fbpx
メディアグランプリ

サービスは何ピースのパズルなのか


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:石渡泰裕(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「私たちがあったらいいと思う物を作りました」
そう語る彼の顔はとても嬉しそうでした。
 
最近、引越しのために物件を見に行った時のことです。
いくつかの条件を伝え、彼は自分が設計から携わった新築物件を紹介してくれました。
新築なので、部屋がキレイなのはもちろん、設備も充実していて、それだけでも魅力的に見えました。
 
設計から携わっていただけあって、ただ機能の紹介だけではなく、
「通常、ここはドアになっていますが、部屋を最大限に広く使えるように引き戸にしました」
「レールを入れるとコストも上がりますが、十分に収納ができるように、この作りにしました」
と、彼は一つ一つ、なぜこのような作りになっているかを教えてくれました。
 
「そこまで考えられているのか」
彼の話を聞きながら、一つ一つに込められている想い、どんな配慮がされているかを知り、感動がありました。そして、そのことを知らなければ、感動に触れることはありませんでした。
そんなことを思いながら、私は数年前に働いていたレストランでサービスの奥深さを感じた事を思い出していました。
 
私が働いていたお店は、席数はカウンター合わせて20席程、キッチンからフロアが見えるオープンな作りのお店で、料理の盛り付けなどの調理補助、ホール業務など、いくつかの仕事を同時に学ばせてもらいました。
 
このレストランでの私の最初の仕事は、ホールの準備でした。
テーブルセッティングは綺麗に並べれば良いと思っていましたが、とても緻密な仕事だと知りました。テーブルセッティングについて、スタッフの人に教えてもらい、同じようにセッティングをしてみました。スタッフの人にチェックしてもらうと、どれも手直しが入りました。綺麗に並べるだけでは大事なことが抜けていました。
 
それは、お客様が使う時のことを考えていなかったことでした。スタッフの人は、どこに何を配置することが一番使いやすいか、テーブルに座った時にどう見えるのかを考えて置いていることを教えてくれました。試しに、席に座ってみると、まるで一つの作品を仕上げるように丁寧に置かれている事を感じることができました。お客様に何かを提供する前から、サービスはすでに始まっていたのでした。
 
お客様が来店されれば、ホールでの接客から始まり、ドリンクや料理の提供など、多くのサービスを提供していきます。その中で、とても驚いたのは、料理を最も美味しく食べていただくために、全く知らなかった準備がありました。
 
学生の頃、他のチェーンのレストランで働いていた時は、加工食品や事前に作って保存されている料理も多く、提供する迄の時間はそれほど長くありませんでした。このレストランでは、オーダーが入ってから準備がする工程が多くあり、オーダーを受けたら、最初に提供する一品だけでなく、メインの料理まで考えて準備が行われていました。
 
例えば、肉料理の場合、下味をつけたり、調理している工程だけではなく、食材に触れていない時間がより美味しく提供するためのポイントであったりしました。
お肉は、調理されるまで冷蔵庫で保管されていますが、冷えたお肉を熱すると、外側から温度が上がり、中心部に熱が伝わるまでに少し時間差があります。高い温度で調理すれば、外側だけ一気に温度が上がり、中心部を狙った温度にする頃には、外側の温度が上がり過ぎて、肉質が固くなってしまうのです。低温で調理すれば、外側の温度が上がり過ぎず、中心部との温度差を少なくすることはできますが、調理に時間がかかってしまいます。
 
そのため、肉に火を入れる前に、冷蔵庫から取り出して一定時間置いておくことで、肉の温度を上げ、狙った温度に上げるまでの時間が短く、先程の問題を解消する準備をしているのでした。
 
また、食材の準備だけではなく、適切なタイミングで料理が提供されるように、スタッフが連携して準備していました。ホールのスタッフがお客様の料理の進行状況を伝え、それを聞いた他のスタッフが提供時間を逆算して、料理の準備をしていました。
 
これが、一組なら準備はそれほど大変ではないのですが、複数のお客様の様子を見ながら準備を進めていきますし、食事のペースは一定ではないので、常に状況を見ながら対応が必要でした。それは、複数の電車が同時に走っていて、どこかで遅延が発生すれば、常にダイヤを組み直しながら、他の路線とも連携を取りながら、全ての電車を滞りなく動かしているようでした。
 
そして、提供される料理が最適な状態で提供されるために、温かい料理は温かい状態で提供されるようにお皿を温め、冷たい料理は冷たい状態で提供されるようにお皿を冷やして器にも準備があり、一つの料理を提供するのに、これだけのことが裏側で準備されているのかと思いました。
 
これらのサービスは、レストランで提供されているサービスのほんの一部ですが、いくつものパズルのピースが組み合わせて、そのお店のサービスが提供されていることを知りました。是非、口に入って来る料理の味だけでなく、食器の温度、形、配置など、今まで気づかなかった一つ一つのピースを探してみてください。そのピースは、レストランで過ごす時間の楽しみや感動を増してくれることと思います。
 
***
 
 
 
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
 

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

 

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325


■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」

〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984


2020-11-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事