流行にのれない私、得してる!
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:りお(ライティング・ゼミ日曜コース)
もったいない!!
私が何度も人から言われてきた言葉である。
私は、お酒が飲めない。両親ともにアルコールに弱く、自宅の冷蔵庫にお酒が入っていることなどほとんどなかった。それが私の日常だったし、普通である。二十歳になってちょっぴり飲んでみたけど、すぐに頭がくらくらして、お酒に縁がないなと思った。
社会人になり飲み会の席でそのことを告げると、上司に「お酒が飲めないなんて、もったいない! 人生損しているよ!」と言われた。
愛想笑いをする。上司の人生に大好きなお酒がなかったら寂しいかもしれないけれど、その尺度で私の人生の損得をはかってほしくはなかった。
私にはこういうことが度々ある。
多くの人が好きでいるものを好きじゃない。そして、無理して周囲に合わせようとしない変な強さ。
コーヒーは苦くて飲めない。
しかも、カフェインを摂取すると夜眠れなくなるから、コーヒーだけではなく紅茶や緑茶なども飲まないようにしている。友達とカフェにはいってもオレンジジュースを頼む私に、ここのカフェじゃない方がよかった? と気を遣わせてしまうのが申し訳なかった。カフェのメニューが悪いのではなく、私のこだわりが強すぎるだけだ。
大学生のとき、スタバのコーヒーを片手に、授業にやってくる子がカッコイイなと思っていた時期がある。私も気取って真似をしたかったけど、コーヒーが飲めない私は、水筒の麦茶で我慢した。こっちも方がずっと冷たくて美味しいし、と謎に自己肯定感を上げる。
映画館は音響の大きさが怖くて、入れない。
高校1年生の頃、友達と名探偵コナンの映画を見た。開始直後の爆発音に心臓が跳ね上がり、その後から震えが止まらなくなってしまった。映画館にいられないと思いトイレに行くと、鏡に映る自分の姿に驚いた。顔面蒼白で唇が真っ青。たった一瞬の爆音で魂が抜けてしまったみたい。それ以来、映画のお誘いは断るようにしていた。
映画館が怖いんだ~と友達にいうと、映画館の迫力が面白いのに! とびっくりされたり、見たい作品も地上波放送まで待たなきゃいけないんだね、と同情されたり、なんだか自分が可哀そうな人として扱われた。映画館は好きじゃないけど、テレビは好きだもん! と思った。
それから5年かけて映画館を克服したけれど、今でも好き好んで映画館には足を運ばない。
私の知っているジブリ作品は、魔女の宅急便ととなりのトトロ。
よく、金曜ロードショーで「天空の城ラピュタ」をやっている。Twitterで「バルス」がトレンド入りするので、バルスって何? と友達に聞くと、天空の城ラピュタ見たことないの!? と言われる。ごめん、見たことない。
そんなある日のこと。一緒にハリーポッター見よう! と急に彼氏に誘われた。私、ハリーポッター見たことないんだよね~。と伝えると、彼は目を見開いて驚いた。
お、また、くるのか、もったいないが、と思っていたのとは裏腹に、意外な言葉が飛んできた。
「羨ましい! 今後の人生で一からのあの感動を味わえるなんてずるい!」
え……? なんて素敵な人なんだ。もったいない、損しているという言葉とは全く違う、すごいポジティブな言葉を受け取った気がする。
彼の言葉から、ある出来事を思い出す。
大学生の頃、中学校のボランティア活動に参加をした。中学1年生の可愛い子たちと一緒に、山梨県へ遠足に行く。行き帰りのバスで映画が上映された。「トイストーリー」と「ハウルの動く城」そのどちらも見たことがなかった。生徒たちの大半は、何回もみたことあるー! とつまんなそうに、友達とお喋りを始め、しまいには寝てしまった。そんな中私は、食い入るように作品を見て、ひとりで感動する。
生徒たちに比べて、他の人と比べて、私はこれらの作品の良さに気づいたのは遅かったのかもしれない。けれども、私は出会うべきタイミングでこれらの作品に出会ったのだ。
「嫌い」が「好き」に、「知らない」が「知れた」に変化する。もしかしたら周りは既に私がまだ知らないものの良さに気づいていて、楽しんでいて、自分のものにしているかもしれない。しかし、私の経験に遅すぎることなどない。むしろ、年を重ねながらまだまだ私には感動できること、楽しいこと、好きになれることがたくさん待っているってことか、と思うことができた。
もったいない、とよく言われる私だが、逆の立場のときに「損をしている」ではなく「未来に楽しいことがいっぱい待っている」と言える人になりたい。
結局、ハリーポッター賢者の石をTSUTAYAで借りるも、最初の1時間で寝てしまった。残りの1時間の楽しみは逃げずに待っていてくれる。また、見れるタイミングで見よう。私の未来には、楽しみが多くて困っちゃうな~。
***
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