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見方を変えたら、腐っていた心がワクワクに変わった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

藤岡恵子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
わたしには20年以上続けている習いごとがある。
それは、スペインの民族舞踊、フラメンコ。
そう、口に赤いバラをくわえて「オレ!」とポーズをきめる、あれ。
 
ちょうど1年前の今ごろ。
会社の上司からフラメンコのレッスンに行くことを禁止された。
新型コロナウイルスの流行が始まったころで、狭い教室で生徒どうしが近い距離で踊ることは感染リスクが高いから、という理由から。
 
こんなこと言ったら「なんて奴だ」って怒られるかもしれないけれど、ホントのことを言えば、会社からのレッスン禁止令に100%納得してたわけじゃない。
だから、レッスンの自粛を始めるのも渋々だった。
もちろん、会社としての理由はもっともなことだと頭ではわかっていたけれど……。
 
20年以上フラメンコ中心で生活してきたわたしが、踊れなくなることで生活全体のモチベーションが保てなくなってしまうのにそんなに時間はかからなかった。
 
やばい。
このままフラメンコに触れない生活を続けたら、腐る……。
 
そんな焦燥感を抱えながらも、なにもできないまま日にちだけが過ぎた。
 
ある日。
年齢も踊りのキャリアもほぼ変わらない、フラメンコで唯一のライバル(と、わたしが勝手に公言している)友だちが、
 
ZOOMを使って、スペインとオンラインでフラメンコの歌のレッスンが受けれるよ。
一緒に受けない?
 
と声をかけてくれた。
 
ZOOM?
しかも、スペインとオンラインで……?
 
ITに関することに疎くスペイン語もおぼつかないわたしに彼女は、申し込み方法、さらには1回目のレッスンの日に家に招いてくれてZOOMの使い方まで丁寧に教えてくれた。
 
その日から週に1回、フラメンコに触れる生活がふたたび始まった。
 
レッスンでは、毎週、違う歌を教えてくれる。
わたしが習っている先生は、真似して一緒に歌うだけではなく、曲のルーツとか仕組みとか、理論的に教えてくれる。
それらは今まで知らなかったことばかりで、毎回、とても刺激的だ。
こんな感覚は、踊りを習い始めたころ以来かもしれない。
 
歌を習い始めたことで、ひとつ大きなことに気がついた。
 
それは、今まで「踊り」という側面からしかフラメンコを見ていなかった、ということ。
 
これまでも、踊りの先生がスペイン人の歌の先生を招いてくれてフラメンコの歌を習ったことは、何回もある。
でも、歌を習うのは「よりよく踊るため」だった。
 
ところが突然フラメンコを踊れない環境になった。
そして、軽い気持ちで歌のレッスンを受け始めたのだけど、このレッスンがきっかけで「歌」という側面からフラメンコに対する新しい興味がどんどん湧いてくるようになったのだ。
 
最近では、フラメンコの曲を聴きながら、「あれ?これ、このあいだ習った歌だ」とか、「この曲、どういう仕組みなっているんだろう?」とか、曲に対する興味がつきない。
 
また、疑問に感じたことを、インターネットで検索してみたり、友だちと議論したりすることが、この上なく楽しい時間になった。
 
ひとやものごとには、たくさんの側面がある。
 
わたしは自己啓発本を読むことが大好きで、よく読んでいる。
それらの本には必ずと言っていいほど、「見方を変えるといい」ということが書いてある。
いつも、「うんうん、そうだよね~」と心のなかでうなづきながらと読んでいた。
 
そう、読んでいた。
いや、「読んでいた」だけだったのだ。
理解しているつもりだっただけで、その考え方はまったく身についていなかった。
 
そのことに、真摯に向き合ってきたハズのフラメンコで身をもって気づかされ、かなりの衝撃を受けた。
 
わたし、20年以上、なにをやってきたんだろう……。
 
しかし、この気づきも見方を変えればいいのだ。
 
わたしはこれまで、一度フラメンコの踊りの練習を始めてしまうと、体の具合を悪くするくらいのめり込んでしまっていた。
そんな調子だから、もちろん歌の勉強をする余裕は、時間的にも精神的にもまったくなかった。
 
だから、今の環境をこのような見方に変えた。
 
会社の上司が踊りのレッスン禁止令を出してくれたおかげで、集中して歌を学ぶ環境を得ることができた。この期間に学んだ歌の知識は、踊りのレッスンを再開したときに必ず役に立つ、と。
 
今は純粋に歌を楽しむことができる。
それに、(いつになるかはわからないけれど)踊りのレッスンを再開したときに、今学んでいる歌の知識がわたしの踊りをどんなふうに変えてくれるのか、考えただけでワクワクする。
 
そして、ワクワクする気持ちが生まれたら、仕事へのモチベーションが上がるというおまけまで付いてきた。
 
ちょっと見方を変えただけで、こんなにも日常生活が楽しくなるなんて思ってもみなかった。
 
これからも、ものごとにつまずいたら見方を変えてみよう。
 
メールを確認すると、スペインの先生から今日習う歌の歌詞が送られてきている。
さっそくノートに書き写さなくっちゃ。
今日もこれから歌のレッスンだ。
 
 
 
 
****
 
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2021-03-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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