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脳内プログラムを解除しろ


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事: 浦部光俊(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
「結局、お前はいつもそうだよな」
仕事のことで先輩にアドバイスを求めたときのことだった。
 
それは無理なんじゃないですか、
そっちは意味ありますかね、
 
ネガティブな反応ばかりの僕に先輩はあきれ顔、
あとは自分で考えろと、突き放されてしまった。
 
またやってしまった。
僕はいつもこうだ。
人の意見を素直に聞けない。
親身になって考えてくれるのをいいことに、
ついつい子供のような態度をとってしまう。
 
どうして僕は変われないのか、
いくら考えても答えは出ない。
行きつく先はいつも同じ。
どん詰まりの自分。
 
こんな自分なのは、努力が足りないから?
でも、もう頑張れない。
というより、もう頑張り方がわからない。
 
これが僕の限界なのかもしれない……
諦めるしかないのだろうか、でもやっぱり諦めたくない。
複雑な気持ちの答えを探していた時、
書店で見つけた本、それがメンタリストDaigo 「突破力」
 
「無理なく限界を突破する心理学」
表紙に書かれたこの言葉見た瞬間、
僕はこの本に飛びついた。
 
さあ、どんな言葉で僕の限界を突破してくれるのか、
膨らませた期待は、読み始めてすぐに裏切られた。
 
「そもそも限界は突破できない。
運動能力だけではない。
性格の多くも遺伝によって決定されている」
 
いきなり身も蓋もない。
そんなこと、言われなくたってどこかで感じている。
だから、本まで買って何とかしようとしているんじゃないか。
腹立たしい気持ちを抑えてページをめくる。
 
「限界の存在が問題ではない。問題なのは、限界が存在すると思わせたり、限界なのに限界でないと思わせてしまう脳のプログラム、バイアスだ」
 
バイアスって偏見とか片寄ったモノの見方とか、そんな意味だったよな。
たしかに問題はありそうだと先を急ぐと、
脳内プログラムなんていう割には、その解除法はあっさりしたもの。
 
バイアスの存在に気づくこと
 
おいおい、本当かよ、
そうしたら、もうこの本を読んだ今、
バイアスから解放されたってことになる?
そんなに、簡単なら苦労はいらないよって、
思い出したのが、表紙にあったあの言葉
「無理なく限界を突破する心理学」
 
いやいや、そうは言ってもちょっと待て。
僕はそもそもバイアスがなんなのか、
正しく理解していない。
きっとその辺りに答えがあるに違いないと、
さらに奥へと進んでいくと、つまりはこういうことらしい。
 
時は原始時代のお話です。
僕たちの祖先たちが狩りに出かけると、出くわしたのは凶暴な肉食動物。
祖先たちは考えました。
逃げるべきか、戦うべきか。
ただ残念なことに、こっちだと決めたときには、すでに手遅れ。
全員食べられてしまいました。
めでたし、めでたし。
 
なんてことにならないように、瞬時に思考を乗っ取って、
行動までコントロールするプログラムが進化の過程で埋め込まれた。
それがバイアスだ。
 
ただ、現代の僕たちは肉食動物に襲われる危険なんてない。
それなのに感度設定が原始時代の危険レベルのままって、
いくらなんでも過敏すぎる。
もう少し感度を下げて、反応を抑えられたらいいのだが、
バイアスは脳にしっかりと埋め込まれていて調整は受けつけない。
とにかく自動で発動してしまうので、
気づいて自分でスイッチを切るしかない、ということ。
 
なるほど、バイアスは進化の過程で埋めこまれたお節介機能みたいなものか。
それにしたって、スイッチオフっていったいどうやってやるんだ。
だいたい勝手にお節介を焼くなんて、うざったいだけじゃないか。
まるで親みたいだな、そう思った時、ヒントが見えた気がした。
 
思い返してみれば、僕は両親に反抗ばかりしていた。
何かにつけて心配そうな口ぶりの両親を、うっとうしいと感じていた。
ただ、親を遠ざけようとするほど、親はますます口を出す、
束縛感はどんどんと強くなっていった。
 
今ならわかる。あの頃の僕は甘えていただけ。
甘えているくせに、くっついていたいくせに、離れていたいと強がっていた。
だけど、束縛から自由になりたいのなら反抗したって仕方ないのだ。
大切なのは、親のありがたさに気づくこと。
ありがたさに気づいたうえで、自立することだ。
 
「心配してくれてありがとう。
でも僕はもう一人でもだいじょうぶ。
トラブルにだって自分で対応できるし、
最悪に備えた準備だってできている。
だから、安心して」
きちんとそう伝えて、その姿を見せていく。
くっつきすぎず、離れすぎず、
自立した一人の大人として適度な距離感で付き合っていく。
 
きっとバイアスだって同じに違いない。
かつては僕たちを守るために埋め込められたプログラム。
ただ今はその役割を終えつつあるというだけ、
反発する必要なんてない。
自分で気づいて、自分の脳と適切な距離をとってあげる。
「今まで僕たちを守ってくれてありがとう。
でも、僕たち、もう自分たちの力で生きていけるから」
落ち着いてそう伝えてあげればいい。
そしたら自然と自由になれる。
視界だって広くなる。
 
そうだ、先輩だって……
先輩だって、いつも僕のためを思ってくれている。
僕がどんなに子供っぽい態度をとったとしても、
呆れた顔で突き放すことがあったとしても、
最後にはいつも助けてくれる。
 
そんな気持ちを受けとっていないのは僕。
バイアスに捉われて、ついつい物事のマイナスな状況ばかり意識が向いて……
よし、明日、先輩にありがとうございます、と伝えよう。
もう少し自分で考えさせてくださいって、話してみよう。
 
そう思った時、なんだか暖かい気持ちに包まれた。
僕たちはいろんなものに支えられている。
だけど、いつまでも甘えていたら成長できない。
だから自分で気づいて、自信をもって新しい一歩を踏み出してみよう。
なんて、本を読み終わるころには、
そんな自信を持っている自分に気づかされた。
 
メンタリストDaigo の「突破力」
なるほど、無理なく限界を突破する心理学って嘘じゃないかも。
 
ちなみに、バイアスにはたくさんの種類がある。
そして、それぞれの特徴を知っていれば
自分がハマった罠にも気付きやすい。
本の中で紹介されている20種類の中から、
自分がハマりやすいものを探してみてほしい。
 
バイアスから抜け出す方法も準備されている。
ネガティブバイアスから抜け出すのに僕が使ってみたのは、
「感謝の心で自己視点を突破する」
感謝の気持ちを持つことで意識が他人へ向かい、
自意識が薄れ、バイアスから抜け出しやすくなるというテクニック。
本を読んだ直後からすぐに使えて正直驚いた。
 
その他の方法だって、誰もすぐにでも使えるものばかり。
そして、ありがたいことにどの解決法も基本は同じ、
自分が気づけば、自然にはずれる。
 
どうですか、限界なんて軽く突破できそうな気がしてきませんか。
 
 
 
 
***
 
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2021-04-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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