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置かれた場所より、好きな場所に行って咲こう


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:岩槻まなみ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「人は何歳からでもチャレンジできるんですよね!」
 
子育てが終了した40代後半、私は生きがいを求めて「何か」を探していた。
社会人経験は独身時の3年間しかないけれど、その後は家事と子育ての専業主婦経験しかないけれど、世の中にはきっと私だからこそ出来る「何か」があるはずだ。できればその「何か」は人の役に立って、収入を得るものであってほしい。
そこで、持て余す時間を武器にいろいろなセミナーに参加してみた。話し方教室、FP(ファイナンシャルプランナー)セミナー、パソコン教室、心理カウンセリングセミナー等々、世界は知らないことだらけだ。学ぶって楽しい。知らなかったことを知れるって幸せだ。
そして、なんと言ってもスゴイのが講師だ。どの講師も、多くの受講者にスキルと希望を与える。なんて素晴らしい仕事だろう! 50才からでも講師になれる? いやいや「年齢は関係無い!」ってどの講師も言っているじゃないか。
私は「何か」を見つけることができたと思った。講師というキラキラ光る道が見えたと思った。
 
「そんな高望みしないで、まずはスーパーのレジとかのパートでもしてみたら?」
 
「夢を叶える」というセミナーに参加した時のことだ。隣に座った男性と自己紹介がてらお互いの夢を語り合った後、男性からこんな言葉を投げつけられた。
えっ? 私は言葉を失った。人は何歳からでもチャレンジできるんでしょ。あなたも夢を叶えたくてこのセミナーに参加したんでしょ。
 
「しかも、企業研修に特化した講師になりたいなんて、経験や実績がないと無理だよ」
「岩槻さんは何ができるの?」「強みは何?」「何が売りなの?」
男性からの質問に、何一つ答えることが出来なかった。
社会人となった子ども達から、会社や上司のグチを聴くたびに、楽しく仕事をして欲しい、働く楽しさを知って欲しい、そんな想いで頭がいっぱいになっていた。
自分の子ども達だけでなく、若い人みんなに仕事を楽しんで欲しい。一人で苦しんで心と身体を痛めて欲しくない。企業研修講師になれば、この想いが伝えられる! と思ったのだ。
 
「専業主婦のあなたが、企業の課題を解決できると思う?」
男性の言うとおりだ。何歳からでもチャレンジできるってウソじゃん。あ、そうか。実力と実績があれば、何歳からでもチャレンジできるってことなのか・・・・・・。
現実という高い壁の前では、私は無力だ。無力なことくらい誰よりも知っているつもりだったが、けっこう落ち込む。
 
置かれた場所で咲くべきなのか。自問自答してみた。
働く経験としてレジのパートを選ぶ。いや、それは違う。意味が無いと感じる。
私は学ぶ事が楽しいし知らなかったことを知れることが本当に嬉しい。学んだことを基に、誰かの役に立ちたい。若い人達に楽しく働いてほしい。企業研修の講師になって多くの人の役に立ちたい。
そうだ! これが私の進む道だ。誰に何を言われたって、無理だって言われたって、それでも「企業研修講師」を目指したい。
 
「人は50%は遺伝子によって、50%は環境によって決まる」
 
私が尊敬する脳科学者の言葉だ。
いまさら遺伝子はどう足掻いても仕方が無い。ならば環境を変えてみよう。
まずは、まだ講師ではないけれど、講師だけのコミュニティに参加してみた。
そこには日本中で活躍する多くのセミナー講師、企業研修講師が在籍していた。圧倒されるほどカッコいい雰囲気を持つ講師がたくさんいる。
活躍している講師ほど懐が大きいということが分ってきた。私のような未経験者に対しても対等に接してくれる。決してバカにせず丁寧に情報提供してくれるのだ。
 
「キャリアや実績がないなら本を出せばいいよ」
パンがなければケーキを食べれば良いのよ。みたいな軽い口調でアドバイスをもらった。
その時の私は、驚きのあまり目が点になり埴輪のような顔をしていただろう。講師は本を出している人が多い。出版は当たり前のことのようだ。
「大丈夫。企画書の書き方教えてあげるから。本があれば実績になるから、企業に入りやすくなるよ」
本を出せるのは雲の上の上の上の特別な人だからだと思っていた。環境によってこんなにも考え方が違うのだと、私は埴輪顔のままその講師の言葉にうなづいた。
 
学生の頃、400字詰め原稿用紙を3枚埋めるだけでヒーヒー言っていた私が、何百倍もヒーヒー言いながら7万字を書いた。2018年4月に商業出版することができ、その後すぐに研修講師デビューが決まった。有り難いことに現在、講師歴3年目となる。
マリーアントワネットのようなセリフを言った彼は、私のメンターになってくれた。
環境を変えるって凄い威力だ。多くの活躍する講師と出会い、メンターにも出会わせてくれた。
 
ほんの数年前まで、無力なくせに夢ばかり追いかける自分が情けなかった。おそらく置かれた場所にいたら、今でも無力さを嘆いていただろう。
でも、好きな場所に行って環境をかえたら、夢に近づくことができた。もちろん無力を感じることはある。それでも学ぶことは楽しいし好きな環境だから頑張れる。
これからも好きな場所で楽しみながら咲いていたいと心から思った。
 
 
 
 
***

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2021-02-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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