コップ一杯の水が人生を変える。
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜
記事：Shota Hitomi（ライティング・ゼミ平日コース）
上司「ひとみくんも何か飲むかい？」
僕「結構です。僕、水以外興味ないので」
上司「きょ、興味ないって……？」
以前務めた会社にて、みんながコーヒーを注文している時に起きたシーンである。
ジュースなどの清涼飲料水はもちろんのこと、コーヒーや紅茶ですらほとんど口にしない。
時折牛乳やお茶を飲むくらいで、基本的に水しか飲まない生活をかれこれ2年以上続けている。
今でこそこんなだが、昔はむしろ逆。子供の頃からジュースなんかは大好きで、学生時代はお金に余裕がなかろうともお菓子と一緒に常備していたほど。
そんな甘党な僕が無味無臭な水人間に変わったのは、25歳の頃に経験した病気や体調不良が大きい。以降いくつか取り組んだ健康習慣の一つがこの水習慣だったのだが、やってみると目に見えてわかる変化が多く、とても驚いた。
ぜひこれを読んでいるあなたにもオススメしたいと思っている。
水習慣のメリットはたくさんある。
中でも最初に感じたのは「便通」だった。
元々胃腸が弱く、昔から頻繁に下痢に悩まされてきたのだが、20代前半からは便秘にも悩まされることが多くなった。「便通の悩み＝便秘」となった僕は腸のツボ押しや軽い運動など、あらゆる対策を講じたが、もっとも効果的だったのが水習慣だった。
特に起床後にコップ一杯の水を一気飲みする習慣は、以降一度も便秘になっていないくらい効果的。毎朝ほとんど決まった時間に便が出るほど快調なのだ。日本人、特に女性は便秘の悩みを抱える人が多いと聞くので、是非試して頂きたい。
また、全体的に体が強くなったと感じることがある。
毎年11月初旬になると鼻づまり、熱など、何かしら風邪症状に悩まされるのが恒例だったのだが、そういった症状が出ることがほとんどなくなった。これは水の習慣化というより、それに伴って起きた食生活の変化も大きい。それまで大好きだったジュースやお菓子への興味が薄れ、体質から改善されたのかもしれない。まったく根拠はないが確かに感じる変化であり、継続を成果としてとても嬉しかった。
体の変化というのは時にわかりやすく、続ける励みになりやすい。
病気や体調不良をきっかけに、新しい自分を手に入れたような気がした。
でもそれは体の面だけではない。
心の在り方やものごととの向き合い方すら変わったからだ。
これこそ何よりの成果だと思っている。
便通や風邪といった体の悩みが減ったことで、無駄に体の心配をしなくて良くなる。病院に行くことも少なくなるので、経済的にも嬉しい。もっと言えば、ジュースやお菓子を買わなくなったので金銭的な目に見える部分。浮いたお金は好きなものに一層費やせるし、なんとなくお金が減っていく、なんてことがあまりない。「これは本当に必要か」と冷静な目を持って買い物できる自分もいる。
別にお菓子やジュースなどが悪いと言いたいわけではない。甘いものを食べて得られる幸福感はあると思うし、甘いもので息抜きしながら過ごしてきた時代があるからこそ、それらを楽しみに暮らす人たちの気持ちも充分分かっているつもり。
ただ、漠然と食事を摂らなくなった今だからこそ感じられる味覚もある。
間食をしないということは、空腹で食事を迎えることが多くなる。研ぎ澄まされた味覚で一日三度の食事をじっくりと味わえるようになったのは、前向きな変化ではないだろうか。
つまり僕が言いたいのは、なんとなくの行動を取らなくなることで「目の前にある今」を愛せるようになるのではないか、ということだ。
水を飲む習慣を身に付け2年ほど経った今、生活の質は格段に向上した。
それ故か、思考もスッキリしていることが多く、それまでのように実体のない不安や緊張を感じることも少なくなった。ずいぶん身軽に生きられるようになった気がする。
水習慣は体や食生活に留まらず、僕の人生にまで影響を及ぼしている。
「毎日の飲料を水に変える」
言葉にしてしまえばシンプルだが、人生を変える一手にもなり得ると僕は思っている。
それほど力を秘めた習慣だからこそ、皆さんにもぜひお勧めしたいのだ。
とは言え、生活の飲料全てをいきなり水に置き換えるというのは、難しい人も多いかもしれない。そんな人こそ、まずコップ一杯の水習慣から始めてみて欲しい。
朝起きたてに一杯。風呂上がりに一杯。寝る前に一杯。たったこれだけだ。
思えば僕自身もこの小さな一歩から始まった。
体質は人それぞれだし、効果だって十人十色だろう。万人に働くとは限らない。
でも、何かしら新しい気付きを与えるきっかけくらいにはなるのではないだろうか。
まずは騙されたと思って、コップ一杯の水から始めることを改めてオススメしたい。
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