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締め切りは、神様だ! 


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記事:田岡一宏(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「はぁ~、明日が締め切りか~」
当時、社会人2年目の私はため息ばかりついていた。
 
プレゼン資料の締め切りが明日に迫っていたのだ。部長も出席する大切なプロジェクト会議の資料なのに! 面倒だなと思う気持ちばかり先行して、一向に手を付けられないまま前日を迎えてしまったのだ。夕方になって、やっとエンジンがかかり始めた。今回も徹夜になりそうだ……
 
小学校の時からそんなことを繰り返していた。締め切り間際に始めて、ギリギリに提出する。しかも、締め切りギリギリまで時間をかけても、提出物の出来は高いとは言い難いものだった。時間がかかった割にその品質も並以下となると、上司からの評価も並以下だった。この状況を何とか打開したかったが、悪い循環を断ち切るきっかけがつかめず悶々としていた。
 
締め切り日に資料を提出して徹夜でヘロヘロになっていた私を見かねたのか、社会人8年目のS先輩が声を掛けてくれた。「いつも締め切りギリギリだね。体調悪そうだけど大丈夫?」
「マジ、きついっす。締め切りが無ければこんなつらい思いをしなくても済むのに!」徹夜明けで、脳みそがぼーとする中、大人気ない発言をしてしまった。
 
「自分の事棚に上げて、締め切り様のせいにしたら、罰が当たるぞ!」
えっ! 締め切り様って何! びっくりして聞き直した。「先輩、締め切り様って言いましたよね!」
 
「言ったよ、ありがたいものだから、締め切り様と呼んでる」
締め切りがありがたいって、どういうこと? こっちはいつも苦しめられているのに! 「先輩、どこがありがたいのですか!」
 
「締め切りがあるからこそ仕事が前に進むんだ。締め切りがなかったどうだい? 今回の資料作りは永遠にやらなかったよね、そしたらプロジェクトも前に進まないよな! だから、物事を先に進めてくれるありがたい存在なんだ」
そういわれれば確かにその通りだ! 説得力がある。感心していたらS先輩が畳みかけてきた。
 
「締め切り様を味方にすると、仕事が楽に早くこなせるぞ」
S先輩は仕事が早いことで社内では有名だ。是非その方法を聞いてみたいと思った。「どうやったら、締め切り様を味方に出来るのですか?」
 
「簡単だよ。締め切り様に早く来てもらうんだよ」
よくわからない。とんちんかんな顔をしていたら先輩がすかさず
 
「締め切りを<本当の締め切り>の前に設定し直すんだよ。ポイントは、締め切りを自分で決めることなんだ。何日前に設定してもいいよ」
締め切りを早めると締め切りが守れる? 腑に落ちない、考え込んでいると先輩が続けて言った。
 
「もう1つポイントがあって、少しだけ手を付けてみることなんだ。資料を作るなら1行でも1文字だけでもどんなことでもいいから、とりあえず書いてみること」
締め切りを早めることに不満を感じながらも、仕事の早いS先輩の言うことなので、信じてやってみることにした。
 
「締め切り様」のご利益は早々にやってきた!
 
不思議なことに締め切りを自分で設定すると、「仕事をやらされているという気持ち」をあまり感じなくなり、おかげで前向きな気持ちで取り組めるようになった。しかも、少しだけ手を付けることで、もう少しだけ手が付けられるようになった。1行書くと次の1行のヒントが頭に浮かんでくるようになったのだ! さらに、本当の締め切り前には、必ず仕事が片付いていて、気持ちにゆとりを感じるというおまけまでついてきたのだ。
 
1石3鳥! 「締め切り様」のありがたさをひしひしと実感している。仕事の上で繰り返していくうちに「あいつは、必ず締め切り前に出してくるようなった、これで安心して仕事を任せられる」と失ってしまった上司からの信頼も挽回できたような気がしている。
 
気分が乗らない仕事の時も自分で締め切りを決めることにより仕事が進むようになった。今では、「締め切り」と聞くだけで、ありがたくて拝みたくなるようになった。
 
「締め切り様」のご利益の範囲は広い。
読書にも応用している。本が大好きなので本屋に行くと、あれもこれも興味がわいて買うのはいいが、「積読」になっていた。「積読」になってしまった本は、結局読まないまま年末の大掃除の時に古本屋に行くのがこれまでの定番だった。何とか本を読む方法はないかと思案した。そこで思いついたのが「締め切り様」だ。
 
締め切りをつくればいい! 図書館だ! 返却日という締め切りが決まっているので読めるんじゃないか! 狙いは当たった。図書館で借りた本でも何日かは「積読」にはなるが、返却日が迫ってくると何とか時間をつくって読むようになったのだ。読書ライフも充実してきた。「締め切り様」ありがとうございます!
 
実は、今回のライティング講座でも「締め切り様」のご利益を頂いている。
課題の2000文字と言う私からすれば気が遠くなるような長文も「締め切り様」のお陰で、内容はさておき、なんとか締め切りに間に合うように提出できている。「締め切り様」助けてくださって、本当にありがとうございます!
あなたも締め切りを「締め切り様」とありがたく受け止め、味方につけてみませんか?
 
 
 
 
***
 
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2021-01-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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