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サクラサク 〜成績が伸びる生徒が持っている特性〜


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ぴぼなっち(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「先生! やりきってきたよ!!」
 
予備校の講師にとって3月は、一年間一緒に勉強してきた生徒たちの大学受験の結果発表にそわそわする時期である。担任業務を担当しているというわけでもないのに、今年はわざわざ報告に来てくれる生徒が多く、第一志望に受かった生徒も第二希望に進むことになった生徒も、この一年やり切ったという満足した顔になっていてほっこりさせられる。見ているこちら側が、生徒たちのこの一年の成長ぶりを誇らしく思えてくるのだ。
 
私が担当している英語を苦手科目としている生徒は多い。特に理系の生徒にとっては、覚えることが多い割になかなか点数が上がらない科目だ。文法や構文を覚えても長文がすらすら読めるようになるとは限らないし、覚えた英単語は片っ端から忘れてしまう。本当にイライラさせられる科目である。
 
今でこそ偉そうに教えているが、私自身英語には非常に苦労させられ、多少なりとも自信を持てるようになったのは30代半ばになってからだ。大学受験はもとより、社会人になって受けたTOEICやTOEFL、IELTSでも大いに私のキャリアの前に立ちはだかってくれた。だから、彼らの気持ちはとてもよくわかる。
 
ただ、予備校で教え始めて数年が経過し、生徒との会話を通して素直に点数が伸びる生徒と伸び悩む生徒がなんとなくわかるようになってきた。恥ずかしながら、伸び悩む生徒は、かつての私と同じような特性を持っていることに気づいたからだ。
 
高校時代の私は、授業のほとんどを寝て過ごすか、国語の教科書に載っていた「こころ」や便覧を眺めて過ごした。今でも当時のクラスメートに会うたびに、「お前が教える側にいるなんて冗談だろ? 授業中はほとんど寝ていて先生の話なんて何も聞いてなかったじゃないか」と言われる始末である。睡眠学習派だったことはさておき、私がダメ学生だったのは、「判断基準が未熟な自分の経験と勘」だったことにある。
 
特に苦手な科目においては、それが顕著だった。良さそうだと思った先生の言うことは聞くのに、アンテナに引っかからない先生の言うことにはほとんど耳を貸さなかった。その判断基準は、圧倒的にできない人間(自分)の意見(これまでの乏しい経験と勘)に耳を傾けるという、最悪の方法だったのだ。スポーツに例えると、近所の仲の良いおじさんにサッカーを教わって、プロのサッカー選手に耳を貸さないようなものである。
 
中学や高校で部活に所属していた方であれば、先輩やコーチが自分よりも上手いかどうかは競技の理解が進むほど肌感覚でわかるようになる、ということに同意してくれるのではないだろうか。その理解が進むまでは、先輩やコーチの言うことにほとんど無条件に従って練習するしかない。そう言う意味で、未熟な自分の判断で練習方法の取捨選択をする余地はほとんどないと言える。
 
では、勉強はどうだろうか。講師という立場で生徒を見ていて感じるのは、勉強の仕方をアドバイスしても、その方法では「やらない」という判断を自らの過去の経験に照らし合わせて決めている学生が多いということだ。「そんなやり方は聞いたことがない」と一蹴されてしまったことさえある。なぜそのやり方がうまくいくのか根拠を説明し、たとえ納得しても、である。
 
私の学生時代がそうだったように、これまで聞いたことがない勉強方法を取り入れるのには勇気がいる。そのことを十分承知した上で、かなり意地悪な質問だと思うが、「その方法ではうまくいかなかったんじゃないの?(点数が上がらなかったんじゃないの?)」と聞いてみたくなるのも事実だ。結局、強制しても仕方がないので本人が気づくまで待つことにしているのだが、その分だけ差が出てしまうのだ。
 
一方伸びる生徒は、ひとまずアドバイスをもとにやってみるようなタイプだ。それだけには留まらず、うまくいかなかった時には「うまくいかなかったが、やり方はあっているのか」と聞きにくる。この場合、原因のほとんどは教える側が生徒に意図をうまく伝えきれておらず、齟齬が生じてやり方が間違っているためで、それさえ修正されれば予期した結果につながっていく。
 
そういう経験を何度か繰り返すと、アドバイスをすぐに実行して軌道に乗りそうな生徒とそうでない生徒がなんとなくわかってきてしまったのだ。とはいえ、生徒側だけに問題があるのではないこともわかっている。だから、「先生の言うことだから、ひとまずやってみます」と思ってもらえるように信頼関係を構築することや、なんでも質問できるように生徒との距離を縮めておくよう普段から気をつけている。
 
ちょうど4月が始まった。新しい年度が始まって心機一転、志望校に向かってがんばろうと一番気合の入っている時期だと思うので、ぜひ「伸びる生徒」が持っている特性を知ってほしいと願っている。
 
 
 
 
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2021-04-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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