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料理はマインドフルネスの効果あり?!


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記事:小島雄也(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
トントントントン、グツグツグツ。16時ぐらいから取り掛かり、18時半ぐらいに晩ごはんがやっと完成した。2時間半もかかってしまった。
 
「もうごはんできるよ。運ぶの手伝って。机の上も片付けて」
 
不慣れのため、大して凝った料理でもないのにすごく時間がかかってしまう。
 
その日は仕事が休みだったので晩御飯を作っていた。メニューは大体、ご飯、味噌汁に白身魚の煮付とサラダなど和食を作ることがほとんどだ。朝から買い出しに行って夕方作るのが習慣になっている。
 
元々、全くと言ってもいいほど料理をしなかった。そんな僕が料理するようになったのには、ある理由がある。この理由で始める人はあまりいないと思う。
それはメンタルがひどく不安定になっていたからである。
頭の中で「ん?」という感じになると思う。料理とメンタル改善に何が関係あるのかと思うだろう。嫌なことを忘れるくらいに好きなことに没頭してメンタルを安定させるということはよく聞く。でもそういう理由ではなかった。
 
料理をマインドフルネスの手段と考えて始めたのだった。マインドフルネスと言えばアップル社の故スティーブ・ジョブズがやっていたことで有名だ。ヨガのような瞑想をイメージする方も多いかもしれない。簡単に言うと、心ここにあらずの状態から抜けだし、心を「今」に向けた状態を「マインドフルネス」というとのことだ。仲の良い友人からメンタルの改善に効果があると勧められたことをきっかけに始めた。職場で部署異動があり将来について漠然とした不安があり、それが過度のストレスになっていたのだ。最初は料理ではなく瞑想からスタートした。そのときは料理がマインドフルネスのように使えるとは知らなかったので、有名どころの瞑想から始めた。
 
瞑想とは筋トレと同じようなもので、やればやるだけ筋肉のように鍛えられると例えられる。でも最初のうちは目に見えて効果がないため挫折しやすい。まさに僕は効果がでなくてやめてしまった。
 
「瞑想って難しいな……。はぁ」大きなため息をついてぼやいた。
 
でも、ぼやいても仕事は忙しくなるばかりでメンタルは一向に改善する気配はなかった。むしろ、どんどん悪化してイライラが溜まっていった。もうどうすれば良いのか分からなくなっていた。
 
これでは駄目だと思い、マインドフルネスについて本で再度、調べることにした。「今、この瞬間に意識を向けること」と書いてある。「今」に集中できれば瞑想でなくても良いと書いてあった。本当になんでも良いみたいだ。家事の中に取り入れるのもお勧めされていた。じゃあ料理でもいいのでは? と考えて試しに料理をしてみることにした。
 
そんなときにグッドタイミングで、実家の母から恐らく50cm以上はあるような巨大なイカが送られてきた。そのイカはまな板から余裕ではみ出るぐらい大きかった。妻から力がないから捌くのが難しいと言われ、僕が調理することになった。不慣れな包丁を使い、1時間程イカと格闘した。それから、料理アプリを見ながら刺身、煮物、焼き物などを作った。手際が悪く味は美味しいとは言えなかったが不思議と達成感が得られた。終わった後に振り返ってみると、仕事のことは一切考えずに「今」に没頭できていた。心もいつもより穏やかになっていた。
 
効果を実感したのでメンタルが不安定になる度に、台所に入り料理をすることにした。やはり作業をしていると気持ちが落ち着くというのは、その後も変わらなかった。そのうち、休日の夜には料理をすることがすっかり定着した。将来を考えすぎることで不安になる人は多い。料理に集中することで先のことばかりにとらわれていた心が落ち着いたのだと思う。余計な焦りが消えて、少しずつではあるがメンタルが改善していった。
 
これには思わぬ副産物もついてきた。妻の家事負担が減ったことで、妻にも余裕がうまれた。僕が料理をしている間はゆっくりと子供と遊んでいる。普段は中々そういう時間が取れないので喜んでいる。お互いのメンタルが安定して家庭が前より上手くいきだした。
 
作り始めた頃は全然センスがない料理だったが、最近では美味しいと言ってもらえるようになった。マインドフルネスで始めた料理だったが、最近では買い出しにも凝りだした。料理自体が好きになっている。
 
メンタルが落ちやすくて悩んでいる方は料理に挑戦してみてはいかがだろうか?
 
 
 
 
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2021-03-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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