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美術館に行ったら、叫べ! 


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:藤原智子(ライティング・ゼミスピード通信クラス)
 
 
この日わたしは、
デザイナーであり、造本作家でもある駒形克己氏の個展に訪れていた。
 
駒形氏のことは、それまで全く知らなかった。
 
ただ、県立美術館で個展が開かれていると聞き、
無性に見てみたくなったのだ。
 
なんのタイミングだろうか。
 
なにか導かれるように足を運んだのには、
 
きっと理由がある。
 
駒形氏の世界は、まさに「ミニマル」。
 
「小さなデザイン」と題されたこの個展は、シンプルでシャープで無駄のないものだった。
 
少し無機質なデザインの中にも、
おもわずクスッとしてしまうような遊び心がある。
 
代表的な作品には、
 
絵本をはじめ、
 
コム・デ・ギャルソンの案内状や、
 
ZUCCaのブランドロゴ。
 
音楽グループのオフコースや安全地帯のジャケット。
 
小児医療センターの内装デザインなどがあった。
 
まる
 
さんかく
 
しかく
 
波線……etc
 
シンプルな図形の組み合わせが、駒形氏のデザインの特徴であり、
 
ファッションや音楽業界、建築にも携わるなど、
かなり幅広い分野で活躍している方だった。
 
展示ブースを進んでいくと、
絵本を作り始めたきっかけが説明されていた。
 
娘さんが産まれ、自分のことをじーっと見つめるようになったとき、
我が子とのコミュニケーションの方法に、彼は絵本を選んだ。
 
それは口コミで評判の絵本をただ読んだわけじゃない。
自ら作り始めたのだ。
 
「絵本を作る……」
 
「……これだ!!!」
わたしの脳裏にガツンとイナヅマが走った。
 
心の叫びが、声に出てしまっていないか、ハッとして思わず周囲を見渡した。
 
こんなわたしはというと、現在イラストの仕事をしている。
 
まだまだ勉強が必要だが、
「イラストで誰かの役に立てたら……」と、常々思いを馳せていた。
 
仕事をしている時点で、きっと誰かの役には立っている。
 
しかし、それだけじゃない、なにか自分に足りないものがある。
 
どうしたらいいんだろうか、そんなことを思っていたときだった。
 
自分のイラストでできた絵本を読み聞かせられたら、
 
どんなに幸せだろう。
 
どんなに、楽しいだろう。
 
「絵本を作るなんて途方もない」と以前ならすぐに諦めたかもしれない。
 
だけど、
 
「駒形氏のように絵本で、誰かの役に立てたら……」
 
イナヅマのような衝撃のあと、ぼんやりと浮かんだ思いは、
その直後、確信に変わった。
 
展示室の最後は、絵本を実際に触って読める場所になっていた。
 
先にそこで絵本を読んでいた長女が、
ニコニコしながら、こちらに駆け寄ってきた。
 
飛び出し絵本のような、仕掛けがほどこされているページをわたしに見せて、
 
「これね、ここがこうなるんだよ!」と得意げに教えてくれた。
 
次女にもパラパラっと見せて、「こうだよ、あーだよ」と説明をする。
 
次女は瞳をキョロ、キョロと動かしながら、そのあとニヤッと笑った。
 
あっという間に、娘の心を掴んだその絵本たちも、
 
なんだか得意げに本棚に並んでいるように見えた。
 
娘が楽しそうに絵本を読む姿を見て、
 
「そうか、「誰かのため」じゃない、
 
「我が子のため」に、絵本を作るんだ!」
 
それが自分のやりたいことだと、すとんと落ちた瞬間だった。
 
「娘とコミュニケーションがとりたい」
 
そんな一心から生まれた駒形氏の絵本のように、
 
わたしも我が子という、唯一無二の存在へ、
 
絵本というプレゼントをしたい。
 
この個展から、わたしはなにやら底知れぬパワーを感じた。
 
海から、波が押し寄せるような、ゾワゾワとした感覚が込み上げる。
 
わたしにとっての人生の「イキガイ」
 
それは、
 
自分の得意なことを生かし、
 
必要としている人に与える。
 
そこには愛があって、
 
ただ付加価値としてエネルギーとお金の両方が流れる。
 
駒形氏は、わたしの思う「イキガイ」をナチュラルに再現していた。
 
「好きじゃなきゃ、長続きしない」
 
個展の最後に、彼のコメントが飾られていた。
 
当時、へたうまブームだった日本のデザイン業界。
 
今でこそミニマルなデザインは一般化し、生活に馴染んできたが、
 
はじめはなかなか受け入れられなかった。
 
シンプルな図形だけが描かれた絵本も、
 
子どもに向かないと言われていた。
 
しかし、駒形氏は自分の作品を創り続けた。
 
信念を持って、創り続けたからこそ、
 
今では世界中の人に愛され、たくさんの人に共感されている。
 
わたしも諦めずに、やり続けたい。
 
続けることは、本当に難しい。
そして、こんなにもしんどい。
 
けれど彼のように、「イキガイ」を見つけて、突き進んでみたい。
 
今回の個展をみて、そう思うことができた。
 
個展は、人生だ。
 
今まで考えてきたことや、おこなってきたこと、
 
出来事や思い出が、歴史・作品として飾られる。
 
それはひとりの人間の、人生そのものを見ていると同じことだ。
 
そして誰かが、思いや作品に共感し、新しい循環を生む。
 
わたしもきっとその1人。
 
自分の「イキガイ」を探そう!
そして、人生を豊かにしよう!
 
それがきっと、いつかたくさんの人の笑顔につながる。
 
まずはそうだ、絵本を作ろう!
 
家族を笑顔にする、そんな絵本を。
 
美術館に行ったら、叫べ!
 
心のなかで。
 
 
 
 
***
 
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2020-10-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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