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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:りお(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
3年前の自分が目の前に座っている。
リクルートスーツで身を包み、髪の毛もビシッとまとめている就活生。大学の後輩から当時の就職活動のお話を聞きたいと言われたのは、1週間前のこと。OG訪問の依頼メールから、失礼のないよう敬語表現など検索したのかな、と懐かしい気持ちになった。
 
OG訪問を受けるのはこれで3回目。苦くて辛い思い出となっている就職活動を思い出すのは、OG訪問の時だけだ。当時の記憶は出来るだけ頭の片隅に追いやりたいが、頑張っている後輩のために伝えられることは伝えようと思っている。
 
3年前。ちょうど今のように桜が満開の頃。
3月の就職活動情報解禁とともに、私は黒いスーツと履き慣れないパンプスで、とにかく色んな企業の説明会に参加をする。
 
最初の頃は、こんなに多くの業界や企業の話を一度に聞けるチャンスなんてないのでは! とポジティブな気持ちで、楽しんでいた。そう、最初は楽しもうとしていたのである。
ただ、そんな状況は長くは続かず、1ヶ月もしない内に疲れてしまった。毎日知らない駅で下車。靴擦れで絆創膏だらけの足。果たして、自分の就職先は決まるのだろうか、いつまでこの先の見えない不安を抱えなければならないのか、と。
 
これまでは学校の成績や推薦で次の進学先を決めていた。そんな私が初めて就職活動で容赦なく「不合格」を突きつけられる。履歴書や自分のPRをまとめたエントリーシートを提出しては、理由も分からず不採用のメールが送られてきた。これまでの試験や受験と違って、何がダメだったのかが分からない。どこの点数が足りないのか、どの部分が苦手なのか、分かれば対策ができるものも、分からないから動けなくなっていく。
 
ひとりで考え続けるのは良くない、と思い、友人や先輩、大学のキャリアセンターに相談に行ったりエントリーシートの添削をしてもらったりした。その渾身のエントリーシートがあっさりと落ちた時は、私の自信は粉々に砕けてしまった。精神的な疲れで、体重が5キロ落ち、ストレス性の突発性難聴にまでなってしまう。
 
そんな私の流れが変わったのは、意外なきっかけからだった。
 
「良かったら、一緒にボランティアで企画をつくらない?」
 
大学3年生心から細々と続けていた教育系のボランティア活動。高校生向けのキャリア支援をしているNPO法人の団体に所属していた。これまでは授業や就活で中々きちんと携われていなかったが、突然、ある高校生向けの企画のチームに誘われる。
 
就職活動で忙しいしなぁ〜……
という気持ちから一度断ろうとしたものの、就活に行き詰まりを感じていた私は「やります」と答えていた。
 
想像通り、スケジュール帳が真っ黒になるほど忙しくなる。ただ、不思議なことに苦しくはなかった。ボランティア活動が楽しかったのもあるし、何故か就職活動も軌道に乗り始める。不合格のエントリーシートのことばかり考える時間もなく、次に次にと気持ちが前に進んでいった。面接にたどり着いた時は、出来るだけ楽しもうと思えるようになっていた。
 
ボランティア活動と両立することで、自分でもはっきりと分かるくらい、自信を取り戻していたのである。自分が活躍できる場はある、これまでの学校生活で努力してきたことは、ちゃんと身になっている。自信というお守りが、就活にも良い影響を与えていった。
 
今の就職先の最終面接。
「すごく前向きで自信がある姿が素敵でした」
とフィードバックを受けて、これまでの就活で支えてくれた周りの人達の顔が思い浮かんだ。
 
たった3年前のことである。
すごく昔の思い出のような気がして、少し美化されているんじゃないか? くらいスラスラと当時のことを思い出せて、不思議な感じだ。
 
目の前に座る、緊張した面持ちの就活生。
字がびっしりと並んだ就活ノートに努力が滲み出ている。質問とともに、「不安」「心配」といろんな気持ちを話してくれた。
 
今はしんどいかもしれないけど、きっと大丈夫。
と思えるのは、私が就職活動を終えたから。今その渦中にいる彼女にどんな言葉をかけたらいいか悩んでしまう。無責任なことは言いたくないしなぁ〜。
 
でも、私が経験したことが、何かのヒントになればな、と思う。自分なりの息抜きを見つけたら、凄く気分が前向きになったこと、自分に自信をもてると堂々と就職活動に挑めたこと。
就活ノートが真っ黒になるまでOG訪問をしているあなたは、とっても頑張っていると思う、ということも。
 
今年も就職活動に挑んでいる学生がたくさんいる。一足先に就活を経験した私から、最後に一言メッセージ。
自分に「自信」というお守りを身につけてみてください。応援しています!
 
 
 
 
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2021-04-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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