メディアグランプリ

子育ては推理小説


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記事:ガイスー(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「8時36分。元気な女の子が誕生しました。おめでとう」
 
義母から1通のメッセージが届いた。
無事に出産した連絡とともに、写真付きだ。
出産で憔悴し疲れ切ったなか頑張って笑顔を作っている妻、そして、お腹の揺かごから初めて外の世界に出てきた長女、2人が揃って写っていた。
通勤電車に揺られながら、私の目には涙がつたっていた。
 
この日から私たちの生活は一変した。
子育ての始まりである。
 
聞いていたとおり、そして、御察しの通り、子育ては大変だ。
散々色々な人に大変だと聞かされてはいたが、確かに大変だ。
夜泣き、オムツの交換、急な嘔吐、理由のわからないギャン泣き、など。
子育ての苦労を上げればきりがない。
 
そして子供が出来たことで生活が激変した。
 
一人暮らしから同棲を始めた時も大きく変化した感じがあったが、子供が出来たことで更に変化した。
 
まず、日々の生活リズムは子供に合わせなければならなくなった。
子供は体内時計で動いているらしく、朝は毎日同じくらいの時間に起きるため、休日だからといって昼までゆっくり寝ることはできない。
基本的に常に誰かが相手になる必要があるので、こちらのタイミングで家事や仕事はできない。
 
また、休日の過ごし方も子供のペースに合わせなければならない。
どこかに買い物に出かけても、オムツ替えスペースを調べなくてはならないし、子供の食事の時間に合わせて場所を移動する必要がある。
 
こんなことばかり書くと、子供を持つことは幸せなのか? ていうか、お前は幸せなのか? みたいなコメントを受け取りかねないが、私は子育てを、この振り回されている状況を楽しめているし、子供を持てて幸せだと感じている。
それも、かなり強烈に幸せに感じている。同僚からも「親バカだな、お前」と言われる始末である。
 
そう幸せだと感じられているのは、子育てを推理小説で犯人捜しをするように楽しんでいるからだ。
 
推理小説は多くの場合、話のはじめに事件が起こり、主人公たちが犯人を捕まえるために論理的に推理し、犯人を追い詰め、犯人逮捕となる。
 
子育ても同じように、特に泣いている時に同じステップで対処可能である。
 
子供は泣くことでしか自己主張できない。泣くという行為は、自分が行う場合は自己浄化にもなり、スッキリする効果もある。しかし、泣くのが我が子となると話は全く別物になる。
 
我が子が泣いているのは非常に辛い。本当にストレスフル。そして子供の泣き声を聞いて放っておくこともできない。ずっと泣き声を聞いていると、こちらのメンタルも崩壊してしまいそうになる。だから早めに、とにかく早めに泣き止むように手を打つ必要がある。
 
そこで私はまず一つ深呼吸し、現在の状況を把握し始める。
 
前回ご飯を食べた時間は? お昼寝はどれくらいした? 今の時間はいつもなら何をしている時間? 喉、乾いてない?
 
細かく検討すれはきりがないが、こんな問答を頭の中で何度か繰り返す。
子供が泣く理由は殆どが安心安全の欲求と言われる。つまり、生きていくために必要な欲求を満たそうとしているのである。だから、それらを満たしてあげれば良い。ご飯やミルクをあげる、抱っこして寝かせてあげる、オムツを替える、などすれば泣き止むことが多い。
しかし、問題は、理由がわからない時である。
ここをうまく乗り切ることができるかが子育てをやっていく上で、最大のポイントになっている。泣き止まない子供の泣き声を、しかもフルパワーの泣き声を耳の近くで聴きながら、何をすればいいのか冷静に分析しなくてはならない。生き馬の目を抜くほどの難しさではないと思うが、泣き声に動揺せず、投げ出すことなく、最後まで諦めずに犯人捜しを続けなくてはならない。
 
一般に、女性は感情的に物事を考え、男性は理論的に物事を考える傾向が強い。
だから、ここでの犯人捜しはパパが率先してやらなければならない。パパ、活躍のチャンスである。ここを冷静に乗り切ることができると、パパの株価はうなぎのぼりだ。
 
ここでの犯人捜しは手を替え品を替え、想像力を駆使してやらなければならない。まさに推理しているかのようである。今の状況を事細かに把握し、犯人の目星をつけ、試す。トライアンドエラーの繰り返しでもある。
 
先日、夜寝るときにギャン泣きが始まった。泣き始めた時は眠いからだと思ったのだが、抱っこしても、トントンしても全く泣き止まなかった。
あれこれ原因を考える中で、服の中に手を入れてみたら、ほんのり湿っている感じがあった。生まれて半年たたない頃に、扇いであげたら泣き止んですんなり寝てくれたことを思い出し、うちわで扇いでみた。すると、ピタッと泣き止んだ。なかなか閉まらない鍵が、やっと回った時のような快感があった。
 
子育ては推理ゲームだ。
 
推理小説のようにすっきり犯人が見つからず、右往左往することもあるが、状況を事細かに把握して、子供を冷静に分析すれば、犯人捜しの精度は確実に上がっていく。それと同時に妻からの信頼度も増していく。そうなれば家庭内も平和に、よりよい家族となれる。
理論的に、冷静に考えるのは男性の得意とするところであり、活躍のチャンス。
このチャンスを活かし、妻を助け、もっと惚れさせよう。妻にもっとモテよう。
 
今日も私の犯人捜しは続く

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2018-06-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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