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働き方は休み方


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:原三由紀(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
「あなたの働き方、ブラック企業どころの騒ぎじゃないよね」
これはつい最近、私がとある女性から言われたこと。
 
コンサル会社の秘書になって5年。出張日数は年間約250日。東京にある自宅で過ごすのは1カ月のうち3分の1あるかないか。土日も関係なくクライアントさんのイベントなどのサポートをし、休みなく猛烈に働く毎日。
ボスやクライアントさんからいつどこにいても大量のメールや電話は来るし、仕事をためると後で地獄をみるのは明らかなので(笑)、24時間365日フルスロットルで働く。パソコンが1台あれば、どこでも仕事ができてしまうため、まったく仕事をしなかった日は5年間トータルで0日。
ちなみに友人と旅行に行っても、ホテルの部屋で寝る前に仕事をします(笑)。
 
そんな激務のなか私が手に入れたのは、「心の安定」です。
以前よりイライラすることが減って穏やかになったし、人に対して強い言葉を口にすることはほぼなくなった。
ちなみに私の「心の安定」を示す証拠は、以前どんなにケアしても治らなかった頑固なアゴのストレスニキビが1つ残らず消え去ったこと。本当にまったく、奇跡のようにニキビができなくなったのです!
 
いやいや、じゃあ私の生活ノーストレスなの? っていったらそうじゃないと思います。人並みに、いや人並み以上に苦しいこともつらいこともあります。それでもなぜ私は心の安定を手に入れたのか?
不思議に思った私は、かつての働き方とそれに沿った感情を思い出してみました。
 
基本的には週5のフルタイム勤務。月~金まで働いて、土日が休み。
端的になにが特徴かというと、勤務に応じた感情の起伏が激しいこと。休みを待ちわびて「わーい休みだ!」と喜び、仕事が始まることを「ぐへー明日から仕事だ」と悲しむ。エンドレスにその繰り返し。
……つまりこんな感じです。
 
月曜日「また1週間が始まってしまった」
火曜日「まだまだ1週間長いなー」
水曜日「あーやっと1週間の半分が過ぎた。あとちょっとだ」
木曜日「よし、あと1日! 気合だ! がんばれ私!」
金曜日「やったー! 仕事から解放された! 遊ぶぞー!」
土曜日「1日があっという間。あと1日しか休みがない」
日曜日「明日も仕事だ(鬱)。早く切り上げて家で休もう」
※月曜日に戻る
 
休みと仕事に対する気持ちの浮き沈みを勝敗に例えるなら、1勝5敗1引き分けってところだろうか。……完全に負け越しじゃん!
 
では、今の生活で考えてみるとどうでしょう。
365日仕事。つまり毎日毎日、当たり前に「明日も仕事がある」という状態です。その場合、毎日「ぐへー明日も仕事だ」となるかと言ったら、そうではないのです。
いちいち悲しむ余裕はありません。だって毎日そうなんだもの。それって当たり前なんだもの。言ってみれば負けがないのです。あるのは勝ちと引き分けだけ。
 
翌日は朝早い日もあれば、遅い日もある。でも変わらず仕事。
当たり前なので翌朝4時起きの日だって関係なく、前日も仕事で深夜まで働くなんてザラ。
だからこそ「明日仕事で朝早いから……」となにかを断ることもないし、なにかをあきらめることもない。何度も言わせてもらう。だって、当たり前なんだもん。
喜ぶでも悲しむでもない。当たり前に、淡々と、明日も仕事なのだから。
 
世間では「働き方改革」のオンパレード。そこで必ず話にあがるのが、ONとOFFをきっちり分けてメリハリつけて働きましょう、という議論。
休みはきちんと休みましょう。有給休暇の取得率あげていきましょう。
 
休め休めの大合唱です。
休む人が偉い。ONとOFFをきっちり分けている人が偉い。そうとさえ聞こえる勢いです。
 
「ん? 一生懸命働きたい人が、がむしゃらに働くのは悪なのか?」
そんな疑問が私にはむくむくと湧き起こってしまう。
 
私が以前、ONとOFFがはっきりした会社員として働いていたとき。そのときだって会社は楽しかったし、仕事も一生懸命取り組んでいた。
でも、今ほど心は安定していなかった。些細なことでイライラしていたし、感情はいろんなことに浮き沈みした。
 
もちろん要因はひとつではなく複合的なのは分かっている。ただ、ONとOFFがはっきりしていたからこそ、感情は1週間単位で大きく揺れ動き、かき乱されたのは事実。
その生活と揺れ動く感情で失われていたものも確実にあるように思うのだ。
 
だから私のように365日フルスロットルで働け、と言いたいわけではない。
私はただ、こう問いたい。
 
「あなたが働くことに疲れている理由は、果たして休みの数によるものだろうか?」
「本当にONとOFFにメリハリつければ解決することなのだろうか?」
 
少なくとも私にとっては、ONとOFFがきれいにマーブル状にまじりあった今の状態はなかなか心地がよい。両方経験したからこそ、今の方が精神的に楽とはっきり断言できます。
 
働き方改革は、決して休みの数を競うイベントではない。
本来、働くことを楽しむ人が増えることを目指すものではなかったのか。
 
自分が今、働くことに感じるストレス要因は、本当はなんなのか。
ぜひ自分の胸の深いところに聞いてみてほしい。
 
「どう働くかは、どう休むかだ」そんな言葉を聞いたことがある。
ONと完全に切り離された休み方、それが余計自分を苦しめている可能性もぜひ探ってみてほしい。「自分の休み方を見直すこと」が働き方改革への最短距離かもしれないのだから。
 
ONとOFFの混じりあうこの絶妙な生活のすばらしさを、この記事で気づいてくれる人がいてくれたらいいのに。
土曜の夜にファミレスで仕事をしながら、私はそう思いを馳せる。

 
 
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2018-07-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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