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30歳で障害者手帳を取得して見えてきた3つのメリット


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記事:36(ライティング・ゼミ特講)

 
 
私は30歳になって初めて障害者手帳を取得した。
5回目の転職も上手く行かなかったことがきっかけで体調を崩し、病院を受診した際に「選択肢の一つとして、障害者手帳を取得してはどうか」と主治医から打診を受けたからだ。
 
当初は障害者手帳と聞くと、妻や家族は難色を示した。「そんなに重症じゃない、きっと大丈夫だよ」と励ましてくれた。
でも、その温かい言葉は私にどこか冷たく響いていた。
 
「私は大丈夫」
そう思って何度失敗しただろうか。
「大丈夫」という薄っぺらい自信で頑張ろうとして、またパンクしてしまうのがどうにも恐ろしかった。
 
結局、妻と家族に自分のありのままの思いを伝え、障害者手帳を申請し取得した。
障害者手帳があるおかげで、転職活動中の私は障害者求人にも応募することができるようになり、「一般求人」と「障害者求人」の2つの選択肢が選べるようにになった。
 
もちろん障害者手帳を取得することで福祉的な支援を他にも得ることはできたが、それ以上に3つのメリットを得ることができた。
 
1つ目のメリットは、自己理解のため時間を得たことだ。
私はこれまで5回以上の転職をしているように、当たっては砕け、当たっては砕けを繰り返していた。PDCAサイクルを回しているつもりが、Pの段階で力尽きてしまっていたのかもしれない。
しかし、障害者手帳を取得する際に、障害を持つ方を対象にした就労移行支援事業所という場所に通う中で、働き方を振り返りつつ自分を見直す機会を得た。
障害を持つことゆえの特性を整理したり、ナビゲーションブックという自分の取扱説明書を作成したりする中で、自分の姿が初めて客観的に見えてきたのかもしれない。
見えなかった等身大の自分と出会えたことが、自分の強みや弱点を理解するきっかけとなった。
 
等身大の自分と出会ってから初めて、「自分は無理をしすぎると崩れる人間だ」と理解し、行動計画を立てられるようになった。
私は小中学生の頃に司馬遼太郎の小説にハマり、自分も将来は歴史上のスターのようにバリバリ活躍してやると思い込んでいた。大人となっても、根底にはこの思いはあったようで、「人間は無茶してナンボ」と後先を考えずに突き進んでいた。その結果、何度も体調を崩してしまっていた。しかし、今では「自分は凡人」と理解し、自分をコントロールできるようになりつつある。
 
2つ目のメリットは、自分の弱さを人に公言することで強くなれたことだ。
私は障害者手帳を取得している。そう言うと多くの人に驚かれる。現在の勤務先には、障害者手帳のことを含め全てオープンに伝えているが、障害があろうとなかろうと良い意味で分け隔てなく接してくれている。障害がある私でも一般求人で選考を進めてくれ、これまでの経緯は関係なく、仕事ぶりで評価すると言ってくれた。
 
転職活動の面接で自分に障害があることを伝えることは、正直とても勇気が必要だった。だが、障害をオープンにしたおかげで、今までの転職経験の多さを理解し自分を受け入れてくれる職場と出会えた。弱さを理解してくれる職場だからこそ、自分の強みを発揮して働くことができている。
 
もし障害を隠したまま転職していたとしたら、障害を隠すことに必死で仕事に打ち込めていなかったのかもしれない。「バレたらどうしよう」というストレスからは逃れられなかっただろう。
 
障害をオープンにしたことで、今の職場でも最初はいろいろ質問された。しかし、今では私自身も職場の仲間も障害のことを忘れるくらい、集中して仕事に臨めている。
 
3つ目のメリットは、周囲の人の優しさに改めて気づけたことだ。
障害者手帳を取得する過程で、私自身は葛藤が少なかった。一方で、妻や家族には少なからず思うところがあったように感じる。
しかし、私の障害に関する書籍を買って勉強してくれたり、積極的に情報収集を行っていたりする姿を見て、家族の優しさを実感した。
また、友人に障害が発覚したことを打ち明けても変わらずに接してもらえている。
 
障害者手帳を取得することには、抵抗を持つ当事者も多いだろう。しかし、障害者手帳を取得することによって見えてくるものもある。
 
何らかの生き辛さを感じたとき人は無理をしがちだが、自分の弱さを捉えなおすことによって見えてくるものもあると私は学んだ。
 
 
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2018-07-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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