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ヘタレな部下を成長させる、ボスの〇〇〇〇


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:こやまともこ(ライティング・ゼミ スピード通信クラス)
 
 
「じゃあさ、ともちゃんがやればいいじゃん♪」
10歳年下の彼女が、メッセンジャーグループに投げかける。
「私って、天才!」といわんばかりの勢いで。
 
「白い羽の付いた矢」が、とんでもないところから飛んできた。
 
彼女は、当時私が所属していた社団の代表理事。
そして、私が事務局長をしていた起業塾の主宰。
年下ではあるが、れっきとした私のボスである。
 
「ともちゃん」といわれ、うっかり自分のことかと思ってしまった。
しかし、さすがにそれはないだろう、と思い直す。
「ちなみに、それ、私のことじゃないですよね」
 
私の問いに、ボスからすぐに返信が。
「あ・な・た、だよ。ここに“ともちゃん”は、あなたひとりだよね? ほかにいる?」
 
まーーーーじーーーーーかーーーーーーーっ!!!
「白い羽のついた矢」は、おでこにがっつり刺さっていた。
 
時は数年前、秋。
とある大きなイベント。
ボスが手配した「司会者」が、急病で出演できなくなった。
 
イベントの「メイン司会」は地元のタレントさん。
ボスが手配していたのは、サブ司会、つまりアシスタント。
風邪をこじらせたらしく、声が出ないという。
 
「いろいろ」とツッコミどころ満載だが、今はおいておく。
なにしろ開催は、2日後の日曜日。
あれこれ言っている時間は、ない。
 
ボスは、ブライダル司会者を派遣する会社を経営している。
その会社に所属する他の司会者も、全員すでに仕事が入っている状態。
ピンチヒッターが見つからない。
 
ヤバい!
超絶ヤバい状況。
 
この危機的状況に、私にはなすすべもない。
私は「プロの司会者」じゃないし、司会者の知り合いもいない。
助けられることはなさそうだ。
 
「大変だあ~」と、なかば他人ごとだった。
なのに、である。
 
「ともちゃんさー、ラジオのパーソナリティやってるじゃん?
この前LIVEのMCもやったんだよね?
司会できるよ、ともちゃんなら!」
 
はい、来た!
いつもの無茶ぶり。
 
彼女のいうとおり、この時私は、インターネットラジオでパーソナリティをしていた。
とはいえ、契約すれば誰でも番組を持てるし、特別なトレーニングを受けたわけでもない。
 
LIVEの司会をしたといっても、アマチュアバンドの集まるイベント。特に必要ないのに無理やり立たされて、むしろ転換(バンドの入れ替え)の邪魔になったのでは? のレベル。
 
めちゃくちゃ光栄なことだけど、私に務まるのか?
いや、そもそも私がやっていいのか?
疑問が胸に湧く。
 
ボスは、さも軽いノリで思いついたように言うけれど、そういうわけでは決して、ない。
この人は、仕事に本当に厳しいし、めちゃくちゃシビアだ。
 
しかも、イベントの規模が大きい。
万一のことがあれば、いろいろな方に迷惑をおかけする。
そのあとの「仕事」や、仕事がらみの「人間関係」にも大きな影響を受ける。
 
私でなく、ボスが。
 
けれど、である。
ボスの無茶ぶり、また出たよ。
 
この人は、出会ったときからそうだった。
 
「ともちゃんの文章好きだから、社団のFacebookページに原稿書いて~」という。
「講師認定試験に合格したら、だけどね」と。
 
当時、社団の「Facebookページ」なんか、ない。
彼女の言葉を“翻訳”するとこうだ。
「Facebookページの作成。方針を考え、原稿を書き、定期的な社団の情報発信」
それを新人講師にやらせようというのだ。
 
あたかも「ちょっと、ラブレターの代筆してくれない~?」くらいのノリで言う。
細かい指示なんてものは一切、ない。
 
またあるときは
「ともちゃん、『ランチ会』やってみたいんだけど、どう思う?」とボスがいう。
「いいんじゃないですか?」と答えたら、
「じゃ、お願いします♪」と返って来る。
 
いやいや、おかしいでしょう、会話の「流れ」
と思うが、仕方ない。
企画書作って、店予約して、告知文作って、集客して、進行考えて、実施した。
 
あれ? できた。
 
「ともちゃん、今度〇〇先生の起業塾受けるんだけど、一緒に受けな~い?」
といわれ、半年コースを共にする。
 
半年後。
「ともちゃ~ん。ともちゃんが事務局やってくれたら、私、起業塾できそうな気がするぅ♪」
という。
 
もう、この人は! うまい!
人を……イヤ、「私」を動かすのがうますぎる。
 
手さぐりではあるが、「事務局」として枠組みを作っていく。
申込の仕組みを作り、毎回の会場を押さえる。
カリキュラム等はボスが自分でやるから、私は裏方に徹する。
 
何もないところから、形にしていくのは確かに大変だ。
けれど、形になったときの喜びは格別である。
彼女はきっと、私のその性格を見抜いていた。
 
唐突だし、無茶ぶりだけれど、絶妙なのだ!
(能力的に)私が絶対にできない、ということは指示しない。
この人がいうなら、私にもできるかもしれない、と思わせる何かがある。
 
くだんのイベント。
 
結局、私が担当させていただくことになった。
本当に大変だったけれど、それ以上に楽しかった。
 
もちろん、「現場」でも「マジかーーーーーっ!」と思うことはいくつかあった。
そんなの、どの「現場」でも起きることだ。
「臨機応変な対応」が求められるし、それをするのが「プロ」だ。
 
なんて、かっこいいことを言っているが、現実はなかなかの綱渡りだ。
「臨機応変な対応」を求められても、動じない風を装うが、内心はヒヤヒヤ・ドキドキ。
 
けれど、「余裕のよっちゃん」でこなせる仕事ばかりしていては、成長しないのだな、と思う。
 
無理無理無理(涙)……と思いながらも、なんとかその場をしのぐ。
しのぐだけでなく、もちろんお客様に満足していただけるサービスを提供する(よう努力する)。
そこは外せない。
 
ボスは、涼しい顔して「できるよ~、ともちゃんなら♪」と無茶ぶりするけれど、内心は、「万一何かあれば、自分が腹を切る」みたいな覚悟をしていたんじゃないかと思う。
口にはしないけど。
 
「無茶ぶり」を受けて、業務終了の報告をボスにすると、こう言ってくれた。
「ありがとう。別に心配してなかったよ。ともちゃんならできると思ってたし」と。
 
無茶ぶり&丸投げと思っていたけれど、その実、手のひらで転がされていた。
 
ボスは多少無茶ぶりが過ぎる方が良い。
その方が、私のような「ヘタレな部下」は成長できるから。
 
いつも彼女は言ってくれていた。
「ともちゃんさ~、できる人なんだから。もっと自信もちなよ」
 
今はお互い別の道を歩いているので、接する機会はほぼない。
けれど、「あぁ、この仕事、私にはできないかも」と思うと、彼女の声が聴こえてくる。
 
「大丈夫、ともちゃんならできるよ」
離れていても、元ボスの“エア無茶ぶり”は続くのである。
そして、私は今も、ボスの手のひらで転がされながら、成長を続けている。
 
 
 
 
***

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2021-02-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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