メディアグランプリ

職場の人間関係で悩んだ時、助けになったのが50分6000円の●●だった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:井上文江(ライティング・ゼミ朝コース) 

 
 

苦しいときって、エネルギーをためこんでいるときなのだと思う。 

その感情を味わい尽して、 

「もういいや、もういい加減やめにしたい」 

と思った瞬間に状況は動く。 

 
 

かつて私は6年半、モラハラな上司のもとで 

自分自身も自分を責めて、いじめ続けた。 

6年を過ぎたころ、 

上司の怒りに触れてしまい 

モラハラが転じてパワハラ&いじめに変わっていた。 

 
 

そんな中、
なんとか前向きに頑張ろうとしていたけれども、 

あきらかに精神状態や体調はおかしくなっていた。 
 
 

ある朝、会社に着いたら 

「今日、自分は死んでしまうかもしれない」 

と本気で思った。 

怖くて心臓が止まってしまうかもしれない、 

と思い、トイレの中で震えていた。 

携帯を握りしめていたけど、 

誰に電話していいのかわからなかった。 

 
 

「もう疲れた……」そう思ったその時、 

心の底から 

「神様、助けてください」 

という言葉が出てきた。 

神様なんて全く信じていなかったのに、心の底から 

「もう限界です。神様、どうか助けてください」 

という思いが湧き上がってきた。 

 

そこから事態は変わっていった。 

 

神様が助けてくださったのかどうかはわからないけれど、 

それまで、状況改善への気力を失っていた私だったが、 

「相談できるところを見つけなくては!」 

という前向きな気持ちが起こってきた。 

 
 

そこでまずは、労働局の電話相談に電話をしてみた。 

 

職場での状況を話すと、相談員は、 

「職場改善の指導というかたちで介入できますが」 

と言った。 

それは困る。社内で労働局に連絡した犯人捜しが始まったら 

余計にひどい状況になりかねない。私が欲しいのはそういうことではない。 

「もうちょっと頑張ってみます」と言って電話を切った。 

 

次に行ったのは心療内科だった。
話を聞いてもらえれば、ストレスが軽減されるのではないか? と考えたからだ。 

 

心療内科に行くと、 

医師からストレス状況を確認する10個ぐらいの質問をされて、 

「軽うつの状態がみられますね。お薬出しますから飲んでみませんか?」 

と言われた。 

 

「いえ、薬ではなくて、相談できるところを探しているのですが」 

と言うと 

「診療時間の範囲で私がお話を伺いますよ」 

と若い男性の医師はにっこり微笑んだが、その時ふと保険証に会社名が入っていることを思い出した。 

どこの誰なのかわかっている状態で社内のことを話すのはまずいのではないか? 不安がよぎった。 

結局、心療内科で話をすることはやめて、薬も飲まずに別の方法を探すことにした。 

 
 

話を聞いてもらえるところはどこだろう? 

インターネットで探していたら『産業カウンセラー協会』というものがあることを知った。 

 

カウンセラーの中でも「産業」が名前についているだけあって職場の悩みや労働問題に詳しいカウンセラーだということがぼんやりわかった。 

ここならきっと私が会社で体験していることを理解してくれるだろうと思えた。 

 
 

悩みを家族や友人に話して愚痴だととられるのが怖かった。 

“いつも愚痴ばかり言っている人” 

と思われたら余計につらくなる。 

“痛い人”として腫れ物に触るように扱われるのも嫌だった。 

 
 

助けを求める気持ちで予約をとり、 

産業カウンセラー協会に初めてのカウンセリングを受けに行った。 

初めて会ったカウンセラーのOさん(仮名)は、 

60代ぐらいのショートカットの小柄な女性で、優しそうで感じの良いかただった。 

会ったときに、この人なら大丈夫そうだとほっとした。 

カウンセリング時間は50分。 

私はその50分間、弾丸のように早口で話をした。 

職場で起こっている事実をわかりやすく、 

できるだけ感情的にならないように心がけて話した。 

 

Oさんは、ときどき「それはこういうことですか」と確認をするくらいで、 

感想や意見は一切言わずに、ただただ私の話す言葉にうなずきながら聞いてくれた。 
 

それがとてつもなく嬉しかった。 

ありのままの私を受け入れてくれる人に初めて出会えたような気がした。 

 
 

それから2週間おきに6回のカウンセリングを受けた。 

 

自分の話を真摯に聞いてくれる人がいるだけで安心できたし、 

話すことで状況を客観的にみられるようになってきた。 

職場では悪者扱いされているように感じていたが、 

「私は、何も悪いことはしていない。私なりに誠意を尽くして働いている」 

そう思えるようになった。 

 

上司からきつい言葉を投げかけられても、 

次回のカウンセリングでOさんに話してみようと思うと、我慢できた。 

 

Oさんは特に私を励ますわけでもなく、ただただ聞いてくれるだけだ。 

だけどそれによって、自分の存在を認めてもらえるような安心感が生まれる。 

「私はまだ大丈夫だ」と思えることで体調も良くなっていく。 

話を聞いてもらえることで人は強くなれるものだと思った。 

 
 

カウンセリングの値段は、50分6000円(2013年当時)。 

整体を受けるのと同じくらいの値段だ。 

 

整体に行くのは気軽にできたけれどもカウンセリングはちょっと行きづらかった。 

“問題を抱えている人”というレッテルを貼られるようで嫌だった。 

でも、そんな心配はなかった。 

カウンセリングを受けに行っていることを職場はもちろん家族にも知れないように配慮してくれる。 

だから整体に行くような気軽さでカウンセリングを受けたらいいと今は思う。 

カウンセリングをきっかけに少しずつ自信を回復した私は、 

粛々と引き継ぎ資料を作り、カウンセリング開始から2か月が過ぎたころ 

無事に退職した。 

退職後私は、 

職場の人間関係で苦しんでいる人の力になりたい、 

という思いから産業カウンセラーの資格を取った。 

 

まだまだカウンセラーとしては未熟だけれども、 

Oさんにしてもらったことを、今度は私が別の誰かにしてあげられるように、 

自己研鑽を続けている。 
 

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2018-06-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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