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青春は、大人になってからでも遅くない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:KATO RISA(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
同じような夢を何度も見た。
 
舞台は学校。
 
私はいつも焦っている。
 
教室で、突然前の机のクラスメイトから
 
テストの問題用紙がまわってくる。
 
あ、今日はテストだ。
 
どうしよう、何も勉強してない……
 
考えても考えても、全然分からない……
 
答案用紙には何も書けないまま、
 
時間だけが過ぎていく。
 
キーンコーンカーンコーン。
 
チャイムが鳴る。
 
最悪だ、何も解けなかった……
 
ハッとして目が覚める。
 
あれ、夢か……
 
そっか、私はもう学生じゃないし、
 
教室でテストを受けることはない。
 
ああ、良かった。
 
なのに、どうしてこんな夢をみるんだろう?
 
しばらくして、忘れた頃にまた同じような夢を見る。
 
子どもの頃に習っていたピアノの発表会のステージに
 
突然立っていて、何もひけなくてひたすら困っている私。
 
小中高と続けた合唱部。本番のステージで、
 
私だけが演出や歌を知らず、慌てて口パクをする。
 
実際の学生の頃は、比較的真面目なほうだった。
 
テスト勉強は2週間前から自分で計画を立ててそれにそって勉強していたし、
 
部活をさぼったこともない。
 
なのになぜ、こんな夢を、しかも大人になってみるんだろう……
 
夢占いを検索してみた。
 
「戻る夢」の基本的な意味は、
 
何かをはじめからやり直したい、過去に対して後悔をしていること。
 
おお…… これにはちょっと心当たりがある。
 
勉強は真面目に取り組んでいたけれど、どこかで本気になりきれず、
 
大学受験では志望校に受からなかった。
 
高校生の時にはいっぱいいっぱいだったけれど、
 
後から振り返ってみればもっとできることがあったと思う。
 
部活も習い事もさぼらずに行っていたけれど、
 
自主練はほとんどしていなかった。
 
楽しんでいるというよりは、みんな部活や習い事を
 
しているし、という義務のような気持ちだったような気もする。
 
恋愛も、好きな人がいても話しかけることもできず、
 
ただ見ているだけで終わっていた。
 
仲の良い友達はいたけれど、本気でぶつかったり喧嘩したり
 
したことはなかった。
 
私、全然青春してなかったんだ……
 
勉強でも、恋愛でも、趣味でもなんでもいいから本気になりたい。
 
そんな気持ちが見させた夢なのかもしれない。
 
そういえば、大人になってからの私は
 
「現状維持」を好んでいた。
 
仕事も昇進は希望せず、今の立場で、責任はそこそこに、
 
自分の仕事をしていたい。
 
好きなアーティストのライブに行くのが楽しいから、彼氏も今はいいや。
 
新しい人と知り合うのは面倒だから馴染みの友達とごはんに行こう。
 
そんな日々は、楽で、そこそこに楽しかったが、得られる気持ちも
 
そこそこだった。
 
そんな私に喝をいれるような夢だ。
 
現状維持はやめよう、と吹っ切れた。
 
大学の時にやってみたい、と思っていたのにやらずに終わってしまった
 
アカペラを始めてみた。
 
アカペラは、楽器を使わずに声だけで演奏をするもので、
 
「ハモネプ」で人気になった音楽だ。
 
「社会人サークル アカペラ」
 
と検索して、出てきたサークルに一人で飛び込んだ。
 
10代から50代以上まで、幅広い層の人達が所属していて、
 
年齢も性別も関係なく、堂々とステージに立つ姿に震えた。
 
学生時代の時には当たり前のように立っていたステージも、
 
大人になってみれば、すごく特別で、非日常的な空間だ。
 
最初は、緊張、恥ずかしい、素人の自分の歌を聴いてもらうなんて……と
 
思ったが、いざステージに立つと、
 
楽しい、もっと歌いたい、という高揚感で胸がいっぱいになる。
 
学生の頃は義務のようにやっていた部活や習い事。
 
大人になってみればどれだけ貴重な時間だったろうと思う。
 
ちょうどその頃、仕事でも昇進の話があった。
 
チームのリーダーとなり、売上予算に向かって数字を管理、責任を持つ役目を
 
命じられた。
 
絶対に無理、私はリーダーシップがないから…… と必死で上司に
 
言い訳していたが、いざ任されてしまえば、今までにない仕事のやりがいがあった。
 
後輩の指導をしながら自分も営業をして結果を出さなければならない
 
プレッシャーに苦しくて、泣きそうになる日もあった。
 
でも、それを超えて目標達成した時、後輩が昇進していく時の喜びは何にもかえがたい。
 
今思えば、現状維持ってなんてつまんない言葉だろう、と思う。
 
そこを一歩超えて、やってみたいけどやらずにいたこと、
 
できないと自分で決めつけていたことに挑戦してみれば、
 
何か見えてくるものがある。
 
もしかしたら、親や友達の目、義務感が少ない大人のほうが、
 
もっと自由に、もっと自分の青春を楽しめるのではないだろうか。
 
そうはいっても、自分に甘い私は、ずっとこのモチベーションを保てるわけではない。
 
大人の塗り絵、ペン字、折り紙など始めてみたもののすぐに飽きてしまったものもある。
 
本だけ買って勉強していない資格もある。
 
仕事も、現状に疲れて、これ以上は頑張れない、今が精一杯、と思ってしまうことも
 
多々ある。
 
今でも時々、あの学生時代の後悔の夢を見ることもある。
 
だけど、無理はしなくていいと思う。
 
大人だからこそ、自由に。
 
自分の気持ちに素直に。
 
おばあちゃんになっても「やってみたいこと」を絶やさない。
 
おばあちゃんになっても青春を感じる。
 
それが私の人生の目標だ。
 
 
 
 
***
 
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2021-02-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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