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子育ても得意技で勝負する!


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:赤羽 叶(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「また、マミィに怒られた~!」
 
小学1年生の長女が泣く。もう、こっちが泣きたいよ!!
こちらも、腹が立つのを抑えて、なるべく、状況を説明して理解してもらおうと頑張っているのに。子育てって、なんでこんなにうまくいかないのか……しまいには、勢いでどなってしまった。
 
「うるさい!! 泣いてばっかりいないでやりなさい!!!」
 
娘は、ナナメ45度の上目遣いで、私をねめつけて、渋々私に言われたことをやりだした。
 
ため息しかでない。
決して、あんな目をさせたいわけではないのだ。
 
子育て時代は、戦国時代とあきらめなければならないのだろうか。
 
とにかく、穏やかに、子どもたちとも何か問題があれば、それについて話し合い、お互いの意見を良しとして、彼ら自身で答えを導き出していけるように……そんな家族内政治を目指してきたはずなのに、現実は戦い続き。気づけば、毎日、声が枯れるまで怒鳴り散らし、誰かが泣かない日はない。
 
「子どもは親が言ったことはやらない。親がしていることをする」
とは、誰かの名言か。
 
その通り、子供達同士も、毎日、暇があればケンカばかり。それを見るだけでもまた腹が立つ。我が家の3人の子供達は、4歳ずつ離れている。長男と次女の年の差は8歳だから、さすがにケンカになることは少ない。中間子の長女vs長男か次女、どちらかのケンカがほとんどだ。常にどちらかとケンカをしている長女のことを思うと不憫さは感じるが、その矛先が私に向くと冷静でいられないのが、私のおとなげなさ。
 
思えば、私の両親は共働きで忙しかった。私が親から受けた記憶で残っているのは、怒られたか褒められたかがほとんど。親と子で、私が理想とする『話し合い』をしてきた記憶は、残念ながら、ない。いつしか、怒られないように、あるいは、褒められるようにと必死に顔色をうかがってきたのだった。結局、私が子供にしているのも、怒るか褒めるかがほとんど。親がしていることを子どもの私がする……なのだなあと、苦笑いするしかない。
 
そうはいっても、今更、親を責めても仕方のないことだし、話し合いをしようとしても、長女は「怒られた」と受け取ってしまう。何とかしなければ、今度は子どもたちが子育てする段になって怒ることしかできない親になってしまう……そんな負の連鎖はどうしても避けたい。
 
そのときに、ふと思い出したのだ。
 
かつて、3人子育ての先輩ママに、
「中間子は、いつも間に挟まれて置いて行かれがち。だから、中間子と2人だけでする特別な何かをつくってあげるといいわよ」
とアドバイスをもらったことを。
 
そして、ひらめいた。
 
子育てにだって得意技を持ち込めばいいじゃないか。私が得意なのは、文章を書くことだ。そして、幸い、長女も文章を書いたり絵を描いたりすることが好きで、よく手紙をくれたりする。それだったら、文章でやり取りしてみたらどうだろう? 昔、友達同士でやっていた、交換日記みたいなものを長女とやってみよう。
 
私は、早速、ノートを買いに行った。女子とのやり取りは、形から入るのも重要だ。彼女が喜びそうなピンクのプリンセスが表紙のノートをセレクト。宿題が終わって上機嫌な頃合いを見計らって、計画、実行。果たして、このピンクのノートは『伝家の宝刀』となるのだろうか。
 
「お母さんと一緒に、交換日記してみない?」
「え、それ、何?」
食いつきは悪くなさそうだ。
 
「お母さんとね、交代で日記を書くんだよ。絵を描いてもいいよ。いつも、お手紙くれるでしょ? ああいうのをノートに書いてくれてもいいんだよ。」
 
こっそりと、プリンセスのノートを見せる。
 
「お母さんと二人だけ。内緒のノートだよ。」
最後のダメ押しに、長女の顔がパッと輝いた。
 
「わかった、やってみる!」
 
結果、今のところ、驚くほど大成功なのだ。
 
彼女の文章には、普段、会話では聞くことができない、学校での様子や私が大好きなこと、仕事をしている姿を応援してくれていることがたくさんつづられていて、不覚にも涙がこぼれることもある。口でやり取りをしているときには、攻撃的な言葉が多い彼女だけど、文章になると、感性豊かで、優しい、感謝にあふれた姿を見せてくれた。
 
また、自分がしてしまった過ちも、その時に言葉ではでてこなかったが、そのことをノートで謝ったきたことがあった。本人が反省していないわけではなく、表現できなかっただけなのだ、ということに気づくこともできた。
 
そんな新しい長女の一面を見ることで、逆に、衝突が多い彼女自身のことも受け止めてあげることができるようになってきた、ということも私にとって収穫だった。彼女なりに、毎日バランスを取ろうとしている過程なんだな、と見守ることができるようになった。
 
人のインプット・アウトプットの方法には得意不得意があるということだ。誰しもが耳から入る言葉を一様に受け取れるわけではなく、それを文章化したほうが受け取りやすいこともある。アウトプットもしかり。全て個性なのだ。
 
蛇足になるかもしれないが、同じようなことを長男にやろうとしていたことがあったことを思い出した。その時は、見事に3日坊主で終わった。子育てとは、3人いたら3様なのだ。だから、必ずしもこれを読んでいる悩める人に当てはまるわけではないかもしれない。私自身も、末っ子に同じ効果を期待することも、また、ナンセンスだということだということは心得ておかなければならない、でも試してみる価値はあるかもしれない。
 
私は、また、沢山の困難に直面して、理想とのギャップに苦しみながら、オンリーワンの選択肢しか選べないのだろう。だから、子育ては、大変でおもしろくて、飽きないんだ……と言い聞かせるしかない。
 
このピンクのノートに積み重なる沢山の言葉たちが、いつか長女の『伝家の宝刀』になりますように。
 
 
 
 
***
 
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2020-10-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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