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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:棚橋愛(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
私の趣味は買い物だ。
仕事帰りや休みの日に街へ出て、買い物を楽しむのが生き甲斐だといっても過言ではない。
しかし、コロナ禍をきっかけに楽しみ方がガラリと変わった。
一体、どう変わったというのか。
 
2020年4月に緊急事態宣言が出され、休業を余儀なくされたお店のスタッフたちは次々にSNSのライブ機能を使った配信を始めるようになった。
彼らはスマホやPCの画面に向かって自分たちの商品をプレゼンし、その配信を見て品物を気に入った人はその場でスマホやPCなどから注文する。
 
これには発信者にとって多くのメリットがある。
ウイルスへの感染リスクを気にせず営業活動ができるのはもちろんのこと、一度に多くの人に向けてのプレゼンも可能。さらに、実際かかる費用は通信費だけなのでコストも低くて済む。
 
逆に、配信を見る側にとってのメリットは何か。
それは、ライブを視聴すれば普段はなかなか足を運ぶことができない遠方の店でも、移動時間や交通費をかけずにその店の品物を見ることができることが挙げられる。
さらにはライブのコメント機能などを使うことで、画面越しにスタッフに質問をしたり、要望を出したりすることもできるので、実店舗と同じようにコミュニケーションを取ることも不可能ではない。
 
ほかにもまだ良いことはある。
それは、ライブが未知の世界につながる扉にもなり得るのだということだ。
私自身の経験がいい例えになるのでここで紹介したい。
 
以前から私は、万年筆が欲しいと思い続けていたが、なかなか店舗へ行くことができなかった。その理由の一つは、敷居が高そうで近寄りがたいイメージがあったから。
 
文具店の中にある万年筆売り場は、玄人が集う場所というイメージがあった。だから小心者の私はいつも足がすくみ、遠くからその光景を眺めることしかできなかった。
ところがある日偶然目にした、とある文具店のライブ配信が運命を変えた。
 
そのライブは文具店で万年筆売り場を担当しているという女性スタッフがおすすめ商品のスペックや使い心地を説明するものだった。
私は彼女の話にすっかり惹きつけられて、気が付けばスマホを両手でがっしりと掴んで画面の向こうを凝視していた。
一通りの説明が終わった後、スタッフが視聴者に向けて「何か質問はありますか?」と呼びかけたので、ちょっとだけ勇気を出してコメントを送ってみた。
「これから万年筆を買おうと考えています。最初に買うのはどんなものがいいでしょうか?」と。
 
コメントはスタッフの目に留まり、「初めての万年筆でしたらこちらがおすすめですよ」と言いながらディスプレイ棚から1本の万年筆を出し、画面に映した。
彼女はその万年筆が初心者に向いている理由を、時間をかけて丁寧に説明してくれた。その話を聞いて十分納得し、私はその万年筆を通販サイトから注文した。
 
ほどなくしてうちに届いた万年筆は、まるで私のために作られたのか? と思えるほど手にフィットしていて、もう手放せなくなった。だから今でも毎日、この万年筆で日記を書いている。
この出合いをきっかけにして、私は万年筆の世界にズブズブとはまっていくことになった。いわゆる「沼にハマる」というやつだ。
その後、緊急事態宣言が解除されてから、あれだけ避けていた実店舗へ行くようにもなった。高いと思っていた敷居が、実はそんなに高くないとライブを見てわかったので、抵抗なく足を踏み入れることができた。
 
ライブが役に立ったのは万年筆だけではない。
パソコンが入る通勤用のリュックが必要になったときは、バッグメーカーの広報担当者が配信したライブを活用した。リュックの容量を説明するのに、実際に荷物を入れてみて、どれだけ入るのかを教えてくれたことが役に立った。
また、アイシャドウも美容部員が使い方を実演する動画を配信してくれたことで、実際の接客を受けなくてもその商品のことが理解できた。
 
リュックもアイシャドウも、これまでは必ず実店舗で実物を見て選んでいた。けれども、ライブでスペックや使用感をチェックすることができたおかげで通販でも「ハズレ」のない買い物をすることができた。
むしろ、家でじっくり冷静に考えて選ぶ時間ができたので、衝動買いがなくなってより堅実な買い物ができるようになった。
 
店舗でスタッフの話を聞きながら、実物を見て品定めすることが大好きだったが、ライブを見てじっくり選ぶという新しい楽しみができたのはコロナ禍の副産物だと言えそうだ。
 
そういえば先日、こんな話を聞いた。
中国でもこういったライブ配信を利用して消費者に購買を促す活動が盛んだというが、日本のそれと違うのは企業や商店ではなく個人が発信しているという点だ。
ざっくりと説明すると、個人が品物を仕入れ、それをプレゼンする動画を自分で撮ってネット配信し、販売するというもの。ジャパネットのテレビショッピングのようなものを自分だけで制作して配信するようなものだ。
うまくいくと数時間で億単位の稼ぎを得ることも可能なのだとか。
 
いつか日本でもそんな動きが活発になる日が来るのだろうか。
どうせなら私が始めてみようかな?
でも一体、何を売ればいいのだろう……。
 
 
 
 
***

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2021-01-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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