプリントは、配る様に言われたから配っているだけでした。毎年同じものを配っているし、プールの案内の事だと分かっていたので、何が書いてあるかまでは読んだ事がなかったんです。今、この件は学校に問い合わせていますので、分かり次第連絡しますね。質問してもらって良かった。本当にいい気づきをありがとうございます」
 
きっと、先生は、当たり前の事として、これまで長い間、配れと言われたから生徒にプリントを配ってきたのだろう。「プリントを配る事 = 仕事の一部」と自覚して。別にそれ自体は何も悪い事ではない。
 
たしかに、私も仕事で、自分に関係ない会議に使う資料を、配ってと頼まれたら、中身を読む事なく配るだろう。もちろん、配ったからといってその内容に私が責任を持つ事はないし、責任を負わせようと思う人もいないはずだ。
でも、これはあくまで、社内だけの話。社外に出すものであれば、他部署のものだから知りませんとはいかない。
 
そう、立場が違ってくる。
 
今回の場合、たとえ、先生が自分で書いたものではない、学校側が用意したプリントだとしても、配る様に言われたから配っただけ。何が書いてあるのか知りませんは通用しない。
 
そして、先生はとても聡明な方なので、この事にすぐに気が付いた。この時、自分が今までやってきた事の意味に気が付いた事で、他の事まで色々気が付く事もあったのだと思う。
 
だからこそ、その気持ちを伝えずにはいられなかったのだろう。
こんな事言われたら、人によっては、とんでもない先生だと呆れたり、問題視する親もいるかもしれないのに。
ある意味、先生は正直で、素直な人だった。
 
私は、何で今まで誰も質問しなかったのかが不思議だった。
みんな、理解力がよくて届いたプリントだけでわかったのか?
それとも、先輩ママや、他のママに聞いていたのか。
もしくは、先生に聞くのは申し訳ないと、直接学校に問い合わせていたのだろうか?
誰にも質問されない先生なんて少し可哀想な気がするのは私だけだろうか。
 
私は、今後、私の様に分からない人がいるかもしれないから、もう少し詳しい説明のある内容に変更する事を提案して、電話を切った。
 
その後、先生から質問の返事を貰い、子供のプールの準備は整った。
先生も、これからは、自分も先にプリントに目を通し、自分が分からないと思った事はあらかじめ確認するようにする。それを生徒にも補足として伝える様にすると言っていた。すごく些細な事かもしれないけれど、何も分からない新米ママにとってはとてもありがたい話だ。
そして、この事を先生は、学年が変わっても、私を見かける度に話しかけてきては自分の気づきとして話題にされた。
 
私は学校に何かある度に物申す様な事はしていないし、恐らくお世辞でも、嫌味でもないと思うので、それだけ、先生にとっては、自分の当たり前がひっくり返った大きな出来事、驚きだったのだろう。
 
他の先生から、教師は毎年、授業で同じことを喋るだけだから、何も頭は使わないという様な話を聞いたことがある。
これは、自嘲しての事で、本当は違うと思っているし、ニュースでも先生という仕事の大変さは度々取り上げられていて、頭が下がる思いだ。
 
ただ、先生であれ、他の仕事をしている人であれ、自分は何をしているのか、いつもやっている事であれば、やっている事ほど、その意味や影響をしっかりと考えるなんて事はしないのかもしれない。
 
自分はどうだろう?
自分が日ごろやっている事、考えている事。
今まで、深く考えた事もなく、受け入れていた当たり前。
少し意識すると、今とは違った世界、物事がもっとよくなる世界が見えるかもしれない。
 
 
 
 
***
 
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2020-10-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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