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仕事に打ち込む宣言


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:risa(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
毎年夏になると同じような夢を見ます。
 
夢の内容はというと、高校生くらいの女の子たちがバレーボールをしていて
私は、その様子を観客席から、ただただ、ぼーっと見つめているといったもの。
 
そしてその夢から目覚めると、なんとも言葉にできないような、重くどんよりとした気分がしばらく続き、「ああ、またか」と、嘆くのです。
 
飽きもせず、こんな夢を見続けること、かれこれ十数年も経ちました。
 
私はこの夢にどんな意味があるのかを、インターネットで夢占い検索をしなくても分かります。
これは、私自身の、過去への後悔をあらわした夢なのです。
 
私は中学の時に、女子バレーボール部に所属していました。
そこは毎年全国大会出場が当たり前とされている強豪校で、私は中学3年生のときにレギュラーメンバーとして試合に出場し、全国ベスト16入りを果たしたりなんかもしていました。
 
そんな強豪校ですから、そこには、想像を絶すようよなバレーボール漬けの日々があったのです。
 
それはもう、来る日も来る日も、文字通り血反吐を吐き、ぶっ倒れるくらい練習を重ね(というかほんとにぶっ倒れました)、リアル『アタックNO.1』状態ですよ。
 
ちなみに、私の中学は中高一貫で、基本的にはエスカレーター式で高校にあがり、再びバレーボール漬けの日常を過ごすというのが通常のルート。
 
でも私は、通常のルートを逸脱した少数派の人間だったのです。
 
放課後、友達とコンビニに行ったり、カラオケに行ったり、プリクラをとったり……。
そんな、普通の女の子たちがしている、当たり前の青春にあこがれて外部の高校を受験しました。
 
朝4時に起きて、家に帰るのは10時過ぎ。
平日でも一日最低6時間以上の練習を行うバレー部なんかとさっさとおさらばしたかったのです。
 
そして夢にまで見た高校生活。
私は帰宅部を選択し、あの憧れのスクールライフをエンジョイしていました。
 
とにかく楽しくて、幸せで、毎日が輝いていたのです。
 
でも、高校2年生になった頃。
ちょうどその年の夏くらいから、例のあの夢を見るようになりました。
 
元チームメイトの同級生や後輩達はバレーボールをがんばっていて、自分はその様子を傍観する立場の夢。
 
夢から目覚めたとき、最初の頃は、バレーボールしていたころの自分が懐かしいな、くらいにしか思っていなかったのです。
 
でも、年々、その気持ちはなんとなく薄暗い、後ろめたいものへと変わっていきました。
 
エスカレーターで高校のバレーボール部にあがった、同級生や後輩たちの活躍を雑誌やテレビで耳にするたびに、あの夢を見ては、どうしようもないくらい後悔の念が襲ってきます。
 
特に夏になると毎週のように、その夢に悩まされます。
中学校の全国大会は8月に開催されたので、その時の思い出が強く残っているからでしょう。
 
(あぁ、あの頃の自分は頑張っていたな。自分はいま、何をしているんだろう……)
(なんであの時逃げてしまったのだろうか……)
 
夢を見た後は決まって、あの死ぬほど頑張っていたころの自分と比べ、現状、特に何も頑張っていない自分に嫌気がさし、自己嫌悪に陥ります。
 
そんな理由で、わたしにとって、それの夢は悪夢だったのです。
 
「どうやったらこの苦しみから逃げ出すことができるんだろうか……」
 
私は、年々、膨れ上がっていく過去への後悔とともに高校・大学と過ごしてきました。
 
そんな中、私に転機が訪れます。
 
昨年4月。
私の社会人1年目がスタートしました。
 
私が入社したのは、スタッフ全員、とてもエネルギッシュでやる気に満ち溢れた、私の第一志望の会社です。
 
右も左もわからない私は、いつも生き生きとした先輩・同僚たちの背中を見て、日々、がむしゃらに働きました。
時には、思い通りにいかず、自分の未熟さを痛感し、なんだか逃げ出したいと思うこともありました。
でも、新しいことを覚えたり、徐々にできることが増えていく感覚がとにかく楽しくて楽しくて……。
 
そんな充実した日々を過ごしていた実感はありました。
それでも、去年の夏も、あの苦々しい悪夢をみたのです。
 
目が覚めた時、いつものように未練がましい、あの憂鬱な気持ちで心が曇っていく感覚がありました。
 
しかし、そこでふと思ったのです。
 
いま、社会人生活がスタートして、「仕事」という、自分が本気で打ち込めそうなものを見つけることができたのだ。
 
じゃあ、目の前の仕事をがむしゃらに頑張って、頑張って、頑張って……。
 
バレーをしていた時よりも頑張って、人生で今が一番がんばっているという実感がわけば、あの過去への後悔を示す夢を見なくなるんじゃないか!
 
なぜなら、人は過去を振り返るとき、たいてい現状に不満があるときだから。
 
過去は変えることはできないけど、今を頑張ることで、未来の自分は、あのバレーをしていた時みたいに、いやそれ以上に輝くことができるんじゃないか! と。
 
「今を精一杯生きよう!」といったような、小説やドラマなんかでよく聞く、月並みのセリフの意味を、はじめて自分の中に落とし込んだ瞬間でした。
 
それからというもの、日々、がむしゃらに働いてます。
休みの日も、今まで読書をする習慣はなかったのですが、本を読んで勉強したり、セミナーに通ってみたりと。
 
今のご時世、ぶっ倒れるまで働くことは全く推奨されていませんので、もちろん体調管理も怠らないようには気を付けつつ。
 
高校・大学と私の怠惰時代を知っている友人からは「意識高い系にシフトしたの?」と小馬鹿にされたり、「暑苦しいね」と言われることもあるのですが……。
 
それでも、もう後悔しないために、今を必死に生きようと思うのです。
 
そしていつの日か、またあの夢を見たとき、
「あの時も頑張っていたな~」と笑えるようになればいいな、なんて思っています。
 
というか、もはやあの夢を見なくなる日が来たら、いいなと。
それは私が過去にとらわれず、今を全力で生きている証拠になると思うんです。
 
だから、来年の夏ごろ、いつものあの夢をみてどんな気持ちになるのか。
もしくは、もはやあの夢を見なくなるのか。
 
今から楽しみで待ち遠しくて仕方ありません。
 
みなさんの中にも、青春時代の後悔を抱えている方、いらっしゃるかもしれません。
まだ20数年しか生きていないペーペーの私が言うのもなんですが、私と一緒に今を精一杯生きて、過去にとらわれないくらい、今この一瞬を最も輝く時間にしませんか?
 
以上の理由から、これからも私は目の前の仕事を頑張ることをここに誓います。
ご清聴ありがとうございました。
 
 
 
 
***

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≪終わり≫


2021-02-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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