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住みやすさ故の住みにくさ


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記事:光﨑 智美(ライティング・ゼミ平日コース)
 
私は海外旅行が好きである。
大学生の頃から海外旅行に行くようになった。社会人になってからは長期休みが取れる時に一緒に行ってくれる友達を探し、予定が合う友人がいなければ、一人でも行きたい場所の候補から行ける場所を選んでは行っていた。
昨年は6月に友人とハワイ島でハーフマラソンに出る予定だったのだが、コロナ禍に夢として消えた。自由に羽ばたける日を今か今かと待っている旅行好きの方は、数多くいらっしゃる事だろう。
 
ところで、海外旅行に行った多くの方が、「日本に帰ってきて、空港のトイレに入ると『やはり日本が最高だな』と思う」というのはよく聞く話である。私も海外旅行中、トイレに入る際はどの程度の汚さかと緊張して入ることが多く、切羽詰まっていなければ、ホテルまで我慢する事もよくある。綺麗なトイレに慣れている私にとって、やはり汚いトイレはストレスであり、日本に帰り、空港のトイレに入ると「やはり日本最高」と思う。
 
トイレもそうだが、日本の電車やバスのダイヤの乱れのなさ、さらに接客等についても、日本は素晴らしいと思う。
フランスに行った際、現地に住んでいる友人に、「今日は地下鉄は使えないよ、ボイコットが起きてる」と言われた。地下鉄がボイコットで使えないなんて事は日本ではありえない。それが、現地の人達は日常的で、当たり前に過ごしている。
 
オーストラリアではカフェで注文すると、「OK」と店員さんにウインクされ、その後店員さんはもう一人の店員さんとずっとペチャクチャぺちゃくちゃ。ぺちゃくちゃりながら、私のカフェオレは作られ、なんなら爆笑しながら無事私の手元に届いた。「さすが海外〜」とペチャクチャが当たり前の店員さんになんなら私のテンションは上がっていた。様々な国でもレジ番の方や店員さんがペチャクチャしたり、スマホを見ているのはよく見る光景であり、私も不快感は感じないし、現地の方もそれを普通としているようだった。
 
「日本はクレームが多すぎるよね。電車来ない、接客なっていないって、余裕がなさすぎだよ。国民性なのかなぁ。日本人ももっとおおらかに待てばいいし、接客の人達に多くを求めなければいいのに」
 
と旅行中に思った。
そして私は帰国し、案の定「日本のトイレは最高だ!」と空港のトイレに感動して、スーツケースを持ちながら改札を通り電車を待った。すると電車が3分の遅れとのアナウンスが。
 
イラ
 
「えっ?」自分でも驚いた。飛行機から降り立ち、自分が日本にいると自覚した瞬間に「日本の電車は遅れない」の大前提があるため、3分の遅れに堂々とイラついているのであった。
また、キヨ○クのおばちゃんが交通系カードの決済方法にもたつくと
イラ「こんなに混み合う店舗に何であんなもたつく人を配置するの?」
店員さんが携帯を見ていれば、イラ。ペチャクチャしていると、イラ。
荷物のお届けに関しては、14時〜16時指定に16時ギリギリにチャイムが鳴り、間に合っているのにイラ。何と心の狭い私。
 
私は日本の企業の素晴らしい対応が当たり前となっていた。
少しのミスやあまり丁寧ではない対応に不満を覚えてしまうのは国民性でも何でもなく、「日本の会社ならこれくらいしてくれるだろう」という勝手な期待からだった。
自分の感覚でこうであると勝手に期待してしまい、裏切られると「期待と違った」と勝手にショックを受けたり、不満を感じるのはよくあることだ。ミ○ドでは以前よくドーナツ100円セールが行われており、100円セール中だと知ると張り切って買うのだが、たまたまミ○ドに入った際に、100円セールをしていないと損をした気分になるのだ。
 
世界一貧しい大統領と言われたムヒカ前ウルグアイ大統領をご存知だろうか。彼は日本に来た際に「京都で泊まったホテルで『日本人はイカれている!』と思わず叫んでしまった。トイレに入ったら、便座が勝手に開いたり閉じたりするんだ。自分の手を動かせば済む話だろう。あまりにも過度な便利さは人間を弱くすると思う」というようなことを言っていたそうだ。私もトイレの自動開閉には初めて見た時は驚いたものの、今では何も感じなくなっているし、日本のトイレの便座は暖かいと期待しているため、スーパーなどで便座が冷たいと「なんてスーパーだ」と舌打ちをする。
 
彼の国連でのスピーチは有名だが、そこで彼は「人は発展のために生まれてきたわけではない。幸せのために生まれてきた」と言っている。
 
そうあるべきと期待してイライラする事は果たして幸せなのだろうか。もちろん日本の方々が私のように心の狭き方ばかりではないだろうが、私の言い分を理解していただける方もいらっしゃるのではないだろうか。
 
資本主義のなかで生き残り、狭い島国の中で芽生える察する力が高い勤勉な日本人は素晴らしい発展を成し遂げてきた。私たちは期待もするし、逆に自分が従業員側となれば勤勉に働く。それは誇ることでもあるが、お客側になった際にその上であぐらをかいて、期待に添えないとイライラしているのは健康的ではない。
 
私は散々日本の素晴らしい環境の恩恵に預かり、それに慣れきっている。イライラした時にそれは、日本がとても恵まれているからだということをたまには思い出し、少し期待と違っても、「それもいいではないか」と楽しめる人に少しずつでもなっていけたらと思う。
そしてイライラを減らし「幸せ」の時間を増やしていきたい。
 
 
 
 
***
 
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2021-03-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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