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穴をほじくる人・埋める人


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:南野原つつじ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
【穴をほじくる人】
 
「でも、おかしいと思いませんか?」彼女はそう言うのです。
 
「うん、そりゃおかしいけど、でも……そんなこというたら、角が立たないかな?」
 
「でも、おかしいと思いませんか?」
ここから先なんといえばいいのか……思わず黙り込んでしまいました。
 
彼女は自分が正しいと思ったことをついつい人に言ってしまう、
上司や同僚に対して、ついつい欠点や過ちを指摘してしまうんです。
 
もちろん悪意はなく、すべて仕事やお客さんに対して少しでも良くしようと真心のなせる技です。彼女は利用者の身になって、親切、丁寧、行き届いたサービスを提供するヘルパーさん。とても明るくパワフルで頭も良くて、お客さんからの評価も高く、仕事のできる人。常に前向きにいろんなことを改善していこうとされてる彼女のことを私は心から尊敬しています。
 
お話を聞いていると、
 
「確かに彼女の言い分には一理ある。
彼女のいう通りに業務を改善したら、きっと良いものになりそうだし、上司はきっと間違えている」
 
と、そのように思います。
 
でも、だからといって、それをそのまま言ってしまっていいものかどうか……。
言うことによって、上司や同僚から、煙たく思われたり、悪感情を持たれたら損をしてしまいます。
 
そのようなことを、私がやんわりとお話しても、
「でも、おかしいと思いませんか?」と。
私の力不足で、そこから先は話が前に進まないことも多かったのでした。
 
でも、その後彼女は、上司や同僚が、自分のようにいろいろときめ細やかに配慮できないことや、しないことに納得がいかなくて、そんな言動を繰り返した結果、
・時々職場の会議で村八分にされ、理不尽なことを言われ辛い。
・嫌いな上司や同僚のことを考えると、会議に出たくなくなる。
・職場に心を打ち解けて話せる人は ほとんどいなくなってしまった……
とのこと。
そしてそのストレスで胃潰瘍になってしまったのです。
 
幸い軽いものですぐによくなられましたが、あのとき最後まで説得すべきだったのかなと思って、ふと自分のことを顧みました。
 
ずいぶん偉そうに 書いてしまいましたが、
実は【私も穴をほじくる人】でした。
だからストレスがたまり自己免疫性の難病にかかってしまったのかもしれません。
 
かなり昔の話ですが、
子どもがお世話になってた園の役員会で、
「なにか園に対してお気づきのことがありましたら……」
と、聞かれたときに、
「お給食が、菓子パンとフルーツと牛乳だけの日がありますよね。
その日は、もう少し栄養のバランスを考えていただいて、なにかおかずとかつけていただけるとありがたいなと思います」と、得意げに話したことがあります。
 
園のお給食の穴を見つけて、
それを、うれしそうに指摘してしまった感じでした。
 
ところが、私にとっては穴だと思っていたことが、
別の人からしたら、とてもありがたい配慮だったことを、私は後から知ることになったのでした。
 
うちの子は好き嫌いもなく、園の給食でもなんでもパクパク食べるタイプ。
でも、ママ友さんたち話をする中で、食が細く、給食を食べるのが苦痛な子も多いらしいということを、初めて知ったのでした。
 
そういう子どもたちは毎日の園の給食が苦痛で仕方がない、
その 菓子パン、フルーツ、牛乳だけの日が、楽しみで待ち遠しいとのこと。
 
「そうか……給食は栄養だけではなく、子どもたちに食べる楽しみを提供するという目的もあるんだな……。
給食が苦手な子どもには、あえてそんな献立の方が楽しみになるんだ。」
 
私は自分が正しいと思って、勝手に穴だと決めつけていたことが、実はそうとは限らないことに気づいたのでした。
 
わざわざ指摘してほじくるようなことをせず、自分が栄養不足と思うんだったら
その穴を埋めるように、朝ごはんや晩ごはんで栄養のあるおかずをたっぷり食べさせればいいことだったんだな……と反省したのでした。
 
***
 
【成功の秘訣は人の穴を埋めようとすること】
と、教えてくださった方がいます。
 
ものすごく優秀な女社長さんです。
その方は、私が昔働いていた会社の取引先の方なんですが、とても小さな会社なのに他の大きな会社や、今まで実績のあるすごい会社が束になってかかってもかなわないくらいの偉大な業績を上げておられました。
 
30年後の今もずっと業績を上げて大活躍中です。
 
昔その方に、男社会の中で、どうしてそんなに素晴らしく成功しておられるのか秘訣を聞きました。
 
「あのね、すごく優秀な人にでも誰にでも必ず穴がある。
私はその穴を埋めようとしているだけ……」と。
 
彼女は事業に成功しているだけではなく、
いつもお元気で、笑顔で、お幸せそうでした。
先日何十年ぶりに久しぶりにお会いした時にも、全然お変わりなくて、
実際の年齢よりも10歳以上、いや、もしかしたら15歳くらい若々しくみえてびっくりしました。
 
***
 
【穴をほじくらず、埋めようとする人になりたい】
 
生きてたら、いろんな人のいろんな穴が、よく見えたりします。
良かれと思って指摘することも多いと思います。
 
特に親しい間柄は遠慮がないので
ついついズケズケと指摘してしまったりもします。
 
それが良いように働くときもあれば、
言い過ぎたり、うまく相手に伝わらず反感を持たれたりすることもあります。
そして人間関係が悪化して、ストレスになり、健康を害することにつながることもあります。
 
「同じ穴でも、ついつい指摘して、ほじくってしまうのではなく、
できれば、さりげなく埋めてあげられるような人になれたらいいなぁ……」
 
自分が穴だと思っていることでも、
視点を変えたら、そうじゃないこともあることを学んだからです。
 
例えば円柱。上から見たら円だけど、横から見たら長方形です。
自分は上から見てるから円だと思う。それを長方形と言い張る誰かのことを
「間違えている、おかしい!」と思っても仕方のないことかもしれません。
 
自分の価値観と相容れない誰かのことでイライラしたりくよくよしたりしてしまうこともありますが、でも、誰かにもその人なりの視点、立場、考え方があるんですよね、きっと……。
 
「~であるべき」という正しさにこだわるよりは、「~でもまぁいいか」と。
そんなゆるさも、また人間関係のストレスを減らす一つのあり方なのかなと思ったりもします。
こんなことを書きながらも日々いろいろとほじくってしまうんですけどね……。
 
 
 
 
***
 
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2021-03-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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