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本当は怖い人生ゲーム


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:莉都子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
子供のころ遊んだボードゲームの定番といえば人生ゲームがあげられるだろう。土曜の午後には友達どうし集まって興じたものだ。
 
その中で、約束手形という言葉を覚えた。まあまあ頻繁に表れる「仕返し」は大枚をもぎ取られ最悪だとか、高給取りの医師になれたら良い循環にハマるよねとか、子供なりに社会勉強になる一面もあった。紙幣をバンバンやり取りできるのも楽しかった。
 
今になり、ふと気づいた。当たり前のように全員が結婚のコマで止まって配偶者をゲット!
でも、そこはちょっと違うよね、ってこと。
 
結婚しない人も結構いるよ、と早い段階から知った方が子供なりに考えるところあるのに、と思う。その後、子供が誕生! というコマに止まったとしても男女問わず、子持ちシングルのかたもリアルの社会にはたくさんいる。
 
ちなみに結婚についてのリアル話として、ちょっと前に話題になった、適齢期の女性たちが結婚相手に望む「普通」のラインは以下の通りだ。
 
大卒、年収500万円、ジム通いをしていて、美容室は月に1、2回、顔は星野源くらいでよい。この調査結果に男性陣から異論が飛んだ。「星野源にあやまれ!」
ちなみに東京でも年収500万円以上の25~35歳の独身男性は22%で、全国だと11%らしい。
 
もし私が玩具メーカーの開発担当なら、理想と現実とのギャップを埋めるべく、「本当は怖い人生ゲーム」を作りたい。これは真面目に望んでいる。
 
結婚のコマでは何枚か結婚相手カードを用意して早いもん順でとれることとする。以下、各1枚ずつしか用意しない。
 
【男性】  ※ 顔は星野源
・27歳 年収 400万円
・35歳 年収 500万円
・40歳 年収 550万円
・49歳 年収 600万円

【女性】
・27歳 年収 350万円
・35歳 年収 380万円
・40歳 年収 400万円
・49歳 年収 415万円
 
もちろん「シングルコース」もあるし、ここを見送って「白馬の王子様を待ち続けるコース」も選べるようにする。
男の子のために女性カードも用意するワケだが、「なんで女は年収低いの?」「それが本当らしいよ」「こわ~い!」「格差はどんどん広がるんだね~」などと、遊んでもらえればよい。
 
最初に決まったサラリーも「女性は8掛けルール」に設定する方が、よりリアルに結婚、キャリアへの考えを深められるだろう。公平感を期してレディースデイに止まった女子は1万円もらえることにしよう。この辺りは情勢次第で改定していけばよいが当分この設定で違和感はないと思う。
 
最初に配布される車もなくてよい。スタートは徒歩だ。ずっと徒歩でも良い。結婚をする前に車を買うことをおススメしたい。子供が生まれたら隣のコマに移動するにも車があるのは便利だ。約束手形はどうせ無利子だから、借りなきゃ損ソン。自動車ローンを組んで後から頑張って完済して欲しい。
 
ところであの人生ゲーム、不十分な点がもうひとつある。高齢化社会に対応できていないのだ。重大な抜け落ちである。
私が玩具メーカーの開発担当なら「-60歳からの- 本当は怖い人生ゲーム」も後発ゲームとして開発する。
 
もちろん、小さなお子様を交え家族で楽しんでも良いし、高齢者施設でバカうけする内容を盛り込み、お年寄りが「あるある~」「コレ、あんたのことやろ~!」など盛り上がっていただくにもよいと思う。
 
コマの一例は以下の通りだ。
 
パートナーが若年性認知症になった。2回やすみ。
年金料を滞納し受給できず。親戚に無心して1回やすみ。
白内障の手術をうけるため1回やすみ。
アクセルとブレーキを踏み間違え事故った。3回やすみ。
オレオレ詐欺に引っかかる。○万円払う。
電化製品が一気に壊れ買い換えた。 ○万円支払う。
 
コマの一例として、良い話も生活のヒントにぜひ盛り込みたい。
 
ポイ活のポイント還元。千円もらう。
メルカリで食器を売った。3千円もらう。
息子夫婦から旅行券3万円分をもらう。
真面目に払った年金の受給日。15万円もらう。
免許を返納し車を売却。50万円もらう。
パートナーの退職金が入った。○万円もらう。
親から遺産相続。○万円もらう。
定期預金が満額になった。○円もらう。
 
最終的な勝ち負けの基準については以下の通りだ。
 
ゴールを100歳に設定して、最後まで資金を維持しながら、一番人生を充実させた人を勝ちとする。資金がなくなったらゲームオーバーとしよう。
 
充実の人生のために稼いでほしいポイントの一例だ。これらのポイント数をたくさん稼いだ人が勝ちだ。リア充デーで止まったらこれらのカードを一枚引けることにする。
 
交通安全の旗振りで子供達と仲良くなる。1ポイント。
IT講座でClubhouseをスタート、充実の毎日。1ポイント。
カラオケ大会で優勝。1ポイント。
絵画展に入賞し、展覧会に参加。 1ポイント。
自伝をブログに書き始めた。  1ポイント。
自家菜園でトマトを収穫。1ポイント。
シルバー人材センターからバイトの仕事をもらった。2ポイント。
マラソン大会に出場。  2ポイント。
男の料理を始めパーティをした。 2ポイント。
友人や夫婦でイタリア旅行。3ポイント。
孫が生まれ幸せだ。 5ポイント。
 
合計10ポイントもあれば、相当幸せな老後ではないだろうか。
 
小さな子供が遊びながら、久しぶりにお爺ちゃんのところに行こうよ、トマト一緒に育てようよ、などきっかけ作りに役立ててくれると、なお良いなと思う。あらゆる世代が身近な高齢者に心を寄せ、自分自身もそこから学び備えることが大切だ。
 
手始めは夢見る夢子さんにちょっとリアルな視点をお持ちいただきたいということ。そして、特に人生の最後には、人とのふれ合いから得る幸せが結構多いということも押さえたい。
このゲームについて考えている自分が一番、人生の棚卸しをしているのかもしれないけれど。
 
 
 
 
***
 
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2021-03-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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