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記録する理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:伊藤朱子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
朝、着替えをしている時、今日は何を着ようかと迷うことはないだろうか。
迷うほどたくさんが洋服があるのかといえば、そういうわけではない。でも、なんとなく決められない。
特に女性は、毎日の服選びに悩む人もいるのではないかと思う。
 
今日という日が特別な日であるのであれば、特別な日の服を選べばいい。簡単なことだ。
でも、今日は特別な日ではない。日常の延長であるその日の服は決める要因は何なのだろう。
 
もちろん、その日の「天候」もある。
その日の「予定」も要因だ。
そして女性なら特に、その日の「気分」は重要だろう。
 
私は、今から約5年前、毎日の服装を手帳に記録をしていたことがある。
何がきっかけで記録しようと思いついたのか、明確に覚えている。そして、その記録は約1年3ヶ月続いた。
 
記録をするきっかけは、一昨日の服装が思い出せなかったことだ。前日の服装は思い出せる。だが、たった2日前の服装が思い出せなかった。正確に言うと、思い出すことはできたが、それにはとても時間がかかったのだ。当然だが、1週間前に何を着ていたのかなんて、かなり難しく、思い出すことができない。
 
そもそも、1週間前の服装を思い出す必要があるのか、ということだが、記録をつけようと思ったその時の私は、その必要があると感じていた。
 
例えば、仕事の打ち合わせがある朝、前回の打ち合わせとは違う服装でいきたいと思う。しかし、前回の打ち合わせの際に着ていた服が思い出せない。
曖昧な記憶をたどり、「確かこの服は着て行かなかったはず」ということで、その日の服を決める。これではその当日の服を決めるのに時間がかかる。
 
Apple 社の元CEOのスティーブ・ジョブスやFacebook社のマーク・ザッカーバーグを始めとする有名な経営者が、同じ服をたくさん持っていて毎日同じコーディネートにしていることは有名な話だ。同じ服にしている理由としては、「決定する事項」を減らすため、と言われている。経営者は日々多くのことを決定しなければならない。どんな小さなことでも「決定する」にはエネルギーを使うことになる。だからこそ、「経営者が決定しなければならない重要なこと以外の決定事項」を減らすことで、エネルギーと時間の負担を減らすということのようだ。
同じ服を着て毎日過ごすことで、洋服を選択する時間の節約と決定の回数を減らす意味があり、多くの経営者が実践している。
 
私は毎日同じ服装でいられるほどストイックではない。可能な限り自分の気分に合う服を選びたいし、もちろん、TPOに合わせた服装をしたい。
 
それで、毎日服装を書き留めておき、そのメモを見ることで、前回の打ち合わせの際の服を思い出すという作業をなくすことができる、と考えたのだ。
前回の打ち合わせの服装がわかれば、それ以外のコーディネートをすればいい。同じ内容にならない上で、その日の気分や状況に合うものを選ぶことができる。打ち合わせの服装に迷う要素が一つ減ったことになる。
 
この「その日の服装を記録する」には様々な効果があった。
一番の狙いだった、前回打ち合わせと服装がかぶらないということは当たり前だが、
それ以外にも思わぬ効果が現れたのだ。
 
まずは、記録が進むにつれて、コーディネートのパターンが見え、そもそものコーディネートに迷わなくなったこと。振り返ると、「好きな組み合わせ」というのがあるのがわかり、その組み合わせをしていれば、安心できることがわかった。
 
もう一方で、好きな組み合わせばかりがパターン化しているということがわかったので、もっと違う組み合わせができないか、考え出したとことも大きな発見だった。
時間を見つけて、「いつもと違う組み合わせ」を試してみたのだ。それは新しい洋服を購入するときにも参考になる。
 
そして、私がどんな気持ちで洋服を選んでいるのか再確認することができた。
手帳にはその日の予定も書いてある。1日社外の人との打ち合わせがなく、仕事場での時間が多い時とお客様に会う日は、明確に選ぶ服が違う。
その上、お客様の好みや打ち合わせの内容によって、服装を選んでいることもわかった。
 
例えば、お客様が割とカジュアルな服装が多い場合には、私もあわせて少し柔らかめの雰囲気にする。打ち合わせの内容がかための話だから、雰囲気を作るために服装もカチッとしたものにしよう、など。
強く意識していたわけではないが、自然とそんなことを考えながら選んでいることが確認できたのだ。
 
服を選ぶという行為は、自分の演出、プレゼンテーションの一つとして考えて行っている場合もあると思う。その一方で、実はその日に会う相手を思い、していることでもあるのかもしれない。そんな風にも思えた。
 
「記録」は、ただ自分の記憶を補うために始めたことかもしれないが、自分そのものの好きものや行動のパターンを振り返るきっかけとなった。
洋服に限ったことではなく、何かをきちんと記録しておくことはそれなりの効果があるのではないかと思う。
 
記録を止めてから、またそれなりの月日が流れた。
なぜ服装の記録を止めたのか、きっかけは思い出せない。手帳のある日から、それまで欠かさず付けられていた記録がなくなっているのだ。
 
最近、また、朝、洋服を選ぶのに迷うようになった……。
 
そうだ、また、記録することを始めてみよう。
きっと、5年前とは違う発見がある。
記録して確認することは、今の自分を振り返る一番の方法に間違いない。
そして、今度記録を止める時は、その手帳の隅に、記録を止める理由もちゃんと書いておこう。
記録をやめたその理由が、「その時の私」を一番あらわしているはずだから。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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