メディアグランプリ

「スマイル 0円」が案外難しいワケ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:たこ(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
某バーガーチェーンのメニュー表にあった「スマイル 0円」
サービスの一環として、話題になった。
その後、スタッフの対応やお客様の過剰要求からか、メニュー表から無くなったが、昨年より復活させている店舗もあるそうだ。
 
「コーヒー一杯サービス(無料)」
「送料無料(サービス)」
 
「サービス」という言葉に誰でも惹かれるのではないか?
私は「サービス」が大好きだ。
正確に言うと、「サービスされる」ことが大好きだ。
 
仮に、価格帯が同じレストランでどちらのお店にしようか迷った場合、「お食事の方に、コーヒー1杯サービスします」という宣伝文句があったら、コーヒー1杯サービス店を選んでしまう。
 
「人から読まれる文章にする為には、サービスを徹底させる」と、参加しているライティング・ゼミで教わるのだが、簡単そうで結構難しい。
某バーガーチェーンの「スマイル 0円」と同じ感覚だ。
「スマイル下さい!」と言われたら、ニッコリ笑顔をすればいいだけ。
笑顔は減るものでもないし、自分にも人にも不快感を与えるわけではない。
笑顔を向けられて不機嫌になる人は、そうそういない(よほど嫌味と取られない限り)。
それなのに、某バーガーチェーンは「スマイル 0円」表示を一旦取り下げた。
接客スタッフの「スマイル」が人それぞれ違う為「サービスを統一」できず、結果としてお客様に「統一したサービス提供をできない」ということからのようだ。
「お金をいただけない事に、何故応えなければならないのか?」と疑問に持つ人もいただろうし、
「その笑顔じゃなくて、もっと笑ってよ」と、お客様から注文つけられでもしたら
「無料なのに、それ以上要求しないでほしい!」という不満も出てきただろう。
だから、そう簡単に「ご満足いただける笑顔」なんて出せなくなってしまうのだ。
「0円」でも要求するお客様もいる現実。
それだけ「サービス」は、ハードルが高い。
 
ここで投稿する文章は、教わった事が生かされているか添削され、合格した文章(ほぼ実話・実体験が多いのだが)が、何の加筆修正も無く「ありのまま」天狼院ウェブサイトにアップされる。教わっておしまいにさせないよう、復習実践できる場を提供してくれている。
投稿に参加するのは、義務では無い。
けれど、投稿に参加した方が自分の為にもなるし、添削が「サービス」でついてくるのだから、参加しない方が勿体無いと思う。
「サービスされる」ことが大好きな私にとっては、特にそう思う。
 
では、自分の文章は「サービス」に溢れているかとなると「出し惜しみ」に溢れているような気がする。
 
ウェブサイトにアップされる人、更に上の「店主セレクト」に選ばれる人の共通点は「文章が上手で読みやすい」ことに加え、「サービス精神」に満ち溢れている文章ばかり。
失恋、病、失業の話……、つくり話では無いであろう実話の数々。
 
「ここまで書いちゃう?!」
「実名出してる!」
(記事投稿にはタイトルと氏名表記が条件だが、ペンネームでも良いので、実名表記は義務では無い)
……と驚くことも多い。
 
これまで書いた私の文章はというと、「万が一アップされても、非難を浴びないような無難な文章」を念頭においてきた。
振り返ってみると
「もし、これアップされたら恥ずかしいな」
「こんな表現で書いたら、すごい! と思われるかな」
「ネット社会の世の中だから、もし相手(本人)に読まれてもいい文章にしとこう」
と、計算したり、出し惜しみで作成していたような気もする。
事実、添削後「またチャレンジしてみてくださいね!」と、ウェブアップに至らないコメントをいただくと、どこか「ホッ」としていた自分もいた。
「サービス」に溢れている文章は、飾らず、素のままで、情景が浮かぶような文章が多いので「読み進めたく」なる。
 
某バーガーチェーンの「スマイル 0円」の試みは、笑顔で気分が良くなると「もう一品注文しようかな(笑顔が素敵だったから)」という購買欲を狙っていたかもしれない。
実際、笑顔で「もう一品いかがですか~?」なんて言われると、思わず注文したくなるし(お財布の中身がギリギリで無ければの話)、接客業経験者としての体験談としても、笑顔で「いかがですか?」とお勧めして、「NO」と言われる確率は非常に低かった。
 
文章でいう「サービス」は、「スマイル 0円」と同じように、「サービス」することで「読み進めたく」なる気持ちを起こし、「また読んでみたい!」「もっと読んでみたい!」という読欲を起こさせるのだと思う。
 
某バーガーチェーンの「スマイル 0円」のように、文章の「サービス」は「笑顔」だけでは無い。
「怒り」「悲しみ」「失敗」「成功」等、数々の「サービス」に溢れている。
サービス精神を活かして、どこまで読み手に「サービス」してご満足いただけるかが「カギ」なのだな……と感じてきた今日このごろ。
 
「スマイル 0円」が難しいのだから、文章の「サービス」はもっと難しいわけです。
心して「サービス」に徹しなくては、読まれないわけです。チャン。チャン。

 
 
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2018-06-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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