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六本木に護身術を習いに行って得たもの


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記事:長島啓太(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「以前、護身術を習いに通っていたことがあるんですよ。場所ですか? 六本木です」私の飲み会や、ちょっとした話題提供を求められた時の鉄板エピソードだ。
 
社会人3年目の頃にたまたま目にした「人類の最高到達点」という言葉にハマり、ただなんとなく護身術を習いにジムに通っていたことがある。大した理由はない。ただ、その言葉に影響を受けただけだ。また、日頃から物騒なニュースも多く、いつ人に襲われるかわからないからという理由はあったが、明確な目標などはなかった。
 
柔道や空手だと所謂、型を覚えるのが面倒くさく、また道着を着るのもなんとなく嫌だった。また、柔道や空手は良く耳にする種目なので、どちらかというと「え? なにそれ?」と思えるようなことに取り組みたいと考えていた。そこで見つけたのが護身術だ。「護身術を習いに通っています」うん。なんとなくカッコいい。私は、六本木に護身術を習いに行くことにした。
 
結論、3回程度参加しただけで続かなかった。理由は大きく2つある。1つ目はジムの場所が遠かったことだ。当時の私は小田急線沿線から、新宿の会社に勤めていた。仕事が終わるのは20時を過ぎることも多い中で、そこから六本木に通う必要がある。六本木のジムから当時住んでいたアパートまでは電車で約40分。土日に通うにしても、片道40分は当時の私には結構な負荷だった。
 
2つ目の理由は明確な目的がなかったからだ。冒頭に「なんとなく」という言葉が多いように、護身術を通う理由がなんとなくすぎたのだ。護身術を習うことは決して無駄ではないはずだ。しかし、明確な目的がないことには頑張る理由、継続する理由も弱くなる。結果的に、モチベーションを維持できず、続けることが困難になる。こうして、六本木のジムで護身術を習い「人類の最高到達点」に辿り着くという目論見は潰えた。
 
だが、この経験が文字通りプラスになった。具体的には2つある。1つ目は目的を明確にすることの大切さを身に染みて知ったことだ。その後も、私はいろいろなものに挑戦したが、継続できたもの、継続できなかったもの両方ある。その違いは目的が明確であるかどうかだ。目的が明確であれば高いお金をかけようが、かけまいが続く。
仕事も一緒だ。ただ施策を重ねるのではなく、なんのためにやるのか。この施策の目的は何か。それらをある程度考える事で、施策の成功率も上がり、数字に繋がらずに時間もかかる作業を削ることができ、生産性を高めることができた。
2つ目はネタができた事だ。飲み会などで「前に六本木に護身術を習いに行っていたことがあるのですが」というネタを提供すると、そこそこ笑いをとることが可能で、興味を持ってもらえることも多い。「護身術って?」「なんのために?」「しかも六本木(笑)」これらのツッコミに対して一つずつ丁寧に解説していく。一通り話した後のオチとしては「強くなるために六本木に高額を払って護身術を習いに行った結果、構えだけ覚えて辞めてきた」だ。場の空気にもよるが、話しながら構えを取ることで、経験上、笑いが起きることが多い。
 
私が以前より意識しているのが、なるべく多くの経験をすることだ。人が経験しないようなことをすること。決して、大きなことでなくても良い。人があまり経験することがないことに取り組むことで、差別化が図れると考えている。人が経験しないことを探そうとすると、調査が必要だ。私以外にやったことがないことなどはほぼ存在しないだろうが、人があまり経験しないことを探そうとすると、それなりにコツがいる。そういったネタを集めて経験することで、一目置かれることもある。所謂逆張りをすれば良いというわけでもないのだが、個人的にはこの価値観に沿って行動することで、良い経験ができていると考える。
 
人それぞれ目的や目指すものが違う以上、人によって正解は変わるのが当然だ。その中で、どんな場面にせよ、自分の価値を示さないといけない場面がある。転職活動の面接、飲み会の場、その時々に合わせていろいろなネタを持っておくことで、自分の存在価値を示すことができる。変わった経験があれば良いということではない。ただ、飲み会の場などで話を振られたときに、当たり障りないネタを提供するよりも相手に興味を持たせられるようなネタを持っていた方が、コミュニケーションは円滑に進められるのではないだろうか。飲み会の場で話を振られたときにネタを出せなくても良いとは思うが、個人的には求められたときに出せるネタは常に用意しておきたいと考えている。
 
私の六本木の護身術ネタは私の中でそこそこお気に入りだ。時間が作れれば、また護身術を習いたいとも考えている。そして、今後も飲み会の場で使う機会があれば積極的に使っていきたい。最後にこのネタのポイントについて書かせて頂くと、ボケにも使えることだ。何かの話の流れで「おう。前習った護身術でボコボコにしてやるよ」とボケる。これまでで一番有難いツッコミはこうだ。「お前は構えだけだろ(笑)。しかも、護身術は受け側の話であって、仕掛ける側ではないだろ(笑)」
 
 
 
 
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2021-04-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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