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メディアグランプリ

想像とは違っていた。しかし、こんな本を書いてみたい


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

 
 
記事:山田THX将治(天狼院・リーディング俱楽部)
 
「これはちょいと失敗したかな」
その本を開いた時、私はそう感じてしまった。
原因は、私に在る。それは、その本の内容を確認せず、取次ぎさんのサイトで注文したからだ。
現代は便利になったようでいて、想定外のことも起こりがちだ。
 
私がネットで購入したのは、『ファッションはシネマで』(株式会社フォーイン スクリーンプレイ事業部・刊)という新刊だ。著者は、松畑由香子さんという方だ。彼女は、文章だけでなくイラストも担当されている。
私には、三重県在住としか紹介が書いてない著者も、名古屋の会社らしい出版社も初見の存在だった。
しかし、誰にも負けない映画フリークな上に、子供の頃から映画に登場する人物をファッションの参考にしてきた私には、『ファッションはシネマで』という題名は、買うことを止める理由等どこにも無かったのが本音だ。
 
『ファッションはシネマで』は、全編で31本の映画を取り上げている。31本を4つのシチュエーションに分け、各作品の主人公をファッション通じて解析する形に為っている。
多分、松畑由香子さんは、プロの映画学者でもファッションデザイナーでもないと思われる。それは、この本で取り上げられている映画が、どれも極々一般的な作品ばかりだからだ。
これが、学者や評論家の著作と為ると、芸術系映画に偏っていたり“お前らこんなのも観ていないのか”的な、上から目線なセレクトと為る傾向が有るからだ。そうなると、文章の読み辛さより先に、読んでみようとする気力が失われてしまうものだ。
 
また、4つのシチュエーションに分けられた各章にも、“愛されファッション”や“On&Offファッション”といった、女性向けファッション雑誌でも見受けることが多い、平易な文字が並んでいる。
これもまた、松畑由香子さんの目線が、私達一般のファンと同じであることを気付かせてくれる要因でもあるのだ。
しかも、映画のスチール(写真)を全く使っていないのも、親近感が湧いてくる。何故なら、映画のスチールは、著作権が広範囲にわたる為、使用料が想像を絶する程の高額になることもまま有るからだ。
映画製作会社が認める著名な映画学者や、潤沢な製作費を掛けることが出来る大手出版社ならいざ知らず、無名の映画ライターや中小の出版社では、有名映画のスチール使用は、夢のまた夢の話なのだ。
そう考えると、映画のスチールを一切使わず、著者本人のイラストで済ますという『ファッションはシネマで』の製作方法は、もしかしたら、無名の映画ライターや中小出版社が映画関係の本を出版することを可能にする、究極で唯一の方法なのかもしれない。
 
ただ私は、ほんの少しだけ残念なことが有る。
『ファッションはシネマで』で扱っているファッションが、“番外編”を除いて全てが、女性のファッションに付いて語られていることだ。著者が女性なのは当然といえば当然なことなのだが。
私は思わず、本の内容を目視出来ない、ネットでの書籍購入を少しだけ後悔したのだった。もう少し、男性のファッションに付いての著述が在れば、私としても本望だったと思うのだ。
しかも、“番外編”で取り上げられている唯一の男性ファッションが、映画『ノッティングヒルの恋人』に登場する、バツイチの書店主ウィリアム(ヒュー・グラント演)のファッションだけなのだ。
これが私ならと考えてしまうのは、映画ファンの性(さが)なのかもしれない。しかも私は、映画の登場人物のファッションが気に入ると、真似してみないと仕方がない、困った性格でもあるのだ。
『大脱走』に登場するスティーブ・マックィーンを真似て、紺色のトレーナーの袖を切り落としてしまったり、『ロッキー』のスタローンを真似て、黒皮手袋の指先を切り取ってしまう困った奴なのだ。私という男は。
 
この『ファッションはシネマで』を読み終えて感じたことは、私はもしかして、こうした傾向の本を書きたいのかもしれないということだ。私は全く絵を描けないので、イラストの部分は将来考えることとして。
『ファッションはシネマで』の様に、自分の得意分野を切り口にすれば、これまでにない映画紹介本と為ることが解かっただけでも、私にとってこの読書は、御釣が来るほど有効だったのだ。
しかも、映画ファンの目線で書き切ることは、私の映画ファンとしてのスタンスでは、大変重要だと常々考えていることでもあるからだ。
遠い先のことに為ると思うが、いつかきっと実現させたいものだ。
 
新しい傾向の映画紹介本『ファッションはシネマで』。
映画ガイドとして、また、ファッションの軽い読み物として、御一読頂きたい本である。
 
 
 
 
 
***
 
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2021-04-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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